越前高山採集の風景

採集地:福井県 

2004.9.20

昨日は予想に反して京都の天気は良かった。今日も天気は良く秋だというのに真夏日の陽気。そんな中、我々は北陸の福井へ向かった。福井は灯火は行ったことがあるが、ルッキングは初の試み。いつも通過していた場所だけに一度はルッキングで入ってみたかった場所である。

4:00前にいか氏を拾い私の車で福井を目指す。敦賀までは下道であるが、車も少なく快調に進んだ。現地には7:00頃に到着。身支度を整えていよいよ山へ繰り出した。この日は朝だというのに歩いていると汗ばむほどだった。曇りだというのにかなり湿度が高い。30分ほど汗をかいた辺りからルッキング出来そうな場所となった。柳も比較的元気が良く期待できそうな感じであった。柳を眺めながらの歩行中思わぬアクシデントが私を襲った。崖下への転落だった。転落というよりは落とし穴にでも足を踏み入れたかのようにずぼっと落ちた。幸いコンクリートに肘が引っかかり滑落は免れた。長袖を着ていたが、両肘は擦りむいて血が出ていた。この程度で済んで良かったが、朝からこの先が思いやられる思いだった。
暫くこうしてルッキングを行いながら上部へと進んでいった。思ったよりも柳も豊富だし林道も手頃だった。いつしか最上部まで来てしまったが、成果の方は全く無しである。この後は、林道から逸れてブナ林へと突入する沢を上がっていった。ブナ林内ではブナやカンバなど多様な木をチェックして歩くがやはり虫はみられない。ブナ原生林の規模はたぶん、福井県下最大級だろう。立ち枯れや倒木も多くある。標高的にはやや低いがこの環境なら間違いなくヒメオオはいるであろう。ピークの平場で休憩し、そこに転がる倒木を返してみた。すると何か小さな黒い甲虫が目に留まった。手に取るとオニクワガタの♂だった。もう虫の息だが、一応生きていた。材には木屑が出ていたので少し割ってみると幼虫が出てきた。オニかと思ったが、顎がミヤマの様な顎をしている。別の倒木と裏返してみると今度はスジクワガタ♂とオニクワガタの幼虫らしきものがいた。少し掘ってみると、土の中からサンショウウオが躍り出てきた。しばらくは面白いので必死に倒木を返すも、他はコガネムシ系の幼虫くらいしかみられなかった。そうして一息つくと、また急なブナ林を下りていった。膝が笑う状態で山道を下っていった。今期歩いた中でも一番ハードだったかもしれない。
サンショウウオスジクワガタ
アカアシ??不明幼虫オニクワガタオニクワガタ幼虫
車へ戻ったときには想像以上に体力を消耗していた。午後からは、山を変えて別のポイントへ行くことにした。林道もどこまで行けるのか不安があったが、とりあえず見てみないと始まらない。林道も途中から悪路となってきた。しかし、この辺りから思ったより樹相は良くなっていく。手頃な柳も多数あり、元気も良い。期待に胸を膨らませて進んでいった。そして、やっと車からクワガタの影を見つけた。ペアで付いている。I氏は別の♂を見つけていた。

網に入れるとアカアシだった。この後もアカアシばかり採集して林道も終点になってしまった。標高的には想像より上がってこられたので、それは良いのだが、肝心な発生木のブナが近くにない。もし、ブナが近くにあったなら間違いなくヒメオオ採集に最適な場所なのだが・・
帰り道でもアカアシを追加してこの林道では8頭を数えていた。まあ、アカアシでもルッキの楽しさを堪能させて貰ったのはせめてもの幸せだった。
林道からおりると15:00になっていた。
時間的にももう他へは回れないので、本日の採集はこれにて終了。

帰りは福井県を抜けると渋滞がはじまった。3連休の終日だから無理もない。半ば諦め渋滞の中、ぼちぼち帰ることになった。

京都に着いたのは20:00近くになっていた。距離は近いのだが、思ったより疲れる採集となってしまった。
柳にゴマダラカミキリ アカアシクワガタ

今回採集した個体

2名での採集結果です。

9月20日 福井県Aポイント
●オニクワガタ 成虫 ♂1頭 幼虫1頭
●スジクワガタ 成虫 ♂1頭
●不明幼虫 1頭

福井県Bポイント
●アカアシクワガタ 成虫 ♂7頭 ♀1頭


今回は福井新規開拓という少し厳しいテーマだったが、そこそこの手応えを獲られた。ヒメオオには逢えなかったが、春のコルリやライトトラップ、石川の帰りに流すとか今後のやくにもたちそうだ。
いよいよ今週末でヒメオオの時期は終わりである。次回は是が非でも結果を出さなければ・・。