要介護認定訪問調査の注意点
「訪問調査のあかさたな」〜

平成12年10月16日

 平成13年度から要介護認定基準改訂作業が始まる見込みです。
 改訂要介護認定基準は、平成15年4月から実施できるよう厚生省は計画を練っているようですが、それまでの間、市町村は現状の要介護認定基準に基づき判定を行うこととなります。
 ここでは、この話題は別においといて・・・・・、

 最近更新認定が行われるようになり、要介護認定調査員に対する苦情等が市町村等に多数寄せられています。
 このようなことから、要介護認定基準の内容以外にかかる、訪問調査員向けの注意点を作成しましたので、参考までにUPしました。
 都道府県、市町村の要介護認定調査員研修等に活用していただければ幸いです。

ご利用等される場合は、ここから印刷してください。(出典は削除しないでください)
なお、ご利用の際はご一報いただくことによって、承諾したこととします。
 作:野本史男  


転載等の報告連絡先です。
感想もお待ちしております。


fumio@as.airnet.ne.jp


訪問調査は調査員証から
 要介護認定調査員は、市町村から特別に認められた専門職員です。やむを得ず顔なじみの家庭に訪問する場合でも、調査員証の提示は、いつもと立場が違うことを確認しあう大切な挨拶です。
問題にぶつからなくても基本に戻れ
 訪問調査になれてしまうと、自分のノウハウで判断してしまうことがあります。その結果、要介護度を誤認してしまうのです。
 常に本来の調査項目の趣旨を忘れず、基本原則どおりの調査を行ってください。
調 調査の回答を軽く(重く)申し立てるよう示唆していませんか?
 サービスの利用量に応じた要介護度となるよう回答を誘導したり、要介護度が重くなると自己負担額が高くなると説明することは絶対にいけません。
査定してはいけない要介護度
 訪問調査時に、「あなたの場合、たぶん要介護度3程度にはなります」等と絶対に言ってはいけません。
 受給者等から要介護度の認定見込みを強く質問することがありますが、訪問調査時点では確実と思っても想定される要介護度を言ってはいけません。仕組みの説明程度に止めるようにしてください。
乗ってはいけない共通の知り合いの話題
 お互いに知り合いだと、被調査者の方から第三者との比較を話題とすることがあります。その話題につられると、それだけでも個人情報の保護義務に反するのです。
アポイントをとって被保険者と立会人の訪問調査
 被調査者だけの申し立てでは不十分です。認定調査は、必ず日頃の状況を知っている立会人をつけてください。
過去の認定結果が気にかかり
 再認定は、前の調査結果や要介護度を気にすると、誤った調査を行ってしまいます。
 前回の調査結果や要介護度は、あくまでも調査漏れがあることを確認するだけのものです。
さらっと書いてはいけない特記事項
 特記事項は、第三者が速読するものです。状況が分かるように、わかりやすく簡潔に書きましょう。きちんと書けば、より正確な要介護認定ができるのです。
立会人の説明、聞き取り場所と方法考えて
 立会人の説明は、じっくりと聞きましょう。しかし、本人の目の前で聞き取りをしようとすると、立会人が説明しづらかったり、ひそひそ話をすると、被調査者の情緒が不安定になることがしばしばあります。場所を変える等の配慮をしましょう。
慣れた施設ケアと調査は要介護認定の落とし穴
 技術を身につけた職員が要介護認定調査時の立会人として説明する場合、見守りや簡単な介助等を言い忘れてしまうことがあります。訪問調査員は聞き取り調査は慎重にひとつひとつ確認しましょう。
 慣れた調査員は、複数の調査項目をひとまとめの質問で済ませてしまっていませんか?そんな中にイレギュラーの落とし穴が待っているのです。施設のスタッフはもちろん、施設訪問する調査員も、当たり前と思っても基本に忠実な調査をお願いします。

Copyright 2000.10.15. Fumio Nomoto
http://www2.airnet.ne.jp/fno/


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