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南紀採集の風景
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一年とは実に早いものである。私は年末から愛知の実家に帰省していたのですが、大晦日の晩に親と紅白を見ているときなどはそういった時の流れを感じることのできる時間でもある。この時私は元旦の予定を急遽変更して南紀へ向かうことに意を決した瞬間でもあった。 除夜の鐘の鳴る0:00を回ったところで実家の愛知を出発。東名阪道を使って南下を開始、同時に虫友に新年初のメールも配信したのであった。この時間この道を走っている人は初詣にお伊勢詣りを目指すのだろうが、私はもっと南の熊野古道詣でとでもいうのだろうか。さすがにいくらクワバカでも元旦くらいは家でおとなしくしている方が多いのかもしれないが、この時私は衝動的にとりあえず南紀を目指して疾走してしまったのであった。 約4時間の道のりで、ある程度の所までやって来た。運転にもそろそろ疲れたし、ここらで車を止めて日が昇るまで寝ることにした。朝が来て7:00頃に目を覚ましたが、元旦の日の出は雲に遮られ拝めなかった。ゆっくり身支度を整え、パンを頬張り車を走らせた。いよいよ向かうは今年初のお山であった。まず、途中小さな神社で手を合わせる。一応これが今年の初詣。なにを願ったかは書くまでもない。 着替えも済ませ、斧・カメラ・手袋・帽子も装着していよいよ山へ入っていった。とりあえず歩いてみて斜面に良さそうな倒木を見つけたので斧を入れるまでもなく転がりでてきたのはネブトの幼虫であった。数頭回収していよいよ斧を入れると次に転がりでてきたのはやや細い体型の華奢な幼虫だった。ルイスツノである。まだ、入って30分と経たない。それに、斧を入れたのはこれが一刀目で、しかも当たりとは実に幸先がよい。本年も良い一年になりそうだ・・(^^ |
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その後もルイスは順調に回収出来る。わりと大きな成虫(←写真個体)も獲られた。こうして見るとツノが立派である。 続いて少し移動して、またこれはと思う材を叩いてみる。すると小さな丸い糞がでてくる。この材も当たりのようである。また今度もゴロゴロと成虫幼虫が転がりでてくる。 初めてこの地を訪れた2年前の頃はルイスがどんな材に入っているかもわからず闇雲に叩いてコクワばかりしか出せなかったのが嘘のようにこの日は叩く材の事如くに大なり小なりルイスが入っていてくれた。 続いてようやく大きな食痕の先にあらわれたのはコクワガタだった。なんだか小さなルイスばかりだったのでやけに大きくみえるものである。 |
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その後も少し散策して斧を入れるといきなり成虫が現れる。(←写真個体) そろそろ成虫・幼虫合わせて60〜70頭はいっている頃だろう。ここらで切り上げることにしようと思い、最後に斧を入れてみると今度は白く腐朽した材からも成虫、幼虫が獲られた。 3時間弱の時間で6本の当たり材から結局86頭のルイスに対してコクワは2頭という好成績でまず初めのポイントは切り上げることとなった。 |
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引き続き移動を開始して丁度正午頃に第2のポイントへ到着。日も高く昇り暑くなってきた。真冬なのに汗ばむ陽気である。先ずは手前の林へ入ってみると叩きあとがあちこちに。続く本命な場所へ入ってみたが、今度はオオゴキ君ばかりである。 |
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最後に向かったポイントはかねてより入ってみたいと思っていた初の場所だった。しかし、道が所々渋滞したのもあり、移動で時間を費やし、到着したのは16:00を回ってしまっていた。この時期は日没も早いのでこの時間からの新規開拓はもう諦めざるを得なかった。 なので、折角であるからこのあとは露天風呂のある温泉に向かうことにした。海の向こうに日が落ちるのはいつ見てもいいものである。ましてやこの日は元旦。元旦から採集をして温泉で締めることができただけでも感謝したい。 その後は休憩や食事もはさんで京都の家に辿り着いたのは23:00を回っていた。しかし、今年も実りのある一年が迎えられそうな採集初詣であった。 走行距離は名古屋から京都の移動で紀伊半島を一周したため、608km。時間も休憩・仮眠を入れて23時間も費やした今回であるが、やはり南紀というのは広い事を痛感した。しかし、そのほとんどを海岸線沿いを走るため、景色の美しさは他の採集地に無い素晴らしいものがある。このページをご覧の貴方も機会があれば一度トライしてみてください。成果が無くともきっと満足したものとなると思います。 |
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◆本日の採集成果:ルイスツノ成虫26+幼虫60、ネブト幼虫5、コクワ幼虫2 |