A.L.Fのひとりごと

Vol.6
「輸入される虫」 Imported insects


外国産のクワガタやカブトムシの大半が輸入解禁になったのはみなさん記憶に新しいところですよね。それ以前でも普通に売られていたのですが、雑誌やWebなどで写真が紹介されているときは「※現地にて撮影」などのキャプションがついていたのはみなさんも記憶に新しいところではないでしょうか。建前は標本としての取引だった訳で外国産の取引についてはアンダーな世界だったという事です。

1999年11月の44種解禁後、数度の追加解禁を経て今では大半の種が検疫有害動物ではないという事で堂々と輸入されるようになりました。それはそれで尽力された方の努力や一部外国産種のマニアには夢のような嬉しい出来事だったと思います。

それ以前より当然入りやすく、いろいろなルートも出来て価格も下落し欲しい人たちが安価に入手出きる。そこまではよかったのですが、最近の実体をみていると需要に見合わない量の虫の輸入が行われているように思えてなりません。規制されていた時代は需要の方が供給よりも上回っていたためそのような事は感じなかったのですが・・
これは解禁後の状況(デフレ)とクワガタブームと呼ばれたものの終焉が重なってしまったためではないかと思われます。ブームが終焉を迎えたのは大漁に野生個体が入荷するため、ブリーダーが作出するCB個体の需要をも食ってしまい、CBでは価格面などで太刀打ちできないのでブリーダーが離れていってしまっているからで、全くもって投機の対象ではなくなってしまったからかと思います。

ですが、現地の採り子さん達は日本のそんな消費状況も知らず、日本へ向けてせっせと採集しているのでしょうね。で、挙げ句に安い値で日本の業者やブローカーに叩かれて。国内の大手業者さんも叩き売り状態・・虫はいい迷惑ですな。海を越えてはるばる来た日本であまり見向きもされず飼い殺しの様な状況になって。必要な量の虫だけ輸入するなんて難しいのかもしれないけど今の状況ではいつまで経ってもクワガタデフレが続くのではないかと思います。

日本の国内では今でも雑交個体や外国産の虫の採集報告がままありますが、向後よりいっそう顕著にその実害は表面化するものと想像します。
その時にはまた何らかの規制が設けられるのかもわかりませんが、そのような状況に陥った後ではもう取り返しがつかないでしょうね。

今の時点でもそうなのかもしれないですが・・・

私の考えは解禁して堂々と輸入される行為は歓迎いたしますが、果たして今の形がベストかというと・・疑問が残る次第です。