近江北部・山城北部採集の風景

採集地:滋賀県北部〜京都府北部

2004.6.26

この日も雨の影響が心配される中、滋賀県や京都の北部は夜間は降水は無いような予報だった。

昨夜で樹液の集まりが悪いのはわかっていた。
そこで、街灯回りなら出来そうな天候だった。
ついでに良い場所があれば、ライトトラップをやってみたいと期待して滋賀県北部へ向う事にした。

この日もイカ氏宅へ向け19:30に家をでたが、交通量が多く20:10位に合流し、目的地へ向かった。
近づくと雨が落ちてきた。

そして、だんだん強くなり土砂降り状態になってしまった。街灯の水銀灯を見つけても車から降りるのを躊躇してしまう程だった。

しばらく走り回り小雨になったので、マメにチェックしていくことにした。

道路脇の土手に登って私が灯下をチェックしていると、下から眺めていたイカ氏が「黒い大きな♀がいる」と・・
私が彼の言う方向へ近づくと大きな今年初めてとなるミヤマ♀だった。
相方はオオでないことを悔しがるが、色も真っ黒で大きいので下から見てたらオオに見えるのも無理はない。
そのあとはこのエリアでは灯りの下にはアマガエルばかりで、甲虫はほとんど見られない。
水路には大きなイシガメもいた。この大きさは♀のようだった。用水路を必死で登ろうとしているが、落ちて登っての繰り返しだった。今にして思えばこの時期は♀なら卵を抱えている可能性が高い。産卵場所を求めていろいろ歩き回っていたのだろうか?
コクワガタゲンジボタルヒゲナガカミキリ♀
そんな中時折、コクワガタは見られた程度で、先のミヤマ♀くらいしか成果らしいものはなかった。
移動中も雨は降ったり止んだり。このエリアでは埒があかないので、ここより西へと迂回してみることにした。

今度は雨の影響は少なそうな感じだった。途中で車に牽かれているノコギリクワガタもいた。
その街灯近辺の木を揺らしてみたが何も甲虫は落ちてこなかった。
また車に乗り込み車を走らせ移動を開始。

暫く走った時、何か首筋に痛みを感じた。手をあてがうとヌルッとした感触で気持ち悪い。
なんと吸血ヒルに首を噛まれていたのだった・・

首から引っ張ってもなかなか離れない。かなり気持ち悪かったがなんとか首から離すと今度は手にくっついてしまった。
急ぎ路肩に車を止め、ヒルを取り払った。
この日は2人共藪蚊対策にベープ1を携帯していたが、ヤマビルに襲われるとは想像していなかっただけにテンションはすっかり下がってしまったのだった。
イシガメカジカガエルシカ
気を取り直し、更に西へと車を走らせ峠も2つ越えて京都府へ入った。この辺りは鹿が多い。この一晩だけでも十数頭の鹿に遭遇した。しかしクワガタは相変わらずコクワガタにしか巡り会えない。このエリアの本命のポイントでも私の期待する大型ミヤマ♂は確認できなかった。

また移動しようとしたとき、今度は相方が足にヒルがいるのを発見。私もよく見ると靴やズボンに付いている。2人とも車から降りて確認すると、靴の中やいたるところに入り込まれていた。またしてもヒルとの挌闘となってしまった。

シカなどの動物が多い環境の雨上がりで濡れた草むらは要注意だということを身をもって体験させられてしまった。
ヒルは思ったより移動速度が速く、5cm位しか長さはなかったが、尺取り虫のように這い上がってくる。

その後は木を揺するのも草むらへ分け入るのも腰が引けてしまう。
そんな中でヒゲナガカミキリや追加のミヤマ♀を採集したが、どうもテンションは上がらず夜も明けてきてしまった。

市内へ戻ったのは、すっかり明るくなってしまったが、思わぬ敵との戦いに疲れてしまった2人だった。
40mmある黒いミヤマ♀(右)

今回採集した個体

2名での採集結果です。

●ミヤマクワガタ成虫 2♀
●コクワガタ成虫 多数
●ヒゲナガカミキリ 1♀


今回はある意味で貴重な経験だったのかも・・。

シカもかなり沢山見たが、ヒルに襲われたのは初めての経験だった。
雨の山間部での街灯回りというのは以後気を付けなくてはならない。