越中ルッキング&灯火採集の風景

採集地:富山県

2006.8.5-6

快晴の猛暑 ■8月5日(土) 昼の部

やっと天候にも恵まれ、休みも取れ北陸方面の富山で灯火採集へ出かけられる機会が訪れた。そして、この週末にぎりぎり新規導入のライトも間にあった。月明かりのみはいまいちだが、御膳立てはこれで整った。

10:00を目処にI氏宅へ向かい合流。さすがに夏休み真っ只中で土曜昼間とあって道は混みあっていた。

予定インター手前で降りて現地を目指し軽く柳でルッキングを行うが空振り。この日はすこぶる暑く、昼間のルッキングにはかなり厳しい状況。天気が良いのはいいがちと良すぎな程で車でエアコンが効いていても日差しが暑い位だ。ここへ来る途中38℃という気温が表示されていた。山間部とは思えない暑さだ。

続いて灯火採集の予定エリアへ向かった。やや標高も低く、それでいて植生の良いポイントは限られる。そんななか予定エリアでここというポイントも絞り込めた。あとは夕暮れまで時間もあるし、標高をあげてヒメオオを探す事にした。

しかし、そう簡単ではないのが富山の姫。過去4度挑んで昨年の1♂のみと凄惨を味わってきている。アカアシを1♂見つけるのがやっとで時間的にも戻らないといけない時刻がきていた。

そんな時、最後の最後でI氏が♀のクワガタを見つけた。手にするとなんとヒメオオクワガタだった。続いて私もあたりを探すと♂のヒメオオを奇跡的に発見。しかしこの個体は二人共カメラ撮影に夢中になり、横着な採集をしてしまい採り逃す羽目になる。なんとも後味が悪いが、この場所で拝めただけでも良しとしなければならない。
アカアシ発見
富山産ヒメオオクワガタ♀
ヒメオオクワガタ♂
2006年新バージョン初点灯

■夜の部
気をとりなおし灯火採集のポイントまで急いで戻った。慌てて機材の設置を行い、準備を終えた頃にはすっかり暗くなっており、既に点灯開始の時間となっていた。

早速2台のエンジンを始動。今回はいつもの16iに新規導入の1000w球+リニューアルの250w球と9iにいつもの400w球×2灯という新体制である。球があたたまるとやはりかなり明るい。だが、空も暗くなり気温も下がりはじめており、月齢も良くないがはたしてどうなのだろうか。一旦、車へ戻り素早く晩飯にありつき、また戻ってもまだ虫は集まっていなかった。

20:00もまわり、ようやく飛来が始まった。まずはコクワガタ♀が飛来。しかし、次はいつもと来る順番が違いミヤマクワガタの♂がやってきた。その後もコクワガタやアカアシクワガタの♂♀は飛来したものの飛来の大半はミヤマの♂という変わった現象が続いた。しかも、そこそこなサイズの♂が多い。

やがて、ノコギリクワガタの♀、ミヤマクワガタの♀も飛来したが、比率も順番もこの様な結果は初めてである。22:00もまわるとだいぶ涼しくなってきた。気温を確認すると18℃まで下がっている。その頃から飛来はまばらとなり、退屈な時間帯になってしまった。I氏は地ベタへ寝転んで星を眺めている。私はせっせと向きを変えたり、辺りをチェックしていたが、気が付くと左足のふくらはぎが痛い。筋肉痛でも起こしたか、長靴の締め付けで擦れて痛むのか程度に思っていたが、そうではない事に後で気が付くのだった。

23:00をまわった頃16iがガス欠で停止した。やはり、稼働が多いようでいつもより時間が持たない。携行缶を引きずり出し、給油を行い再点灯。すると、9iもガス欠でエンジンストップ。こちらは給油だけして、ライトは畳む事にした。ほとんど最大稼働では共に4時間程度しかもたないという事がわかったが、それは10L缶では一夜しか持たないという事でもある。

やがて0:00もまわったが、飛来はほとんどなくなってしまった。この後も少しは粘ってみたもののカブトも訪れないし、気温はまた更に下がって17℃を指している。日中のうだるような暑さが嘘の様である。

ここらで潮時と見極め、1000wの灯を落とすが、熱くて車に片付けられない。安定器は更に熱く持つ事すらままならない。仕方ないので250wのみ残して少し冷えるのを待つ事にした。その間もI氏は片付けもほとんどせず、星を眺めてあれがペルセウスだのこっちがカシオペアだのと夢中で私にも色々説明してくれるが、私には皆ただの星にしか見えなかったのだった。

クールダウンの後、機材全てを撤収し、山を後にした。明日は軽く午前勝負でルッキングなので移動中に車を停められる空き地で眠る事になったのである。


◆本日の採集成果:ルッキング採集 ヒメオオクワガタ成虫♂1♀1、アカアシクワガタ♂1
 灯火採集 ミヤマクワガタ♂16♀5、ノコギリクワガタ♀1、アカアシクワガタ♂1♀1、コクワガタ♂2♀1


■8月6日(日)
3時間程の眠りから目覚めると、既に日も登り朝が訪れていた。新調したライトが後部座席を陣取っているためリクライニングすらできないが、それでも途中で起きる事もなく爆睡していた。左足ふくらはぎの痛みと腫れが普通でない事に気が付いたのもこの時だった。赤く大きく腫れあがり、筋肉痛とかの類ではなく、あきらかに蜂かサシガメにでも刺されたものだ。灯火採集はヒルや毒蛾にやられた時もそうだったが、後から被害に気が付く事が多いので注意しなければならない。

早速、移動を開始して標高をあげてゆく。途中に柳があったので降りて確認する事にした。だが、虫の気配は全くない。山あいはまだ、肌寒く、半袖半ズボンの格好では寒いほどである。軽く朝食を頬張りながらまた移動を開始した。更に標高をあげたところの柳も丹念にルッキングを行うが、やはりなにも付いていない。個体数が少ないのか、まだ時間が早いのか・・・。

続いては、車を停め徒でのルッキングを行う事にした。I氏は当初歩くのを渋っていたが、ここまで成果の欠片もなくば致し方なしといったところだった。

早速、採集装備を整え、歩いて登ってゆく。先ほどまでは涼しく感じられたものが、いざ歩き出すと暑くなってきていた。しばらく歩き、先行者と遭遇した。採集者ではなく、山菜などのプロな二人組だった。ここはまず誰も入らないかと思っていただけに正直驚いた。その後もピークまで歩き続けたが、結局クワガタはなにも見つける事が出来なかった。完全な敗北となってしまった。

◆本日の採集成果:無し