A.L.Fのひとりごと


Vol.21 「スタンス」 Stance


私のサイトへお越し頂いた少なくとも虫に興味のある貴方は虫を通じた活動に於いてその関わり合いについてのスタンスはどのようなものでしょうか??
というのも、このスタンスが明確でない、もしくは理解しあえない場合に於いてはその世界で親密な人間関係というのは築けないものではないでしょうか。


とくに採集やオフ会などweb上の仮想の空間から抜け出して面と向かった時におけるスタンスに違いがある場合は当然なのですが、その事が少なからず問題ともなりかねない時があります。具体的に一番問題となるのは、採集の同行時などが当てはまるでしょう。自分の趣味だけで楽しむスタンスの方と採集が販売に直結している方とでは水と油。どちらが良いとか悪いという問題ではなく、どちらも気兼ねなく自分のやりたいようにすれば良いと私は思っている。ただ、問題なのはその在り方にあると思う。

昨今はWebでオークションという形で個人売買が大変盛んに行われています。クワガタの販売も当然行われています。私もそれらを利用する一人であるが、時々さも要らない虫のごとく扱われている場合も目にします。材割り不明幼虫まとめて1円からとか・・全く意味のない採集をするくらいならば採らなければいいのにと普通は思うのではないでしょうか。私なども目的種以外が必要以上に採れてしまう時は多々ある事ですが、早めに見切りをつけるなり、その場でも対処の施し用はあるものです。必要のない虫ならばその場へ戻すなどの方法もあるはず。どうしても戻せないのであれば、持って帰って飼育するとか近所の子供へあげるとかという方法もありますよね。なんでもかんでもお金に換えなければならない必要は無いはずです。

あと、ハンドルネーム(以下H.N)を複数使っている方がおられますね。表の顔と使い分けてオークションでは別のH.Nで販売するというのもその一つ。売るなら売るで正々堂々と売れば良いのにと私は思う。そのほうが私などは安心して取引できると思うのだが、H.Nを使い分けて何のメリットがあるのだろうか。本当のところはメリットの問題ではなく、隠れ蓑として使い分けているだけなのではないでしょうか?

表の顔でポイントや情報を共有し仲間を作り、影ではべつのH.Nで販売する。ポイントなども独自に開拓したものでは無いので、大っぴらに表の顔で商売することが躊躇されるからだろうか。
結局こういった方たちはご自身に明確なスタンスやポリシーを持たないまま虫の世界に入ってきてあわよくば儲けようと思っているだけなのだろう。

当方の売買交換掲示板の方でも同じプロキシ、メアドなのにH.Nを巧みに使い分け爬虫類の販売と譲受を行う方が過去何名かいた。どう考えても不自然であるし、私としては不愉快である。こういった行為が続く様であれば売買交換掲示板は閉鎖せざるをえなくなるかもしれない。

あと、最近の事であるが、オークションサイトで私が香川へ採集に行った時の友人の成果写真と同じタイミングで撮影した写真を使って阿古谷産WDやら岡山産WDオオクワガタとして販売している方がいた。その現場には8名居たのだが、カメラで撮影していたのは限られる。産地偽装をして販売していたのか、単に香川の写真を使っただけで本当にその産地の虫だったのかは私の知るところではないが、大変残念な話である。

あと、今年の夏には「チーム●●●」ブランドを偽ったものも売られてましたね。なんでそういう阿漕な事をするのでしょうね。いくらH.Nで本名がわからないからといってやっていいことと悪いことの区別もつかないような方はスタンス以前の問題です。


私がいつも採集を共にする某氏は販売を一切行わない。彼は売るために虫を捕まえる訳ではない。かといって標本に残すわけでもない。単純に採集自体を楽しんでいる。それに比べ私などは以前から増えた虫の販売も行ってきたし、採集できた虫も時には販売したりする。この様に、スタンスの違いこそ大きいが、それなりにうまくやっていけるのも信頼関係が築かれているためである。

このところニュースでは建築物の構造設計の偽装問題が発覚して騒がれているが、この場合は人命に関わる問題だけに深刻且つ早急な対策が必要であろう。虫のラベルを偽装したくらいではこれほどの問題になるはずもないが、騙すという行為にはかわりない。特にWeb上だけのつきあいの場合は相手が見えぬだけに本当の信頼関係を築くのが難しいのかもしれない。だからこそ偽りのない姿勢こそが大切なのである。