但馬高山採集の風景

採集地:兵庫県北部

2004.4.18
昨日の疲れも残る中、早朝の出発を断念というか・・
単に起きられなかったので7:30に家を出ることになってしまいました。

今回は丹波を超えて但馬の高山を目指します。目的はもちろん高山種です。
10:00位には山の麓の町へ到着しました。
林道で一気に上を目指します。

ここまでは順調に車を走らせ、ある程度標高も上がってくると沢などにはまだ雪渓が残ってます。

標高にして900m、さあこれからという時、前方には行く手を塞ぐ岩と雪が私の前に立ちはだかりました。

まだここからブナ林はかなり遠いため徒歩での進入は断念。

もう一度麓の町まで戻って仕切り直しをしなければなりません。
雪で先に進めない・・
次に進入した林道は尾根からのルート。

眺めもよく期待を抱きながらダートを走ります。

しかし、ここは利用者が少ないようであちこちで落石が多く、たびたび車から降りては落石をどかして行かなくては先に進めません。

そんなとき、四駆の車とすれ違います。あなたの車ではこの先は行けないと忠告されました。

車の車高のことを指しているのだろうと思い、石ころくらいならなんとかどかしてでも行くつもりだったので、とにかく行ってみる事にしました。
またしても雪に阻まれ・・ やっとまたもう少しという、標高900mまで上がったところでまたしても雪に行く手を阻まれます。
これでは流石にお手上げ。

今度は量的にも大きな雪渓で、私の車はスタッドレスタイヤだが、とても通行できるものではない。時間的にももう昼を回ってしまっていたのでどうしたものかと・・・。

また麓まで降りて大きく回り込んでいては、道は行けたとしても到底ブナ林までたどり着いて採集を行う時間は無いのではないだろうか・・
今日はこのまま坊主かと焦りが私の心の中で広がります。

迷っていても仕方がないので、もう回り込むのは諦める事にしました。

この林道で採集を試みることに決め、少しでも良さそうな所を探して入って行く事にしました。

ただ、この標高ではまだ植林も多く、あってもミズナラ林。
この時点でヒメオオの採集は諦めざるを得ませんでした。
少し歩き回ると、ちょっと堅めだが、良さそうな材がありました。すぐさま斧を入れてみると、赤枯れしかけた材から食痕が現れます。

大きさからするとオニだろうと思い削っていくとやはりオニクワガタの幼虫でした。
典型的なオニ材
次に今度は土に半分埋まっている材の掘り起こしてみるとそこそこ湿度がありそう。朽ち方も丁度よい感じです。
典型的なオニ材の様です。

裏面から表面を削っていくとすぐに食痕が出てきます。

この一本で10頭ほどのオニクワガタが採集できました。

本当はコルリを見つけたいところなのですがなかなか世間は鬼ばかりな様で・・(笑
赤枯れ材 今度は場所を少し移動してみました。
入った沢では鹿の糞と足跡は沢山あるのだが適度な倒木がほとんどない・・どうやら鹿の水飲み場の様です。

険しい斜面で木の根に引っかかった赤枯材を見つけたのでなんとかよじ登り叩いてみました。中はマット状になっており、明らかに虫が食っている。とそこへ幼虫が出てきました。
だが、間違ってもベンツマークではなく、オニクワガタの幼虫でした。

コガネムシ系の幼虫も入っていましたが、あまりに急な斜面(岩に取り付いて叩いていた)の為、私の方がギブアップ。
転げ落ちそうになりながら引き上げる始末でした。

最後に白枯れの材からはコクワガタ幼虫を追加して本日の採集は終了しました。

今回採集した個体

1名での採集結果です。

●オニクワガタ  幼虫 15頭
●コクワガタ  幼虫 1頭
●コガネムシ系幼虫 2頭

やはり高山は朝一からのスタートが肝心。しかも入ったことのないルートやエリアともなると尚更です。

予期せぬ通行止めは致し方ないとしてももう数時間早ければ再度、ブナ帯への登頂を試みることが出来た筈でした。

今回はそういった意味で勉強させられる採集となりました。

オニクワガタ幼虫 コクワガタ幼虫