備中採集の風景

採集地:岡山県西部

2005.1.15

昨年の晩秋から、I氏は岡山へ行きたがっていたのだが、なかなかタイミングを外していた。私も材割りでの岡山は難易度も高いのを考えると気乗りしていなかったのであるが、先週のオオクワ爆採れで行きたいモードにスイッチが入ってしまい行きたくなってきた。特に、今回のエリアは初の機会なので、ワクワクするものがあった。しかし、直前の予報まで天候が気になる。関西、四国は雨。かろうじて岡山県西部は曇りという状況だった。

前日の晩、天候が気になるようで、I氏は乗り気でもなさそうだったが、私は少々降るくらいで大丈夫と楽観していた。そんなI氏のジムニーが夜中に迎えに来てもらいいよいよ出発である。

目的地近くのPAで仮眠をとり、朝を迎えたが、案の定小粒の雨が降ってきていた。そんな中、いよいよ本日の採集スタートである。
今回の岡山県西部は2人共全く初のエリアなので、国土地理院の1/25000の地図と照らし合わせながら、広範に山の樹相などのチェックをしながら動き回ることに。

思ったより、クヌギ(アベマキ)やコナラなどが多いようだ。但し、植生に関しては山一つ変わっただけで松や植林ばかりになったりと結構変化に富んでいる。

そんな中、倒木を見つけて軽く叩いてみるが、コクワしか出ないのですぐ諦めて、また走り回ることにした。
大きなクヌギの立ち枯れ
次に見つけたのはクヌギの大きな立ち枯れだった。樹皮を剥いでみるとカブトムシの幼虫がころころと躍り出てくる。少し叩いてみたが、中は芯がしっかりしており、クワガタの食痕は見られないようである。たぶん、上部なら期待できそうな感じだろうが、とても届く位置でないので、今回は諦めて次へと移動をすることにした。

その後も気になるところや雰囲気の良さそうなところを一通り回ってのチェックである。ほとんど午前中は走り回るのに費やすほどだった。

絞り込んだ所で、いよいよ山へ入っていくことになった。樹相や雰囲気で選んだ訳だが、果たしてどうなのか?
この時、私はカメラと手袋を置いてきていることに少ししてから気が付いたが、まあいいかときやすい気持で入って行った。

暫く上がるとクヌギの根株があった。私はI氏に任せて更に先へ進んでいく。辺りで探しているとI氏から声がかかった。まだ先にも良いのがある。

私は1つ目の根株を、I氏がその2つ目の根株に斧を入れると大きな食痕が現れ、幼虫も出てきた。見せてもらうといきなり、オオクワの様である。二人とも、こんなに簡単に出ていいものかと半信半疑になり、ヒラタではないかと疑いが拭えなかった。

私の方はというと、コクワしか出てこない。おまけに硬くてあまり叩けない。更に周辺の材をいろいろ物色して回るが、コクワ成虫幼虫、ノコ幼虫しか出てこない。手袋も無いのでどうにも力が入りにくく、野バラの様なものにもやられて手が傷だらけだった。

その頃、I氏はずっと同じ根株を叩いて4〜5頭のオオクワ幼虫とノコ幼虫、コクワ幼虫などを回収していた。

一通り叩き終わり、一旦下へ戻ることにした。車で手袋とカメラを得て、再度別の方角へと向かった。
尾根まで上がっても、良い感じの木は無く、迂回しながら車の方向へ戻ることにした。桜の立ち枯れも見つけたが、良い状態ではなく、まだ堅めだった。

車で先の幼虫を再度見るとやはりオオに違いない。しかし、I氏はまだ素直に喜んではいない感じだった。というのも彼は昨年末にメガネを変えてから無敗。何処へ行ってもオオクワを出しており、あまりにも出来すぎな状態なのである。(笑
オオクワ3齢幼虫
太い食痕の先には・・オオクワ3齢幼虫オオクワ3齢幼虫
※上記3点の写真はI氏提供分
大きな根株
巨大倒木 エリアを変えて、次に入った場所はアベマキがあり、樹液の出そうな木もあるところだった。しかし、叩ける木はほとんど無く、早々に退散。

更に次は、もうひとつ気になっていたクヌギの多そうな場所に入ることにした。途中で巨大なクヌギの倒木があったが、朽ち方はまだいまいちで、少し叩いてやめにした。

山への斜面でアキニレの立ち枯れがあり、叩いてみるがコクワが少し出るくらいだった。その後も斜面を歩くが、良く朽ちた木には巡り会わない。

しかし、このエリアでは、クヌギの樹液の木が数本見つかったので今後にも繋がる収穫が出来た。そして、いつしかいい時間になっていたので、この日はこれで引き上げることにした。
この日は朝一こそ少し雨に見舞われたものの、天候にも恵まれ、成果にも恵まれる結果となった。

やはり、虫が我々を呼んでくれたのだろうか?

しかし、予想以上の成果ながら、思った通り倒木が少ない点などから楽観的に喜べないのも確かだった。次訪れる機会があっても楽観出来ない点が懸念として残る採集だった。

今回採集した個体
2名での採集結果です。

●オオクワガタ 幼虫 4頭
●ヒラタクワガタ 幼虫 4頭
●ノコギリクワガタ 幼虫 5頭
●コクワガタ 成虫 4頭 /幼虫 約60頭
●カブトムシ 幼虫 20頭


しかし、今回、前回と本当に運がよいとしかいいようがない。
2005年シーズンはこれで運が尽きないと良いのですが・・(汗