加賀高山採集の風景

採集地:石川県加賀地方

2005.10.16

冷たい雨が降り注いだ15日。某氏と今期最後のルッキング採集に出かける予定をペンドすることになった。今シーズンはもうこれでお終いか・・。

この週末、土曜はぶらぶら過ごして採集も諦めていたのであるが、深夜2:00に目を覚ますと単独でも行ってみたくなってしまった。10月も半ばなので、無理は承知である。実際先週も坊主を喰らっている。だけど、行きたいと思う気持ちの方が強く支配していた。急遽荷を詰め込み着替えも済ませ出発である。この時間からなら丁度夜明け頃には現地に着けるはずである。さて、どこに入ろうか・・。

福井経由で石川に到着。山間部へ差し掛かると夜が明けてきた。昨日はこちらも結構降っていたようで、草木はかなり濡れている。川の水もいつもより勢い良く流れていた。冷え込みもだいぶ進んでおり、秋の深まりを感じる。日が射してくれないときついかもしれないな。

6:30ポイントへ到着して身支度を整え、いざ出発である。長袖でも寒いくらいだが歩き出せば温まってきた。見たところ紅葉は進んできているが、柳もまだ元気があるように見える。まだ歩き出して15分程しか経過していなかったが、早速黒い影が目に入った。小型だがヒメオオ♂のようだ。慎重に網へ誘い込み手にしてみる。寒さで虫もうまく動けない。こんなに簡単に1頭目が出るとは、まだいけるのと期待させてくれるものだった。

更に上へとルッキングを続けるが、なかなか次が見つけられない。日も射し込んできていい感じであるのに。やはりもう時期的に厳しいのであろうか。昨日の冷たい雨が影響しているのだろうか。その後はほんとにさっぱりで、ただ黙々と歩き続けるだけだった。

70OVERのミヤマ♂
いつしか中間地点も過ぎ、ここから濃いエリアなのだが、この日は全く駄目だった。上がるにつれ霧に包まれ太陽が見られなくなってしまった。気温も上がらず、虫も上がらず、上がっていくのは私だけといったところか。嘗ての実績の木でも尽く何もいない。まったくもって寂しい限りである。

あっという間にピーク地点まで到達してしまった。当然過去最短だった。辺りは濃い霧に覆われている。だが、ここにある木でようやく追加の1頭を見つけた。そこそこのサイズである。やっと獲られた2頭目はずっと歩き続けて最後に追加できたために感動も大きかった。

その後は天候も気になるところなので休むこともなく下っていった。下りもやはり厳しい状況が続いた。この日は蝶もほとんど飛んでおらず、被写体となる生き物もほとんど無いため、木のチェック以外には時間をとられる事がない。ただ、この日はぬかるんでいたため長靴を履いていたので足先が痛くなってきていた。やはり登山のような場所には向かない様である。
大型のアカアシクワガタ♂ だいぶ下りてきてようやくまた日が射してきた。そして3頭目となるクワガタのシルエットをようやく見つけることが出来た。写真を撮ろうと近づいてみると足が赤い。間違いなくアカアシだった。この時期はいるとしてもヒメオオ位しかいないと思っていたが、アカアシも確認できるとは収穫である。その後は車へ戻り、別な場所で少し散策した後温泉に向かった。


体も温まり、まだ日も高いが帰ることにする。途中の滋賀県の山を横にみながら夕方には京都まで戻ることができた。やはり、家にいるよりは良い1日を過ごすことができたようである。


今回は虫の知らせか、目が覚めてしまって衝動的に家を出て採集へ向かった。結果、なんとか3頭の虫を採集できて良かった。たとえ3頭でもこの時期に確認できたのは嬉しいものである。紅葉の進んだ山は晩夏とは一変しており、今シーズン最後のルッキング採集というピリオドを私の心にも打つことができた。また来期まで10ヶ月近く待たねばならないが、その間また行きたいところを考えるもの実に楽しいものである。
◆本日の採集成果:ヒメオオクワガタ♂2、アカアシクワガタ♂1