会津ルッキング&灯火採集の風景
(2006第二次遠征)

採集地:福島県会津地方

2006.8.27

昨夜にT氏が採集したオオクワガタ♂ ■8月27日(日)昼の部

南会津二日目の朝が来た。昼位まで寝ているつもりだったが、部屋が明るくなり9:30頃には起きてしまった。部屋でパンと缶コーヒーの軽い朝食をとり、階下へシャワーを浴びに行った。シャワーから戻ると清水氏も起きて来られていてT氏の部屋から声が聞こえるので、私もお邪魔して昨夜の成果のオオクワガタを拝ませていただいた。あの良くない環境のなか、きちんとコンスタントに成果を出していりあたりは流石である。しかも♂を採られているあたりはやはりただ者ではない。

その後、昼食へ出かける事になった。車と発電機のガソリンも給油しなければならない。I氏も声を掛けてみたが、部屋にいるというので、T氏と三人で出かける事になった。

隣町で昼食を済ませ、途中ガソリンも給油し、宿でT氏を下ろした後は清水と今夜の灯火場所数ヵ所の下見に出掛けた。
共に地元の方の私有地で、清水氏の声聞きがなければ灯火採集などやれる場所ではない。
下見で植生チェックやセッティング位置を決めた後はI氏の待つ宿へ戻った。
宿へ戻ると夕方まで少しの時間横になって休む事にした。


■夜の部

うとうととしていたら既に夕飯の時間になっていた。この晩は泊まりの客がT氏と我々だけという事もあっていつもより早めから玄関前での焼肉ジンギスカンを振る舞って頂いた。マトンの荒切りな肉はなかなか美味しい。清水氏も仙台の牛タンを持ってこられていてこちらもなかなかいける。
肉で腹一杯になり、いよいよ灯火場所へ出陣の時がきたのだが、雨が落ちてきた。だが、今のうち降る分には問題あるまい。逆に湿度が上がって昨日よりだいぶいい状態にある。
灯火場所へ到着したが、なかなか雨が降り止まない。ずぶ濡れになりながら機材をセッティングした。服が濡れて気持ち悪い。着替えは宿に全て置いてきているのでどうしようもないのだった。
まだ雨の中、19:20には点灯した。清水氏は宿の近くとこちらと二カ所の作戦だったので遅れて到着。私も手伝い清水氏のライトも点灯した。

オーロラが浮かび上がる・・ その頃I氏はというと車の中に待避したままだった。一時間程で雨も上がったが、虫の飛来は昨夜以上にさっぱりである。おまけに雨が上がって今度は濃霧が発生。私らのライトが霧に反射してオーロラが浮かび上がっていた。通りすがりの採集者もこの光景に驚いて立ち止まり見上げていた。
地元の近くの民宿の方も訪れた。私の車をみて○○さんのお客さんだねと。結構みられているものである。

一先ず先に気になる街灯へI氏とチェックに出掛けたがなにもいなかった。戻ると今度は清水氏が民宿近くの灯火をチェックしに行かれた。戻ると押し殺してはいるが笑顔がこぼれた。「採れましたね?」おめでとうございます。
本命が駄目でもサブで押さえるあたりは流石である。
私もこのままここで粘っても拉致があかないので再度街灯へ出かける事にした。しかし、またしても駄目である。その頃我々の灯火場所へまたしても客が現れていた。先に一回清水氏に挨拶に来ていた仁である。私と清水氏は入れ違いに街灯回りへ出ていこうとしていたのでI氏の話し相手になってくれていた。

今度はさっきからチェックに行っているポイントへ行くとかなり上の方に虫が付いていた。7M網の出番が来たようだ。伸ばしてみたがぎりぎり届かない。サイドの高台に登って伸ばしてようやく届いた。ネットに入った虫を降ろして確認するとミヤマの小型の♂だった。その後は町の方へ下って街灯回りを歩いてチェックしたが、虫はほとんどみられなかった。遠くで我々のライトの灯りはみえていたのだが、帰る頃には清水氏のライトは消えているようだった。私の方は出る前に給油していたのでまだ暫くは大丈夫だった。

灯火ポイントへ戻ると清水氏の発電機に給油を行い再点灯。結局4:00頃まで粘ったが、無駄に終わってしまった。こうして2夜共に完敗のまま宿へ引き上げるしかなかったのである。


◆本日の採集成果:ALF&イカ氏
灯火採集
コクワガタ♀1
ミヤマクワガタ♂3
カブトムシ少々

清水氏 オオクワガタ成虫♀1、普通種少々

清水氏採集のオオクワガタ♀
T氏採集のオオクワガタ3♂4♀

■8月28日(月)移動日

朝9039T氏の部屋で成果を拝ませて貰い朝から歓談。10:30頃には皆の見送りを受けながら宿を後にした。
途中、今頃になってI氏もヤナギのルッキングに前向きになってきていた。そんな中、ようやく見つけた虫はアカアシだったが、網を伸ばすとロストしてしまった。最後まで虫に縁のない二人を象徴しているかのようだった。

その後は順調に走り続けていたのだが、体が異常に痒くてたまらなくなってきた。初めは左腕だけだったが、脇から腹に掛けても酷く痒い。この時になって気がついた。毒蛾にやられた事に・・・。かゆみ止めの薬で誤魔化しながらもなんとか気力で運転するしかなかったのである。

今回は先の北陸東北遠征と十日程しか違わないのに、自前灯火には1頭もオオクワガタは飛来しなかった。オオクワ以外のクワガタの飛来数も極端に減った。月齢、気温などの条件面は逆に良い状態。湿度も大差は無い。まあ、霧というのは灯火には不向きだが、それだけではない何か原因があるのかもしれない。
灯火採集というのは関西の採集者などは子供のする採集と見下す向きもあるが、決してそうではない。気象条件や月の動きを読み、他の採集者の動きを読み、その日の虫の出も読まなくてはいけない。そして何より、灯火トラップでは使う機材にも差は出るだろう。更に最良の環境でトラブル無く行うという事は意外に難しいものである。私も昨年からようやくその辺りが掴めては来ていたが、まだまだ修行が足りないようである。コンスタントに成果をあげるというのは案外至難な技で、そこへ到達している清水氏やT氏と共にいい経験を出来た事に感謝したい。
見かけより、とても奥が深いものであるということを痛感した今回であった。
清水氏採集の山形産ヒメオオクワガタ 清水氏採集の宮城産ヒメオオクワガタ