奈良公園採集の風景

採集地:奈良県奈良市

2005.6.4

この週末は信越エリアを予定していたのだが、雨の心配もあり見送った。そのためお手軽な所で奈良市内の奈良公園へルリセンチコガネ目的に出かけることにした。

朝6:00に家を出て7:00には到着。当初止めようと思っていた駐車場は開いてなかったので開いている駐車場を探して車を止め、公園内へ入っていった。

この公園ではあちこちに鹿の姿を見かけることができる。山で出会うものより警戒心はかなり薄いが、多少は警戒している感じである。

鹿の糞も至るところで見かけるが、センチコガネの姿はなかなか見られない。暫く歩いていると飛翔しているセンチコガネが目に入った。この個体には逃げられたが、その後はポツポツと徘徊している個体をみることが出来るようになった。
ルリセンチコガネ(青緑系)
左:ルリセンチコガネ、右:センチコガネ 地面を見ながら採集する方法はミクラミヤマの採集方法にも似ており、病みつきになりそうだ。

しかし、コノセンチコガネは案外飛翔能力も高いようで、飛んでる個体も多く見かけるものの素手での採集はなかなか難しい。

このエリアでは藍色〜青緑系のルリセンチコガネ(オオセンチコガネ)と焦げ茶色のセンチコガネが共存している。先々週の紀伊山地で見かけたのはルリセンチコガネばかりだった。

糞を巣穴へ引きずり運ぶ姿も偶然観察することが出来た。スカラベの様に転がすのではなく、後ろに引きずっている姿はなかなか愛嬌もあって面白い。
糞を引きずるセンチコガネ−1 糞を引きずるセンチコガネ−2
背にマダニが付いている 草食の鹿の糞は雑食性の動物に比べ、臭いもあまりせず不潔な印象は少ないが、これら糞虫系の虫はダニが着いている事が多いので、それは気になるところ。

ガムシなどの死肉食の虫などはわんさと着いていることがあるが、これらの糞虫も死肉も好んで食べるのでダニを寄せ付けるのかもしれない。

これらに付着しているダニは天然のクワガタなどに付着しているササラダニ類とは違い、吸血性のマダニな場合が多いので迂闊に触って刺されるようなことは避けなければならない。

午前11:00もまわると気温も上がってきており、飛翔もほとんど見られなくなってきた。

糞が溜まっている下などに潜り込んでいる時間帯なのかもしれない。4時間程であったが、そこそこ採集も出来たのでそろそろ私も引き上げることにした。帰りにはいつもの店へ寄ると開店前だった。寄り道しても帰宅は昼過ぎというお気楽な採集だった。


※奈良公園は春日山原始林などや公園内でも立ち入りが制限・採集禁止となっているエリアも多いのでルールを守って採集・観察を行うようにしましょう。鹿にも餌などは与えてはなりません。

◆本日の採集成果:ルリセンチコガネ25、センチコガネ9