会津ルッキング&灯火採集の風景
(北陸東北ツアー3日目)


採集地:福島県会津地方

2006.8.14

■8月14日(月) 昼の部

朝6:00頃には灯火機材の撤収を終え、素早く移動を開始した。なんとか7:00位には檜枝岐村に入り、やがて有名林道へ到着。ここは競合は多いが、いつ来ても、なんだか好きな風景である。林道へ突入すると採集者の姿の方が虫より先に目に入った。ならばと決め打ちで濃いとこ以外はパスして回る作戦に。この林道一番の場所までやってきたが、やはり先行者が入っておられた。みるからにベテランな方で話を聞くと夜から来ており、明け方から何度もみられているというが、まだ1頭とのこと。やはり年々厳しい状態にある様子。私はその方と入れ違いで丹念に見てゆくが、虫の姿はない。しばし、歩いて探してみるとしよう。すると奥の柳に止まる黒いシルエットを発見。単眼鏡で確認するとヒメオオクワ♂で間違いない。ネットに納めるとまあまあなサイズ。その後も小さな♂を追加したが、あとが続かない。

ヒメオオ発見! ヒメオオネットイン
暫く歩いて車の場所まで戻り、再度最初のポイントをくまなく探していると、ヤナギに比較的大きな虫が乗っている。角度から頭は見えないが、あのサイズならかなり大きなヒメオオの♂。もしかしたらギネス級かも。気合いを入れ慎重にネットを差し込み捕えてみると・・・なんと、ノコギリクワガタの♂だった。標高は1500m近くあるはず。えらくでかいヒメかと期待したのにまさかノコとは。これは普通に考えれば放虫と疑うところだが、以前もこの地域の1200m位の場所でノコギリクワガタを採集した事があっただけに・・・?

その後場所を移動すると次々と採集者と遭遇した。私が道を譲って頂いた際に、相手の山形から来ていた方達としばし車を降りて話込む事もあった。天候は曇っていたのだが、午後からは時折雨模様で昨夜はほとんど寝られていないため疲れも効いてきており切り上げる事にした。その後は町の宿まで移動して仙台の清水氏が到着するのを待つ事にした。
大きなヒメオオだと思ったら・・ 黒いノコギリクワガタだなんて・・(汗

会津の本場で親分と一騎打ち ■夜の部

15:00頃、宿に到着し駐車したとたんに清水氏から電話が入った。まだ、もう少しかかるとの事で、早速灯火の陣取りをしておく様に言いつけられ、宿に荷物をおろしただけで休む間もなくまた出発。こればかりは親分の言いつけには逆らえないので仕方がない。(笑)
今夜の予定場所の陣取りもおわり、再度宿に戻り今から一休みと思ったら、車の音がした。親分の到着だ。春の採集で会って以来だが、年々お会いする機会が増えている。今回清水氏は息子さんも連れで来ており、一見するとただの一般採集者の様だが、息子の虫の知識もすごいし、親父の採集熱ときたらこのエリアに入っている採集者で太刀打ちできる人が何人いるのだろうか?
話が脱線したが、清水氏親子が到着し、話もいろいろしているうちに夕食の時間となった。この日の夕食は岩魚料理がメインだった。そのうち辺りは薄暗くなり、いよいよ灯火採集へ出撃の時が来た。

アカアシクワガタ♂カブトムシ♂ミヤマクワガタ♂
清水氏1頭目のオオクワガタ♀ 私と清水氏は場所的には100m程は離れて設置している。この場所は許可を得ての採集なので他の採集者の姿もない。19:20一足先に私が灯火機材を組み終りエンジンを始動。少し遅れて清水氏もスタートした。19:26まだ真っ暗にはなりきっていないが、早速アカアシクワガタの飛来が始まった。続いてミヤマクワガタ、カブトムシ、コクワガタ、ノコギリクワガタと次々と飛来してくる。湿度は62%とやや低いが、気温が21℃ほどで丁度よいかげんなのかもしれない。
20:00も回りいよいよゴールデンタイムへ突入。飛来は止む事もなく続いていた、すると清水氏の息子が「オオクワが来たよ〜」と叫んでいる声が耳に入った。慌てて私も駆け寄ると、大きな♀のオオクワガタだった。飛来直後のオオクワは初めて拝ませていただいたのでひと事ながら感動してしまった。だが、反面では清水氏のライトの威力を見せつけられ、とほとほ自陣へ引き揚げる自分がいた。
自分の灯火場所へ戻っみると、なんか♂らしきクワガタが来ていた。もしや・・・そんなことが・・・あっていいのでしょうか・・・いいみたいだ・・・オオクワだ〜!!しかもいきなり♂だ。写真に納めなきゃとカメラを取り出すが、我が灯火セットへのオオクワ初飛来だけにその手が震える。片顎は欠けてるけどいかにもワイルドでいいじゃないか。今度は私が清水氏親子を呼んで個体を見てもらった。清水氏から「おめでとうございます」と握手をされてより実感がこみ上げてきたのだった。
清水氏親子も自陣へ戻り、少しするとまたオオクワ♀の飛来があった様で私も駆け足で向かった。今度はこちらから「おめでとうございます」と握手。そして、再度自陣に戻ると今度はこちらにもオオクワ♀の飛来が。やはり、オオクワの♀は輝きが他のクワガタと段違いですぐにそれとわかる。再度清水氏親子を呼んで見ていただいた。
20:30過ぎからものも30分程の間に4頭ものオオクワが集中して飛来。だからゴールデンタイムと呼ばれる所以かもしれない。その後は普通種はポツポツとは来るもののオオクワガタの飛来は収まってしまった様子だった。
ALF灯火トラップ初のオオクワガタ♂
清水氏2頭目のオオクワガタ♀ ALF2頭目のオオクワガタ♀
ノコギリクワガタ♂オニクワガタ♂
清水氏3頭目のオオクワガタ♂ 22:30頃にまた清水氏の息子の叫ぶ声が聞こえた。また来たようだ。駆け足で近寄ると今回はオオクワの♂が地面にひっくり返っている。一見大歯かと思ったが、表になって見ると中歯だった。でも、まあまあなサイズの比較的綺麗な個体だ。清水氏も今シーズンようやく4頭目の♂とのことでご満悦である。私が採れたのはまぐれかもしれないが、清水氏も♂が採れて良かった。

やがて時間も23:00となり、灯火機材を撤収しなければならない。この日は地元の許可を得ての為、ルールはきちんと守らなければならない。もっと粘ったらもっと来そうな気もするが、一夜で2♂3♀もの飛来が拝めたのだから欲張ってもいけない。撤収を終え、部屋へ戻ると時間は0:00を過ぎた頃だった。私も移動の疲れが出てきており、清水氏もお疲れの様子、今夜は街灯回りもやめにして、部屋で小さな祝杯をして就眠となった。明日もとても楽しみである。

◆本日の採集成果:ALF
ルッキング採集 ヒメオオクワガタ成虫♂3
灯火採集 オオクワガタ成虫♂1♀1、アカアシクワガタ♂2♀3、コクワガタ♂2、ノコギリクワガタ♂2♀7、ミヤマクワガタ♂23♀5、オニクワガタ♂1、カブトムシ♂1♀2
合計53頭

清水氏:オオクワガタ成虫♂1♀2、普通種32頭
清水氏採集のオオクワガタ♂58.6mm ALF採集のオオクワガタ♂52.8mm