肥後高山採集の風景(中国・九州遠征4日目)

採集地:熊本県中部

2004.5.3

山間部へ入り険しい道の広場になったところで昨夜は車中泊。未明には嵐のような雨でしたが、日が昇りきった頃には小降りになっていました。目的地に付いても雨は上がる気配はなし。車から出るのが億劫ですが、仕方がない。ブナ林へ入ってしまえば少しはましだろうといざ出撃。

この日は昨日大量だったヒメオオは注力せずに小型種狙いで山に入ります。中でもミナミツヤハダがこの日の本命。

ヒメオオを狙うと材が硬いので割り出しに時間がかかるし、材の種類も異なってくるのとこの天気。

ツヤハダ狙いの午前中勝負と決めてこの日は採集開始。

Kボン氏が山の斜面を歩き出してすぐにニセコルリの幼虫を出しました。
ニセコルリの産卵痕 ニセコルリ幼虫
キュウシュウオニ しばらく上がったところで、私はオニの入っている材を見つけました。材の中はマット状になっており、いかにもという材です。ポロポロ出てくるのですが、15頭ほど出したところで止めにして更に斜面を上がる事にしました。

オニに時間を取られていては、本末転倒。一刻も早く本命のツヤハダ材を探さないとなりません。

しかし、かなり急勾配の斜面なので今日のような雨の日は滑りやすく上がるのも結構大変です
ミドリババヤスデ
標高にして1300Mを越えた頃やっと良さそうな赤枯れ材を発見。崩していくと食痕があります。

やった〜ツヤハダ材だ。

解体を進めていくとやはり幼虫がコロコロ出てきました。
そこそこ入っていそうな感じだったのでもう何処へ行ったのかわからないKボン氏に笛で一応合図をしておいて更に解体を進めます。

硬い部位からようやく成虫が出てきました。成虫1ペア、幼虫50頭程を回収した頃、私が木を叩く音でKボン氏がこちらに来てくれて成果を尋ねるともっと大きな材を当てたらしい。数も私以上に回収していた。その後ここでは成虫を少し追加して一旦車へ戻ることに。2人ともこれほどの当たりを想定していなかったので飼育用の赤枯れ材を持ち帰る準備をしていなかったのだった。
ミナミツヤハダ幼虫ツヤハダ材ミナミツヤハダ成虫
ミナミツヤハダ成虫 車へ戻り休憩と食事を済ませて材の回収の為にもう一度急斜面を登りました。

Kボン氏の叩いていた材は直径軽く1M以上、長さにして10Mはあろうかという巨木でした。

回収だけと思ってカメラを置いて行ったのが悔やまれますが、彼の嗅覚というか探し出す感覚にはいつも驚かされます。

彼が先に粉砕した破片からも幼虫や成虫がポロポロ出てきます。

念のために持ってきたタッパーもあっという間に満杯。もう幼虫何頭回収しているのか数えられないくらい・・
こうしてお腹一杯になった我々はまた急斜面を滑り落ちながら車へ戻りました。

この周辺はブナ林も豊富でキュウシュウヒメオオも濃い環境の様子。

今度訪れるときはヒメオオ♂成虫をと誓い山を後にしました。
九州自動車道に乗るといきなり大渋滞。仕方がないのでパーキングエリアで食事をとって休憩。

暫くした後、少しは解消したようなので唐津を目指します。
22:00頃ようやく唐津に到着し3日間お付き合い頂いたKボンバー氏とも早々にお別れして私はこれから京都まで帰らなくては・・

しかし豪雨で視界も不良なくらい雨が良く降ります。
帰り道、やはり九州は遠く感じます。

やっと岡山県を抜ける頃には日も昇り、私は睡魔に・・・兵庫県内で車を止めて仮眠することに。

3時間程寝て車を出すと交通量も多くなってきてましたが、渋滞にははまらずに無事京都まで帰る事が出来ました。

今回採集した個体

2名での採集結果です。

●ミナミツヤハダクワガタ成虫27頭
 幼虫180頭程
●キュウシュウオニクワガタ幼虫10頭
●ニセコルリ幼虫 10頭


総走行距離にして2400km、ガソリンは約240Lを消費。
でも、また機会があれば気力を溜めて再度九州の高山をトライしてみたいと思います。

最後にこの場をお借りしまして、ご同行頂いたKボンバー氏、福岡のT氏、鹿児島のS氏には大変お世話になりありがとうございました。


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