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大和南部高山採集の風景
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奈良県南部の高山へ行こうと思ってはいたが、なかなか日を決めかねていた。そんな折り、大阪のT氏へ連絡を取りこの日共にすることになった。 朝4:00に家を出ると大阪のT氏宅へ向かった。5:00の待ち合わせで合流すると、南阪和道を使って奈良県南部へ一気に向かった。 この道が出来たおかげで、京都からのアクセスでも大阪経由の方が早いくらいかも知れない。特に、帰りの時間帯は奈良県を京都府まで抜ける道が渋滞するので、確実で早いアクセスだと思う。 T氏は相当昔よりこの地に幾度となく足を運んでいたベテランなので、このアクセスの良さには驚いていた。奈良県へ入ってあっという間に現地へ到着。車を止めて、7:00にはポイントへ入ることにした。 先ずは難関種ミヤマツヤハダ狙って尾根の斜面を攻めてゆく。いくつかのツヤハダ向きな材を見つけては叩いてみるが、当たりはない。大きめの材でようやくT氏がツヤハダ幼虫を少し出したようだ。私の方はツヤハダの成虫を採集したいが、手間と時間のかかる幼虫は・・などと贅沢な事を思っている為か、ちっとも当たり無し。 このままツヤハダばかり狙っていても仕方がないので、頭をオニ・ヒメ狙いモードに切り換えて辺りを見回しながら更に進んだ。すると、手頃な土に半分埋もれたオニ材を発見。無数に食痕も見られるので期待して、割っていったが、あまり数は獲られない。赤枯れの材からはオオトラフと思われる幼虫が出てきた。 この日は、どうも調子が上がらない。なんだか虫が薄く感じられる。これは気のせいなのだろうか?それともやる気の問題なのか・・? |
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暫く彷徨っていると立ち枯れが目に入った。近づき、確認すると、ヒメオオがいそうな感じだったので、割っていく。しかし、食痕や、空の蛹室はあるけどなかなか出てこない。 こちらが根負けしそうになって来た頃、ようやく幼虫を見つけた。この幼虫は穴の奥へと逃げ込みかけていたので、慎重にとりだした。 T氏もこちらへ来てエリアを移動していると、ルリセンチコガネが地面にいるのをT氏が見つけた。実に綺麗な色である。地面も注意して歩かないといけない。 その後は倒木からスジクワが沢山採集出来た。偶にオニも混じっていたが、ほとんどがスジだった。中心からはヒメorアカアシの幼虫が出てきた。 |
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その後も歩き回り、赤枯れ材を見つけた。先にここを通過したT氏が叩いたらしい痕もあったが、出なくて止めた感じだった。小さい穴(脱出孔)の開いていた倒木の先を少し削ってみるとやっとツヤハダ幼虫が出てきました。しかし、出てきたのは2齢や初齢で、成虫はいない感じの材だった。 3齢がバンバン出てくるような材でないと、成虫は獲られないと思うので、あまり割り込まずに止めることにした。 その後はまた地面を注意しながら歩いていると、ニセコルリの産卵マークが目に入ってきた。小さな材だが、ちゃんと幼虫が入っていた。成虫はコルリの様に新芽に集まるのだろうが、もうこの時期の奈良県では葉も完全に開ききっているので、採集は難しいのかもしれない。 |
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私がニセコルリ幼虫を撮影していたとき、T氏の声があがった。何かと思ってその方向を凝視したところ、なんとシカの赤ちゃんがうずくまっている。ほんとに小さなBabyでまだ産まれて間もないサイズだった。少し痩せて、衰弱している。可哀想に親とはぐれたのか、見放されたのかわからないが、私達にはどうすることもできない。 |
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エリアを移動しつつ、私はヒメオオ狙いで材を探していると斜面に良さそうな倒木があった。早速叩いてみると無数に食痕が走っている。硬いヒメオオの食痕だった。程なく幼虫が現れるが、なかなか成虫が出ない。蛹室に辿り着いても蛹で落ちてしまったものばかり。倒木は蛹室に水が溜まりやすいからなのだろう。その後も2人でこの大きな倒木と格闘したが、結局出てきた成虫はT氏が出した♂1頭のみだった。 本当にヒメオオの材割り程疲れる採集もない。握力もなくなるくらいまで叩いたので、もうこの日はあがることにした。戻りの斜面で目の前を飛ぶ虫がいた。ルリセンチコガネだった。ブーンと低空を飛んで糞へ集まっている様だった。次はこればかり狙って探しても面白いかもしれないと思った。 |
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