信濃ルッキング採集の風景

採集地:長野県北信濃地方

2006.9.16

先週末(9/9)は採集へ向けて移動中の真夜中に高速道路でタイヤがバーストしてしまい、リタイアへと余儀なく追い込まれた。その時も目的地は信越エリアだった。丁度今の時期は例年高山採集の最盛期を迎える時期というのに。
事故にならずに済んで良かったのだが、このところついていない・・。

■9月16日(土)

そして、今週末は三連休ということもあり、先週行けなかった分も期待していた。しかし、台風が前線を押し上げ、日曜以降は悪天候になる可能性がでてきた。それと当初行動を共にする予定だったI氏は予定を二転三転し単独での今回となったのである。

木曜晩には登山用の雨具を購入した。今回ばかりは、たとえ雨でも徒のルッキングを行う決意は固まっていた。というのも次週は用事があるため採集には出られない事もあり、背水の陣で臨むつもりである。

1:00頃に目的の北陸某ポイントへ到着した。無情にも林道は崩落により通行止になっていた。近くの別なポイントへ回避するという選択もあったが、予定を繰り上げ北信濃へ向かう事を決意した。こうなれば台風の影響の少ないより東へ移動する事のが得策と考えたからである。

再度高速道路へ乗り移動を開始。先週バーストした地点も通過し、途中のパーキングで3時間程眠りについた。

朝は7:00頃から移動を開始した。余分な時間を過ごしているだけに、先を急いだのだった。

9:00頃には現地に到着した。辺りは肌寒く、すっかり秋本番だった。まずは今までの実績の木をチェックするがなにもいない。続いて一本目の林道へ歩いて入った。昨年は大きいサイズのいたポイントだが、ここも虚しく惨敗である。時折小雨もパラつき気温も上がらずまだ肌寒い位だった。

続いて二本目の林道へ入った。今まで入った事の無いポイントだが、以前から時間があれば入りたいと思っていた場所だった。歩いてゆくとなかなかな環境で柳やカンバもわりとあり、期待できそうだが、みつけられない。そのうち雨が大粒になり、雨具を取りだし着る事になった。まだこれくらいの雨ならルッキングは継続できる。ただ雨具を着てのルッキングはやりずらいものがあった。しかし、そのまま先を進むしかなかった。

かれこれ歩き出して3時間近くが経っていた。なのに未だ何も見つけられないでいた。そろそろ標高も1500m近くまで上がっていた。そろそろ折り返しである。雨もほとんど止んできたので雨具は脱ぐ事にした。

雨も上がったせいか蝶をよくみかける様になった。蛾も花に寄っていた。お目当ての虫は一向に見つからない。写真の被写体になる虫さえ少なく、花や蜂位しか私の相手をしてもらえなかったのである。

長い道のりをただ歩いただけで車まで戻ってしまった。足はだいぶ疲れがきていたが、夕暮れまでまだ時間がある。あと一本攻められる。そこには、かつて鈴なりだった木があるので、それに賭けるしかなかった。

10分程の休憩の後、歩きはじめた。トータル6時間は歩いた後だけに、さすがに登りはつらいものがある。徐々にグレーの曇が近づき、また雨が落ちてきた。仕方なく再度雨具を着てのルッキングとなった。お目当ての木までやってきたが、姫はいなかった。下りはより慎重に他の木もみて行くが、やはりいない。車に戻ったときには17:00を回ってしまっていた。

日没まで時間がないので休んでもいられず、車道を流して過去の実績を中心に見てゆく事にしたが結局ヒメオオはおろか、アカアシさえも見られないまま日没を迎えてしまった。完全な敗北だった。

もう少し走れば関越までというところまで来ていたので、一瞬このまま会津へ行ってしまおうかとも考えたが、強い風も出てきている。かなり外は寒い。冷静に考え、翌日の採集はやめて帰る事にした。諦めも必要なのだと自分に言い聞かせ。

◆本日の採集成果:無し

←別エリアで長野にも入っていたI氏採集のヒメオオクワガタ。