飛騨高山採集の風景

採集地:岐阜県

2004.9.23

完封こそ未だ無いが、いつも厳しい試練を与えてくれる飛騨へ今回は向かった。朝4:00に待ち合わせをしていか氏の車に乗り込む。この時間は一番空いている時間帯なのであっという間に岐阜県まで到着。高速を降りるとあともう少しで目的地の街道だった。

地図でチェックしていた気になる林道へ先ずは行ってみた。しかしすぐにゲートで車は通れない。ここから予想していたポイントまでは高低差にして300M、距離では3〜4kmはある。歩くか他へ回るか迷ったが、とりあえず歩いてみることにした。何事も見てみないと始まらない。ヒメオオ採集に長駆の歩きは付き物だからと。暫く歩くとミズナラや細めだがブナも出てきた。この後の展開に期待して足取りも速やかに上を目指してひたすら歩いていく。約一時間経過し、一息ついて目的の標高までそろそろというとき、樹相はスギ・ヒノキの植林へと変わってしまった。やっとこれからという時に諦めきれずに、尾根が見通せる上まで歩いた。しかし、眼前に広がる光景は採集の叶うものではなく、我々は潔く諦め車までひたすら戻ったのだった。
2カ所目に回った場所でも、ゲートがあり樹相も芳しくない。ここは諦め車から降りることなく3カ所目のポイントへ向かうことにした。道中の山越えでもまたしても我々の行く手にはゲートが・・仕方なく迂回路を通り目的の山へと向かった。ようやく到着したが、今度もまたゲートである。しかし、鍵は付いていない。柵を開けて入ることにした。ここの道は荒れ放題でジムニーの様な車でしかとても登れる林道ではなかった。辺りの景色は原生林が広がっており、ブナも所々出てきている。あとはもう少し標高を上げ、柳さえあれば期待できそうな場所だった。しかし、行く手の道は見事に崩落していた。一瞬、唖然となるがこればかりは致し方ない。また来た道をただただ、引き返すしかなかった。

この時点でもはや時刻は午後となっていた。今回事前に新規で入り込むつもりのところは全て回ってこの有様。もはやこうなっては、旧知の場所を回るという選択肢しか残されていない。
今度は南へ進路をとり、この日4カ所目の場所へと向かった。柳を見て回るとやっとクワガタの影を見つけることが出来た。そしてここでは一本の木に4頭ものヒメオオが付いている。更に奥の木にはそこそこの♂が付いている。全てを首尾良くネットに収め、やっとルッキングの楽しさを味わうことが出来た。
続いては、旧知第2の5カ所目のポイントへ向かった。ここは私の知る限り、岐阜県下最大級のブナ原生林の残るところである。

目的地へ近づくと柳を丹念にチェックしていく。すると、いい感じでいいところに付いている。ネットをあてて揺らすがしがみついて落ちない。仕方なく網と如意棒(突っつき棒)の二刀流+I氏に下へ回ってもらった。慎重に落とすとやはりヒメオオだった。その後も大型の♂♀など所々で採集していった。気が付くとここでは6頭まできている。

そして、最上部の一昨年の木まで来たが、そこでは何も見られなかった。休憩をして、また下りでも素手のI氏が木を蹴飛ばして1頭を追加。この日の合計も6♂6♀、計12頭になった。そして、上がろうとすると雨が落ちてきた。時間も夕方になってきていたのでここで上がろうと車へ乗り込み林道を降りていった。
さて、今から帰宅であると思ったその時、何を思ったかハンドルを持つI氏は進路を北に向かって走らせた。石川へ抜ける某S林道へ行きたいという。そこでも狙えるならと・・

この期に及んで、執念とも思える選択である。確かあそこは17:00で閉門されてしまう。なんとか間に合うかの瀬戸際だった。林道のゲートへ着くとぎりぎりセーフだった。しかし、聞けば18:00には通過して出なくてはならない。林道に入り、標高もどんどん上がると今まで走っていた奥飛騨の村やダムが眼下に見えてくる。あっという間に標高1250m。駐車スペースに車を止め、駆け足で柳やブナをチェックしてゆく。もう日も落ちようとしている。しかし虫はそう簡単には見つかりそうもなかった。この後も所々チェックするがやはり厳しい状況だった。またここを通る機会があるならもう少し日のあるうちにゆとりを持って見てみたいものである。

こうしていつもの石川へ抜けた我々はつい3日前にも通った福井を抜けて京都へ帰ったのであった。

今回採集した個体

2名での採集結果です。

9月23日 岐阜県某村
●ヒメオオクワガタ 成虫 ♂6頭 ♀6頭

飛騨というエリアは四方を山に囲まれどのエリアでもヒメオオは採集できる。しかし、なかなかまとまって獲られるポイントが開拓できない。この問題はまたしても来期へ持ち越しとなってしまった。そして、本年度のヒメオオ採集も次回で終了の予定である。