近江湖西灯火採集の風景

採集地:滋賀県西部

2004.7.9

幕のサイズ:柱H3000、布H1200*W3000-2枚

この週末、本当は高山ルッキングの予定を立てていた。
しかし、低気圧前線の影響で大気が不安定。雷や集中豪雨の心配もあり、高山は断念せざるを得ない状況だった。

麓の町が雨なら、山の上は間違いなく雨だし、雷が落ちやすい状況でカーボンロッドやアルミの長竿を振り回すのは危険である。
そこで、急遽金曜の晩に灯火だけで決行することにした。
この晩のみは湖西〜京都は降雨はなさそうな予報だった。

帰宅後すぐに準備してイカ氏宅へ向かった。20:30頃に合流。
目的地へは22:00頃に到着。
星も見えており、雨の心配はなさそうだった。

今年新規で用意した拡散型水銀灯とそれを活かすための幕を今回は一度組んで運転してみるのが狙いだった。

頭で考えた簡易の幕だったが、実際に上手く組めるのだろうか・・
組んでみると、まあそこそこ機能は問題なさそうだった。
でも、立てるのに一人ではきついのがわかった。

幕自体もかぶりを計算していたが、思ったより垂れてしまう。
しかし、フレームのパーツをこれ以上増やすと嵩張るので、致し方無いところか・・

エンジンを始動し、幕が組み上がり最初の訪問者はコクワガタ♀だった。その後はなかなか甲虫はやってこない。

この地域はセミが多いのか、ヒグラシが沢山灯りに集まってくる。
他は蛾とカメムシ、シデムシなど灯火ではお馴染みのメンバーである。
しばらくは全然甲虫がやってこなかったが、ライトの角度を変えたところノコギリ♀、ミヤマ♀、コクワ♂と続けて飛んできた。

しかし、またなにも来なくなってしまった。
近くを見渡し、回りに落ちた虫はいないかをチェックするが、なにもいない。鳥に食われてしまったものと思われる大型ミヤマの頭部が落ちていた。せめてこんなのが飛んできてくれたなら・・
霧も出始めていて、遠くへは照射出来ないので近い所にしかライトを向けられなくなっていた。開始から2時間ほどだったが、霧に益々包まれてきたので撤収を開始することにした。

30分程で撤収を完了すると、街灯下を流しながら峠を越え、京都府へと向かった。またこの地域はシカによく出くわす所である。この晩は24頭ものシカに遭遇した。ごく短時間に車で走っていてこれだけの数のシカに遭遇する地域も珍しいかもしれない。きっと相当数が生息しているのであろう。この日はまだ5頭しかクワガタにあってないのにその5倍近いシカとの遭遇はなにやら皮肉めいたものを感じる。

次に多く巡り会うのが、街灯下や道路を横断するカエル達だった。この日もアマガエルは云うに及ばず、ヒキガエル、トノサマガエル、モリアオガエルと巡り会った。あと、天敵?のヒルには会わずに済んだ。

最後のチェックポイントでノコギリクワガタ2♀を追加したのが、この日は何故か街灯にもクワガタの飛来は少なかった。

何か原因があるのだろうと考えたが、よくわからない。
雨は降っていないし、気温もそこそこある。湿度は高い。風はあまりない。空も少し曇っており、月は隠れている。
条件的には申し分ないと私は思ったのだが、灯火セットにも街灯にも虫は少なかった。無論、街灯は他の採集者とのタイミングや兼ね合いも考えられるが、それだけでは無い何かが原因となっている気がする。

今週は真夏日が続き気温が極めて高かった。そしてこの週末は前線が差し掛かり、何処も不安定な気候なっていた。その辺り巧みに気圧の変化などを虫達は読みとり行動しているのだろうか・・

今回はあくまで遠征を控えてのセットの本組を目的として出かけたのだったが、それにしても寂しい成果となってしまった。

案外灯火も奥が深い。やはり、他の採集同様に回を重ね経験を積んで行くしかないのだろう。
幕に集まる蛾
コクワガタ♀
ヒグラシ&ノコギリクワガタ♀
ミヤマクワガタ♀
トノサマガエルモリアオガエルアズマヒキガエル
近くに落ちていた大型ミヤマ♂の頭部クロスジオオシロヒメシャクシカ

今回採集した個体

2名での採集結果です。

●ミヤマクワガタ成虫 1♀
●ノコギリクワガタ成虫 3♀
●コクワガタ成虫 1♂1♀


次週はいよいよ灯火セットの力を発揮できる場所へ行くつもりでいる。
本領発揮と行きたいところだがどうなるものか・・?