美作・備前地方採集の風景

採集地:岡山県

2004.6.12

前日に近づいた台風の影響が心配される中、この日は岡山県へ向かいました。

昼過ぎにイカ氏がやって来て車を乗り換えいざ京都を出発。道中の高速道路は雨が強く降ったり止んだり。この日は灯火の試運転を予定しているだけに天気が気がかりです。

約2時間のドライブで目的地付近へ到着。案外京都からは近いものです。しかし、気になる天候は依然怪しげな雲行き。

そんな中、あちこちと車を走らせ先ずは下見を行う。
特に灯火をやれる場所の選定は様々な条件の揃うところでしか出来ないため事前の下見が重要となる。あと、樹液の出ていそうな木も合わせてチェックするが、こちらも慣れぬ土地だけに難しい。
アカメガシワ
岡山には案外雑木林は少なく、あっても自生してるコナラとかアカメガシワが目についた。
車を走らせて下見を行うが、急に夕立のような土砂降りに見舞われた。

これでは採集は厳しい・・
大きくエリアを更に西へと移動する。

幸いこちらは雨はあまり降ってないようだ。

岡山ではアカメガシワにもオオクワも付くというので、めぼしい木があればチェックしていった。
この日の初成果
茂みの中に数本のアカメガシワを見つけ車を止めて見に行った。

最後に見た木は、うろが出来ていて虫の気配・・

ノコギリクワガタが♂と♀で付いていた。大歯のノコが付いている姿は勇ましい。

来た当初は雨で坊主かと心配したが、クワガタにお目にかかれてほっとした瞬間だった。

アカメガシワのチェックは対馬以来癖になりつつある私だった。(^^
気をよくして、更に車を走らせて下見を続ける。

天候も晴れ間がのぞいてきており、これから虫の出も期待できそうだ。

野原では丸々太った大きなカラスヘビが日向ぼっこをしている。アオダイショウかと思うほど大きなものだった。

この日は何頭もヘビを目撃するが岡山はヘビが多いのだろうか・・
藪を掻き分けようやくいくつかのクヌギを見つけた。

樹液の出はさほどでもないが、虫の気配のありそうな木にはコクワガタやヒラタクワガタ、スジクワガタが入っている。

ある集落の近くにクヌギの木を見つけ車を止めて近づくと、畑仕事をしていたお婆さんや子供らが近づいて来た。

虫取りしてますと言うと、いろいろお婆さんが教えてくれた。

私が脚立を車から降ろすと、お婆さんが長い梯子がいるなら貸してあげるよと言ってくれた。無論、借りはしないが田舎の人の親切心が嬉しい出来事だった。
更にオオクワガタもこの付近の××の近くで2年前に採れたことがあると。

我々が採っていたコクワやヒラタもわかっていたので、本当の様だった。
イカ氏がうろをつつくと・・ お婆さんの言っていた××が気になり、この周辺で少し散策するが、オオクワの付く雰囲気の木は無かった。

一旦はここを離れようと思ったが、もう一度引き返してチェックすることにした。

そんなとき、イカ氏が一本の有力な木を見つけてきた。オオクワはいないが、ヒラタがいるとのこと。

彼が巧みに取り出すと62mmある大きなヒラタだった。♀も同じところに入っていてこちらも大きな♀だった。

大きなヒラタが飛び出てきました この日最大62mmのヒラタクワガタ
樹液の思わぬ成果に気をよくして、あとは灯火の場所の選定の為にいろいろ走り回った。だが、なかなかここというポイントが無く時間ばかりが過ぎて行く。

あと少しで日も沈もうとしていた。

結局、一番始めに候補に上がった所以上の場所は無かったので、そこへ向かって車を走らせる。ここからは30分くらいだろうか。
日が落ちる前に付いて準備をしたいが間に合うかどうか・・

2004灯火バージョン なんとか日没と同時に現場へ着き慌ててセットを設営する。

と言っても、幕を張る訳でもないので10分とかからない。

今季は発電機も新調し(←イカ氏出資)、ライトも1灯追加。

そして今夜が、そのセットでの初めての点灯です。


今回は新しい設備での試運転で望んだのだが、約2時間クワガタは全く飛来しなかった・・

いくら試運転とはいえ、コフキコガネくらいしか飛んでこないという自前灯火をやりだして以来、最も寂しい結果に終わった。
寂しすぎる成果・・ この敗因には天候や気温の条件と設置した場所の問題など様々な条件があると思うが、反省させられる内容だった。

まあ、こうしたことも当然あるわけで、ライトが問題なく点灯するのと騒音面や車への積み込み具合などいろいろ確認も出来たので、今後の本格的なシーズンで成果を残せたらと期待している。


<2004灯火バージョン>
●発電機:HONDA EU16i(JNE)
●水銀灯:岩崎 透明集光形400W-2灯
●安定器:岩崎 定電力形400W2灯用
●水銀灯:東芝 蛍光形250W-1灯
●安定器:東芝 高力率一般形250W用
脈のない灯火は素早く片づけると別のエリアへ急ぎ移動する。田んぼの用水路では蛍が沢山飛んでいる。

次に我々は昼間に見つけた樹液のチェックを開始した。昼間に採集実績のあった木では、やはりまた虫が集まっていた。アカメガシワでノコギリ、クヌギでヒラタとコクワを首尾良く採集する。

先程の灯火で全く空振りだっただけに嬉しい。
叉に止まるミヤマクワガタ♂ 樹液のチェックが終わると次は街灯下のチェックである。

山間の何気ない街灯を調べて歩くがあまり虫は飛んでない様子。
そんなとき、私が電柱の脇の木にミヤマクワガタ♂を発見。その後すぐ、イカ氏もミヤマを見つける。

ミヤマもそろそろ活動期に入ってきたのだろう。

こうして岡山のいろいろな採集にピリオドを打って京都へ戻ることにした。

今回採集した個体

2名での採集結果です。

●ノコギリクワガタ成虫 2♂1♀
●ミヤマクワガタ成虫 2♂
●ヒラタクワガタ成虫 4♂2♀
●コクワガタ成虫 27頭
●スジクワガタ成虫 2♂

今回は灯火セット、街灯回り、樹液採集と一日にしてはいろいろ楽しめる内容だった。

今年始めて、ミヤマを確認できたのも嬉しい。

次の週末くらいはもっとミヤマも出てくることでしょう。

ミヤマクワガタアカアシクワガタゲンジボタル