越中〜飛騨採集の風景

採集地:富山県/岐阜県北部

2005.8.20

今回は何処へ出かけようか直前まで悩んでいた。岐阜にしようか富山にしようか、それとも近くの奈良か遠いが鳥取まで行こうかと。いずれにしろまだ訪れてない所に入ってみたかった。その意味で1度しか訪れていない富山が新鮮味で勝ったのだった。

いつものように敦賀から北陸道へ乗り、目的地の富山へ向かった。昨年は終盤とはいえ、苦い思いをしている土地だけにこの日は苦戦を予想していた。おまけに今回も1人である。ただでさえ熊の濃い土地だけに、採集時にも注意を払わないとならない。

車はやがて、目的地へと近づいた。車道沿いに柳も多くみられる。初めて訪れるエリアだけに新鮮だった。目的の場所までやってきた。車を止めるとそこにはネットを張った大型のトラップが仕掛けてある。どうやらアブなどを採集するためのものの様である。

林道を歩くと沢山の柳があり、目移りしてしまうほどだった。しかし、虫の気配は無い。やはりブナが近くにないと厳しいのであろうか。それに比べ蝶はタテハチョウの仲間が豊富にみられる。更に先へと進むが、結局クワガタはみられず終いであった。車へ戻り、別の場所へと移動することにした。

次に訪れたのは登山道へと繋がるところだったが、ここでも柳は豊富にあるが、ブナはまだ若いものしか無く、ルッキングに力が入らない。富山はたいへん山が深い地域だが、結構開発の手が入っている事を痛感する。
サカハチチョウアサマイチモンジキベリタテハ
その後はエリアを南下して岐阜県との県境近くまでやって来た。この辺りは自然林が残っており、ブナやミズナラが豊富にみられる。車で流しながら観察を行うが、虫の影はみられなかった。そのまま峠を越えて岐阜県へと入ってしまった。峠から先は未舗装路で道も悪く、植生も一変してしまった。今にも崩落しそうな道だった。

国道まで下りて飛騨北部から再度富山の別なエリアへ向かったが、途中で全面通行止めの表示。ここで富山へ戻るのは諦め、予定外となってしまうが、そのまま南下してゆく事になってしまった。
飛騨の中心地である高山まで迂回して旧知のポイントヘ向かった。時間的なロスは多く、到着を前にして大粒の雨がが落ちてきた。

15:00を回って到着早々雨具に身を包みルッキングを開始するとこんな雨でもペアで付いていた。正直やっとヒメオオがみられ嬉しかった。その後も1♂を追加し、♀はリリースして更に別なエリアへ向かう事にした。
ヒメオオクワガタペアヒメオオクワガタ♂
次のポイントに向かう途中雨はどんどん強さを増していった。16:20に到着したときには本降りである。昨年の実績のある木を見るが、さすがにこの雨では何も見られるはずもない。今日はここまでかと諦め、しばらく一息つく事にした。

やがて車を走らせる気になったのは17:00頃であった。その頃には雨もあがってきていた。車で流していると虫の影が目に入った。止めて網を持ち近寄るとやはり間違いない。ネットを伸ばし捕らえてみるとヒメオオではなくミヤマの♀である。続いて他の木ではスジクワガタがペアでネットイン。目的種ではないが、せめてこの地まで来て最後に楽しめただけでも良しとしたところか。

その後は下道で関ヶ原まで南下して名神高速で京都を目指したのだった。



またしても富山は完敗を喫してしまった。山は深く、自然も豊富な筈なのにである。入る場所の問題なのか、集中力なのか、単に探し方が悪いのか・・いずれにせよ何かしら原因はあるはずである。年に一度くらいしかチャレンジできないが、いつかはこの地でも採集しなければなるまい。
柳にミヤマ
ミヤマクワガタスジクワガタペアクマにご注意!!
◆本日の採集成果:ヒメオオクワガタ♂2♀1、スジクワガタ♂1♀1、ミヤマクワガタ♀1