|
濃尾三川採集の風景
|
秋も深まり、今年のルッキングシーズンも終わりを告げた前回。そして、今回からはいよいよ本格的な材割りシーズンへ突入である。この日は軽く行けるところで、濃尾平野の※三川地区を目指すことになった。(※木曽川、長良川、揖斐川の輪中地区) 朝ゆっくりの出発で7:00頃、I氏宅へ向かった。いつも夜中の出撃が多い為かどうも朝からの出撃は目覚めも悪く調子が上がらない二人だった。 伊吹山を眺めながら休憩と朝食を摂り、現地には9:00頃到着した。 まずは揖斐川の東岸地域へ向かう。ここでは民家の軒先や庭に程良く朽ちたエノキの立ち枯れを数本みるが、さすがに断っても無理だろうと諦め、前回I氏の実績ポイントへ向かった。 |
|
長良川を越えて暫く走ると黒猫が跳ねられて死んでいた。近くに兄弟と思える黒猫が座っていた。そこが我々の目的の場所だった。 農作業ででてきていたおばさんに断りを入れ、転がっている倒木を叩くことになった。私が地面の土砂をどかしI氏が叩くが、オオらしき個体はなかなか出てこない。コクワらしい幼虫とカブト幼虫ばかりだった。前回ある程度の数を出しているようで、美味しいところはあまり無くなっていた。 そうこうするうち、材の中からオオクワガタの♂前胸のかけらがぽろりと出てきた。羽化したところをカブト幼虫に襲われたのだろうか?それとも越冬個体の亡骸なのか・・? やはり実績のある木は捨てたものではない。この様なものを見てしまうとボルテージも上がっていく。 私も斧をとり本格的に叩かしてもらうことにした。 だが、出てくるのはコクワの終齢か、断定しにくい初〜2齢しか出すことは出来なかった。 |
|
場所を変え、木曽川を越えて愛知県へと入った。 広範に探すが、なかなかよい場所がない。 河川敷に車を止め、大きな森へ入ったが、めぼしき材にはありつけなかった。目立つところでは松の倒木は多くみられた。クヌギの木も多少はあるようだ。だが、あまり長居は避け早々に場所をまた移動することにした。 そしてもう一度木曽川、長良川を越えて岐阜県へ戻る事になった。私は暖かい車の中でうとうとしていると森の脇で車が止まった。カメラを片手におりて様子を見に行くとI氏は早速、菌糸の回った根株やらを叩き出した。 私は一人奥へ進み、巨大な倒木に遭遇した。斧を持って来てなかったので、車へとりに戻り、叩くことにした。 適度に朽ちたエノキの倒木だった。斧を入れるごとに、かなりの数の幼虫が出てくるが、どれもどうもコクワの様だった。 暫くその材を割っていると、I氏がやって来た。 聞くとこの材では前にK氏がオオクワガタを出した材とのこと。実は過去に実績のある材だった。 しかし、私が叩いた範囲では不明な初〜2齢はでたものの、はっきり断言できる幼虫や成虫は出すことは出来なかった。この一本ではおよそ幼虫60程、コクワ成虫1♂2♀という結果であった。 |
|
その後は更に南下して探すことにした。 すると大きな輪切りに放置された倒木を発見。 何本も転がっている。朽ち方は決して良くないが、叩けばどうかわからない。少し叩いてみたが、芯もあるしあまりにも大きな倒木だったため叩く気力が出てこなかった。 なので、不明幼虫を数頭回収しただけで止めることにした。もう、これ以上コクワガタらしき幼虫ばかり出しても致し方ないとその場では思ったが、今にして思えばもう少し真剣にやるべきだったのかもしれない。 またの材は次への楽しみとしておこう。 |
|
更に探して場所をかえると神社の境内にニクウスバのびっしりのった良さそうな立ち枯れがあった。 高さは4M程だろうか。これなら期待は出来そうな感じの菌糸のまわり方をしている。 しかし、さすがに神社の境内の材は手を出すことが事は出来ないので、写真にだけ収めることにした。 気が付けば、日も傾いてきており、ここら辺りで本日の採集は終了することにした。 帰り道は下道で京都まで帰ったのだが、20:00過ぎに戻ってこられた。案外濃尾三川は近いものである。 しかし、この日は運転もしていないし、ほとんど歩いてもいないのにやたらと疲れた一日だった。 久々の斧振りが、かようにしんどいものとは思ってもみなかった。 |
|
|
今回採集した個体 2名での採集結果です。 |