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大和南部採集の風景
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◆2005.7.30◆昼の部 | |
先日台風が関東をかすめて北上したが、かえって前線が列島に近づいてしまった感じの週末。よって少しでも天気の保ちそうな奈良へと行くことに決めたのは直前だった。 今回はゆっくり朝7:00に家を出発。10:00頃には現地に到着して散策の開始である。 紀伊半島では過去ルッキングでは敗北続きである。通常中低山にみられるヤナギやカンバが少なく、絞りきれない為であるのは云うまでもない。今回も予めチェックしておいた林道、車道を散策するがクワガタの影はさっぱりでキマワリやコガネムシしか見つけられない。 昼も回り昼食を済ませた後は、このまま散策をしても無駄な気がしてきたので、攻め方を変えてみることにした。 |
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今度は林内を散策してみる事にした。若いブナやいろいろな樹を眺めるが、相変わらずクワガタの影はみられない。そんなとき、足元にいる青い虫が目に入った。綺麗な瑠璃色のオオセンチコガネだ。またしばらくして深緑系のオオセンチコガネを発見。 しばらく、ルッキングを続けて歩いていると獣の糞の匂いがする。今度は地表に視線を変えて辺りを探すとビロウドヒラタシデムシが沢山集まった糞があった。もしかして熊の糞だろうか?そんな事は構わずに糞をどけ、土のなかから数頭のオオセンチコガネを採集した。 エリアを変えて、また樹上のルッキングをしていたが、獣の糞と遭遇。ここではミヤマダイコクコガネがいた。あいにく♂はおらず、♀2頭とまた数頭のオオセンチ、センチコガネを採集。ここのオオセンチは赤〜緑〜青と色彩変異に富んでいた。 |
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◆2005.7.30◆夜の部 | |
糞虫とのお遊びもほどほどにして、灯火の設置予定場所へと向かった。しかし、林道は通行止めというアクシデントに見舞われる。やむなく、この日回った中でまだ良さそうな場所でやることにした。 17:00には移動を完了して、後は日が暮れるのを待つばかりである。心配していた天候もそれ程崩れることはなさそうだ。日が完全に落ちた19:20にエンジンを始動。この日は日没後気温がやや下がってきており、この時点で20.9℃しかない。 点灯後、いつもは小さい蛾が集まるのだが、この日は羽根蟻が小雨のように降り注いできた。やや風があるからなのか、蛾の集まりは悪かった。東北などの灯火で羽根蟻は縁起が良い様な事を聞いたが、はたしてどうなのだろうか・・・? 待つこと35分。相変わらず蛾の集まりは悪く、蟻ばかりである。そんな中、ようやくクワガタが飛来した。ミヤマクワガタの小型♂だった。20:00を回るとアカアシ、ミヤマの♀が相次いでいくつも飛来する。その後ようやく待望の大型のミヤマ♂が飛来してくれた。風が少しあるためオーバーランが多く、コアスポットへの着地は僅かしかなかった。しかし、ここまではそこそこいい感じだったのだが、気温が19.5℃まで下がっており肌寒くなってきたのは少し心配だった。 その後も休む間もなく飛来は続く。嬉しい限りなのだが、時間が進むにつれミヤマしか来なくなってしまった。しかも♀が圧倒的に多い。 最初のクワガタが飛来した19:55〜21:00までの間で19頭のクワガタが飛来。そのうちアカアシは3頭で打ち止めで他は全てミヤマだった。今年は北陸でもそうだが、アカアシが少ない。これは昨年の豪雨が影響しているのだろうか? |
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21:00頃になると♂の比率が上がってきた。ブ〜ンという羽ばたく音と共に私に着地するものまでいる。実に楽しい。まだまだミヤマ飛行隊の活動は絶え間なく続く。 |
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21:30頃こんな時間にアカアシかと思ったら、ヒメオオクワの♀が飛来した。♂だったらもっと嬉しいが、昼間のルッキングではまるっきりみられなかっただけに、より一層嬉しかった。やはり、羽根蟻が訪れるのは吉報の予告なのであろうか。 次は♂と期待したが、来るのはミヤマの♀ばかりだった。だが、22:00を回るとサッパリ来なくなった。照射角度を変えても、範囲を変えても無駄な抵抗に終わった。この時気温は18.9℃。そろそろ潮時かと、22:45には撤収することにした。もっと粘ったらヒメオオクワの♂が来たのかもしれない。しかし、クワガタの飛来は十分楽しませてもらった。10分程で片づけを終え、ミヤマの♀は大半リリースしてこの場を後にした。 |
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今回は、昼間のルッキングは惨敗なのに、夜の灯火は成功を収めることが出来た。一夜で34頭のクワガタ飛来はこのセットでは記録的な数となった。風もあり決して条件は良いとも思えなかったが、これは設置する場所の問題なのだろうか。 あと、オオセンチもこのエリアは青色系のルリセンチばかりかと思っていたが、赤、緑、青緑、青と色彩変異がかなりあった。春に、このエリアの別な山に、入った際は青緑〜青系のものばかりだった点との違いはなぜだろうか・・。 ◆本日の採集成果:ヒメオオクワガタ♀1、アカアシクワガタ♀3、ミヤマクワガタ♂9♀21、ミヤマダイコクコガネ♀2、 オオセンチコガネ・センチコガネ20 |