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甲斐・駿河高山採集の風景
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この週末は3連休である。私達も残り僅かの高山ルッキングを有効に過ごそうといろいろ計画していた。よってこの週末は、飛騨→越中の予定と準備をしていた。しかし、前線の影響で共に雨の公算が大きい。なので、急遽雨の無い地域という事で山梨での新規開拓に最終的に決まった。嘗て、ヒメオオはトライしたことの無い地域だけに不安はあったが、行ってみなければ始まらないし、北陸、中部、近畿共に雨ならば他に選択肢が無いのも事実だった。 予定の2:00に少し遅れてI氏宅へ到着した。実はこの日は日帰り出張で東京へ行っていた。新幹線で帰宅して準備して、うたた寝したら出遅れてしまった。(汗 I氏の運転でジムニーが快調に走る。しかし、私はデジタルカメラと携帯電話を忘れるという体たらく。なんとも情けない。なので今回の現地写真は全ていか氏の撮影のものである。 |
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目的地はおおよそ絞り込んでいた。これも常々この地ならここへ行きたいとチェックはしていたのでその選定には困らなかった。やがて朝を迎え、ICを降りると早速今回の第1目的の場所へと向かった。林道をどんどん上がってゆき、さあこの先というときに警備員に止められた。この先は一般車両侵入禁止の制限をしているらしい。ここで止められては到底無理なので、この有望そうな場所は見送るしかなかった。来た道を引き返し、また町まで戻った。もう一度仕切直しとなってしまった。 第2に向かった林道は標高を上げるも延々と植林地帯。前方に見える稜線はブナなどの広葉樹ではなく、針葉樹だった。 これも外してしまった・・ 焦りを感じていたが、私は助手席で何か食べている位しかすることもなく、ただ悪戯に時間ばかりが過ぎていった。 |
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第3に向かったポイントは進路をどうするかという問題もあったが、甲斐・駿河国境の峠周辺。ここは道も何カ所か工事をしており、多少通行に支障があるような道だったが、先の場所よりはよい環境だった。 やっとブナの古木も現れるが、規模がいまいちだった。所々ルッキングを行うが全く虫はみられない。この如何ともしがたい状況のまま国境の峠まで来てしまった。それは、甲斐國で坊主確定を意味していた。この時標高は1800M。下から湿った空気が流れてきており、雲の上に出てしまっていた。 もう、甲斐へ向かうのはやめにして駿河方面へ向かって下りてゆく事にした。しかし、この後もルッキングは極めて厳しい状態が続き、我々はこの地での本命視していた場所でも相変わらずの坊主から抜け出ることはなかった。そして、だんだん天候が悪くなってきていた。村へ降りて作戦を練り直すことにした。 最後の悪あがきではないが、このまま帰る訳にも行かない我々は再度数少ない駿河のブナ帯へのアタックを試みることにした。 |
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林道へ入ると霧が濃く10M先の見通しも利かない。標高が上がるに従い雨となった。もはやルッキング出来る状況では無くなっていた。道も崩落が心配なほど荒れていた。しかし、上を目指して行った。 終点まで辿り着くと雨は一層強くなっている。雨中での材割り慣行に意を決し、我々は斧を片手に山へと突入していった。 濡れながら、ひたすらにクワガタを探して歩き回り、倒木や立ち枯れを探して行く。そこに大きな立ち枯れに巡り会い、斧を入れるが、なかなか堅くて割り込めない。この木は止めて、別を探した。 また、大きな立ち枯れとその上部の倒木を2人で叩き、私が叩いた倒木からはオニクワガタの幼虫とルリクワガタが成虫・幼虫と出てきた。その頃I氏もアカアシ成虫・幼虫を出していた。そして、そのまま割り込んでいるとヒメオオの羽化後間もない成虫が出た様だ。なんとも探し続けたヒメオオの出現は嬉しい限りだった。 |
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なんとかヒメオオが出たことで、我々にとっては今日の仕事がやっと終わった。長居は無用と早々に引き上げを決意し、車へ戻る事にした。 引き返すとまた一段と雨が強くなってきた。霧に包まれた山間を後にして下界の町へ出ると嘘のように雨は降っていなかった。コンビニで休憩と腹ごしらえを済ませ、翌日の天候をチェックするが、山梨以外は何処もいまいちだった。静岡市まで下りてきてしまっていたので今更、山梨へ戻るという気もしないので、今日はこのまま引き上げることに決めた。明日はゆっくり休んで再度天気の良い明後日に今季最後となる北陸方面へ出撃することにした。 私の運転で東名高速に乗り京都を目指してジムニーを走らせた。 引き上げる道中の我々には完全敗北から免れられた喜びがあった。 |
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今回採集した個体 2名での採集結果です。 |