A.L.Fのひとりごと

Vol.10
「採集道具」 Collection tools


本格的に採集を行うにはそれなりの採集道具が必要になることは誰しも想像出来ることだろう。

だが、方法の異なる採集となるとそこで必要になってくるアイテムは当然違ってくる。これは頭の中ではわかってもやったことがない場合や初めてのスタイルの場合はどうしたらいいのか迷うものである。私などもたえずいろいろ試行錯誤の連続です。なので大まかにその違いを述べさせてもらいます。

◆1.樹液採集時に必要なアイテム(平地の里山など・・春夏)
夜間採集時になにより欠かせないのが「フラッシュライト」これが一番重要なアイテムかもしれない。照度が明るくコンパクトで持ち歩きやすい物が重宝するが高照度のものほど使用時間が限られるので、長時間使用できるものも同時に併用するのが理想的。次に、うろから取り出すための「ピンセット」や「掻き出し棒」、手の届かない虫を追う「捕虫網」や「棒」、そして服装は長袖・長ズボンで動きやすいものが良いでしょう。あとは虫さされ防止のスプレーも忘れてはいけない。オオクワメインで狙うなら脚立やサクエチも時には必要かと思われる。

◆2.高山ルッキング採集時に必要なアイテム(高山のブナ帯・・夏秋)
日中の行動が主体となるので懐中電灯は基本的に要らないがリュックに一つくらい入れておく方が無難。万が一下山が遅れたときに備えて。そして、絶対必要なのが「捕虫網」。しかも長さ最低3M以上、実際には5Mクラスが有効。ナイロンネットも一工夫こらさないと細い枝に入り込むヒメオオ採集には使いにくい。あと、私がいつも持ち歩くのは傘。ぴんと張られたビニール傘より布張りの物の方が、落ちてきた虫が跳ねにくいのでよりよい。それと、高度計もしくはその機能の付いた時計があると大変役に立つ。服装は軽装で構わないが、靴は歩き安さを重視したものが疲れなくて良い。熊よけの鈴は一応つけて歩きましょう。

◆3.灯火採取時に必要なアイテム(低〜高山・・夏)
自家発電エンジンと照明器具(水銀灯)の灯火セットが必要になる。エンジンは容量の大きな物にこしたことはないが、その分重く嵩張るので要検討。水銀灯はバラストレス球よりも安定器の要る透明集光型白色水銀灯が照度も明るくエンジンへの負担も少ないので良い。あとは床に敷くシートがあれば自家灯火が行える。燃料の予備タンクもも携行すると便利。山間部などでは給油が困難な時さえあるので。また、待ち時間が長いので椅子も必要。服装は長袖・長ズボンで黒いものが良い。それと、白い服は蛾に群がられてしまうので避けるべき。

◆4.材割り採集時に必要なアイテム(平地〜高山・・秋冬)
材割り採集時に必ず必要なのが斧。鉈を使う人もいる。小型種採集には鉈や、小型の斧が有効。私は使わないがノミを使う人もいる。クヌギやブナが相手なら中〜大型の斧が威力を発揮する。だが、斧は大きくなるほど持ち歩きにも不便でそれを振り回す体力も必要となってくる。服装は寒い時期なので当然長袖・長ズボン・手袋が必要。ただし、思ったより身体は暖まるので着込みすぎない方が良いかと。


◆5.離島採集時に必要なアイテム(島・・通年)
南西諸島ではなんといってもトラップが威力を発揮する。バナナやパイナップルをパンストやネットに詰めてアルコール漬けにして用意したものを持ち込みたい所。かなりの数を用意して望んでも現地で仕掛けているとあっという間に無くなる。それから灯火も有効なので小型の灯火設備(トラップ)が準備できればそれにこしたことはない。原生林に立ち入る時はコンパスと懐中電灯は必要。初めて入る山では道しるべもした方が無難な様です。服装はゆったりとした長袖・長ズボン・手袋や丈夫な靴、そして首にはタオルと毒蛇対策を意識したものが良いでしょう。

最後に共通して必要な重要なアイテム。
それは、地図とカメラとナイフである。地図は私は常に持ち歩く。以前は国土地理院の25000/1地形図や50000/1地形図を買い求めたものだったが、今ではカシミールをPCからプリントして使っている。新規開拓など知らない土地へ望むときは、事前に植生なども調べた方が良い。そしてカメラも重要なアイテムで特に遠征時などのショットは押さえておきたい。一流の採集者はカメラも拘ったものを持ち歩いている。最後にナイフはいざというときにあると役に立つ。樹液採集で回っていてたまたま良い材を見つけた時などは有効だった。ちょっとしたところで役に立つものである。