遠江高山採集の風景

採集地:静岡県北部

2004.5.22

今回の静岡県の高山採集は愛知のパオパオ氏と電話で以前に決定していた。その後、姫専の甲冑屋氏ともそのような話が出ていたので、この日現地で合流することとなった。

私は京都を0:00頃出発のつもりが1時間以上出遅れてしまった。おまけに名神のリフレッシュ工事で渋滞はしていないものの、飛ばすことが出来ない。お二方に予定より1時間程度遅れる旨連絡をとり、急いで豊明のパオパオ氏宅へと向かった。

4:00頃にパオパオ氏宅に到着。
甲冑屋氏との待ち合わせの現地付近のコンビニへは6:00に到着。なんとか遅刻は取り戻す事が出来た。

睡眠中の甲冑屋氏を起こしてコンビニで食料を買い込みいよいよ林道へ突入です。
林道ははじめのうちは走りやすかったが、標高が上がるに従い険しさを増していった。通行止めの心配もあったが、目的地の1400m付近まで上がることが出来た。

身支度を整え、いよいよ採集開始。

まずは林道近辺で探すことにしましたが、あまりブナの立ち枯れなどが無く、1本位しか見あたらなかった。

途中で見えていたその1本の立ち枯れが気になると甲冑屋氏は登っていった。

私は斜面を降り、赤枯材を探すことにしたが、全く見あたらなかった。
戻り際に私もあの材が気になっていたので斜面を這い上がり立ち枯れへ近づくとなにも叩き痕がない。
甲冑屋氏は何処の木を叩きに行ったのだろうか・・?

私は斧を腰から外してこの木を叩くことにした。程なく小さな食痕が出てくる。ヒメの2齢か、スジクワかな・・そのまま叩くとスジらしき幼虫が出てきた。

その奥からようやく大きめの食痕が。今度はヒメの食痕のようだ。更に叩くとやはりヒメオオの幼虫だった。数頭出てきたが、何頭か潰してしまった。甲冑屋氏に怒られるな・・(汗

根際を叩くと今度は成虫が♂と♀出てきた。一刀目にしてヒメオオ当たり材に巡りあうとはこの日もつきがある様である。

一旦、成虫幼虫が確保出来たので止めようと思い斧などを仕舞っていると甲冑屋氏が登ってこられた。どうもこの材がわからず上の別の材を叩いていたようだった。

後は彼に任せて私は次の目標の小型種を探すことにした。
スジクワガタ幼虫ヒメオオクワ幼虫ヒメオオクワ♂成虫
一旦、林道へ降りるとパオパオ氏がなにやら小さな材を割っていた。

コルリ幼虫が出たようである。

この辺りはトウカイコルリが生息しているので是非とも押さえておきたいところ。
トウカイコルリクワガタ幼虫 私も付近の細い材を拾って割ってみると出てきました。

成虫はみられないが、幼虫は私も数頭確保できた。

その後は大きめの倒木などを叩くが、何も出てこない。

オニがいても良さそうな材でも入っていない。
静岡は場所にもよるが、もしかしたらオニは少ないのかもしれない。

一通り歩いて車へ戻ると甲冑屋氏も戻って来ていた。

彼もヒメオオ成虫を出せた様子。

見せてもらうと私が出したのより立派な♂成虫だった。

そして彼の好きな♀も、しっかり2頭確保されていた。(^^
場所を少し変えて再度山へ挑みます。今度は巨木の立ち枯れや倒木も多く一見すると期待できそうだったが、割り痕も多く、なかなかヒメオオは出せなかった。

私はようやく2齢のヒメオオらしき幼虫を2頭出すにとどまった。甲冑屋氏も別の材で粘っていたが1頭追加出来ただけだった。

ヒメオオ、コルリと共に本命視していたツヤハダの赤枯材を探すが、熊笹に視界が阻まれ全然見つけることが出来ない。標高的にもこれより先は針葉樹が多くなり、一旦車へ戻る事にした。
車を止めた近辺に小さな倒木が目に止まった。探していた赤枯材だった。表面を少し削るとマダラが成虫、幼虫と出てくる。更に奥からは太めの食痕。

そしてツヤハダの幼虫が出てきました。諦めかけていただけに嬉しかった。おまけにトウカイコルリの♂が一頭この材に付いていた。たぶん気温が上がらないので材の下にいたのだろう。

しかし、丁度このころ辺りは霧に包まれ、雨も降り出してきたので、この材は車に積んで持ち帰ることに。

材を車に積み、もう一度辺りの散策に出かけた。
ツヤハダクワガタ幼虫 トウカイコルリクワガタ
マダラクワガタ幼虫マダラクワガタ成虫オニクワガタ幼虫
材はあるのだが、クワガタは出てこない。


もう引き上げようかというときに甲冑屋氏が叩いた倒木からオニの幼虫がようやく出ました。


その材や周辺の材からオオトラフの蛹や幼虫も採集できいつしかこのエリアで採集できる高山種はおおかた採集することが出来ていた。



雨足も強くなり、今日は時間も少し早いが引き上げることに。
帰りの林道は濃霧に包まれ視界があまりきかなくなっていた。

行きにはなかった落石も落ちてきたりしており、多少危険な状態だったが、無事に下山することが出来た。

道の駅で休憩し、甲冑屋氏とは別れ愛知へと戻り、パオパオ氏宅の前で赤枯れ材を半分に解体して本日の採集は終了。


後からの情報でパオパオ氏が持ち帰った材からは20頭程のツヤハダ幼虫と100頭以上のマダラが出たそうだ。

私の方は・・・

今回採集した個体

3名での採集結果です。

●ヒメオオクワガタ 成虫2♂、3♀ 幼虫9頭
●ミヤマツヤハダ 幼虫26頭+α
●オニクワガタ 幼虫8頭
●マダラクワガタ 成虫15頭 幼虫130頭以上
●スジクワガタ 幼虫4頭
●トウカイコルリクワガタ 成虫♂1 幼虫20頭
●オオトラフ 蛹/幼虫10頭

今回はツヤハダこそ成虫が出なかったが、他はほぼ目的を達成できる結果となり、初めてトライしたエリアにしては上々の成果を得られました。

今期前半戦終了も満足のいく結果となり感謝感謝。

いよいよこれからは灯火、ルッキングシーズンへと採集スタイルもチェンジの時期ですね。