○厚生省令第四十三号  介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百四十八条第八項、第百五十一条第二項、第百五十二条、第百五十三条、第百五十八条第一項、第百五十九条第一項及び第百六十三条並びに介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令(平成十年政令第四百十三号)第六条第四項第一号、第七条第二項、第十条及び第十二条第三項の規定に基づき、介護保険の医療保険者の納付金の算定等に関する省令を次のように定める。    平成十一年三月三十一日                                     厚生大臣 宮下 創平    介護保険の医療保険者の納付金の算定等に関する省令  (基金事業対象比率の算定に当たっての介護保険事業に係る収入額の算定方法) 第一条 介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令(平成十年政令第四百十三号。以下「算定政令」という。)第六条第四項第一号に規定する標準給付費額(同号に規定する標準給付費額をいう。以下同じ。)に充てるべき額は、各年度の介護保険法施行令(平成十年政令第四百十二号。以下「施行令」という。)第三十八条第三項第二号に規定する合算額から同項に規定する介護保険法(平成九年法律第百二十三号。以下「法」という。)第百二十七条及び第百二十八条の規定による補助金のうち標準給付費額に係るもの以外のものの額並びに同項に規定するその他介護保険事業に要する費用のための収入のうち標準給付費額に係るもの以外のものの額の合計額の総額を控除して得た額の総額とする。 (単年度基金事業対象収入額の算定方法) 第二条 算定政令第七条第二項に規定する法第百二十七条及び第百二十八条の規定による補助金のうち標準給付費額に充てるべき額は、これらの補助金のうち標準給付費額に係るもの以外のものの額とする。 2 算定政令第七条第二項に規定する当該年度前の年度において生じた決算上の剰余金のうち標準給付費額に充てるべき額は、次の各号に掲げる剰余金の区分に応じ、当該各号に定める額とする。 一 当該年度が属する事業運営期間(法第百四十七条第二項第一号に規定する事業運営期間をいう。以下同じ。)中の各年度において生じた決算上の剰余金 当該決算上の剰余金に基金事業対象比率(算定政令第六条第四項に規定する基金事業対象比率をいう。次号において同じ。)を乗じて得た額 二 当該年度が属する事業運営期間前の年度において生じた決算上の剰余金 当該年度が属する事業運営期間に係る保険料率の算定に当たって施行令第三十八条第三項第二号に規定するその他介護保険事業に要する費用のための収入として見込まれていたものに基金事業対象比率を乗じて得た額  (基金事業対象収入額の算定方法) 第三条 前条第一項の規定は、算定政令第十条に規定する法第百二十七条及び第百二十八条の規定による補助金のうち標準給付費額に充てるべき額について準用する。 2 現事業運営期間(算定政令第十条に規定する現事業運営期間をいう。以下同じ。)の前の事業運営期間において生じた決算上の剰余金であって現事業運営期間に繰り越されたもののうち標準給付費額に充てるべき額は、現事業運営期間に係る保険料率の算定に当たって施行令第三十八条第三項第二号に規定するその他介護保険事業に要する費用のための収入として見込まれていたものに基金事業対象比率を乗じて得た額とする。 (平成十二年度から平成十四年度までの財政安定化基金拠出率) 第四条 平成十二年度から平成十四年度までの算定政令第十二条第三項に規定する財政安定化基金拠出率は 、千分の五とする。 (市町村財政安定化事業の負担交付に関する事務の一部を受託できる法人等) 第五条 市町村相互財政安定化事業を行う市町村は、法第百四十八条第八項の規定により市町村相互財政安定化事業の事務の一部を委託しようとするときは、当該市町村間の協議により、委託する法人、委託する事務の範囲、委託する事務に要する経費の支弁の方法その他必要な事項を定めなければならない。 2 法第百四十八条第八項に規定する厚生省令で定める要件は、次のとおりとする。 一 当該法人が委託を受けようとする事務(以下「受託事務」という。)を実施するに足る人員及び財政的基礎を有するものであること。 二 当該法人が受託事務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって受託事務が不公正になるおそれがないものであること。  (調整金額) 第六条 前々年度の概算介護給付費納付金の額が前々年度の確定介護給付費納付金の額を超える医療保険者(以下「控除対象医療保険者」という。)に係る法第百五十一条第一項ただし書に規定する調整金額は、その超える額(以下「超過額」という。)に算定率を乗じて得た額とする。 2 前々年度の概算介護給付費納付金の額が前々年度の確定介護給付費納付金の額に満たない医療保険者(以下「加算対象医療保険者」という。)に係る法第百五十一条第一項ただし書に規定する調整金額は、その満たない額(以下「不足額」という。)に算定率を乗じて得た額とする。 3 前二項に規定する算定率は、第一号に掲げる額を第二号に掲げる額で除して得た率を基準として年度ごとにあらかじめ厚生大臣が定める率とする。  一 すべての加算対象医療保険者に係る不足額の合計額及びすべての控除対象医療保険者に係る超過額の合計額に係る基金の支払利息の額と受取利息の額との差額を基礎として、前々年度における社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)の法第百六十条第一項第一号及び第二号に規定する業務上生じた利息の額等を勘案して支払基金があらかじめ厚生大臣の承認を受けて算定する額  二 すべての加算対象医療保険者に係る不足額の合計額とすべての控除対象医療保険者に係る超過額の合計額との差額  (概算介護給付費納付金の算定に係る医療保険納付対象額の見込額の算定方法) 第七条 法第百五十二条に規定する医療保険納付対象額(法第百二十五条第一項に規定する医療保険納付対象額をいう。以下同じ。)の見込額の総額は、第一号に掲げる額に第二号に掲げる率を乗じて得た額に、当該年度に係る第二号被保険者負担率(同条第二項に規定する第二号被保険者負担率をいう。以下同じ。 )を乗じて得た額とする。 一 前々年度のすべての市町村の標準給付費額の総額 二 当該年度におけるすべての市町村の標準給付費額の見込額の総額を前々年度におけるすべての市町村の標準給付費額の総額で除して得た率を基準として年度ごとにあらかじめ厚生大臣が定める率  (概算介護給付費納付金の算定に係る第二号被保険者の見込数の算定方法) 第八条 法第百五十二条に規定する医療保険者に係る第二号被保険者の見込数は、第一号に掲げる数に第二号に掲げる率を乗じて得た数とする。  一 前々年度における当該医療保険者に係る第二号被保険者の数(その数が当該医療保険者に係る特別の事情により著しく過大又は過小であると認められるときは、当該医療保険者の申請に基づき、あらかじめ支払基金が厚生大臣の承認を受けて算定する数とする。)  二 当該年度における次項に規定する医療保険者以外のすべての医療保険者に係る第二号被保険者の見込数の総数をそれらの医療保険者に係る前号に掲げる数の合計数で除して得た率の見込みとして年度ごとにあらかじめ厚生大臣が定める率 2 当該年度の前々年度の四月二日以降に新たに設立された医療保険者及び同日から当該年度の四月一日までの間に合併又は分割により成立した医療保険者に係る当該年度における第二号被保険者の見込数は、前項の規定にかかわらず、その間における当該医療保険者に係る第二号被保険者の数等を勘案してあらかじめ支払基金が厚生大臣の承認を受けて算定する数とする。  (概算介護給付費納付金の算定に係る第二号被保険者一人当たり負担見込額の算定方法) 第九条 法第百五十二条に規定する当該年度における医療保険納付対象額の見込額の総額を第二号被保険者の見込数の総数で除して得た額(以下「第二号被保険者一人当たり負担見込額」という。)は、当該年度における第七条の規定により算定した医療保険納付対象額の見込額の総額を、当該年度におけるすべての医療保険者に係る前条第一項の規定により算定した数の総数と同条第二項の規定により算定する数の見込数の総数の合計数で除して得た額として年度ごとにあらかじめ厚生大臣が定める額とする。  (確定介護給付費納付金の算定に係る医療保険納付対象額の算定方法) 第十条 法第百五十三条に規定する医療保険納付対象額の総額は、前々年度におけるすべての市町村の標準給付費額の総額に前々年度に係る第二号被保険者負担率を乗じて得た額とする。  (確定介護給付費納付金の算定に係る第二号被保険者一人当たり負担額の算定方法) 第十一条 法第百五十三条に規定する前々年度における医療保険納付対象額の総額を第二号被保険者の総数で除して得た額(以下「第二号被保険者一人当たり負担額」という。)は、前々年度における前条の規定により算定した医療保険納付対象額の総額を前々年度におけるすべての医療保険者に係る第二号被保険者の総数で除して得た額として年度ごとにあらかじめ厚生大臣が定める額とする。  (端数計算) 第十二条 介護給付費納付金の額に一円未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 2 次の表の上欄に掲げる額等を算定する場合において、その額等に端数があるときは、同表の下欄に掲げ るところにより計算するものとする。  第六条第一項の規定による控除対象医療保険者に係る調整金額 一円未満の端数を切り捨てる  第六条第二項の規定による加算対象医療保険者に係る調整金額  第七条の規定による医療保険納付対象額の見込額の総額 一円未満の端数を四捨五入する  第十条に規定する医療保険納付対象額の総額  第八条第一項の規定による当該医療保険者に係る第二号被保険者の 一未満の端数を四捨五入する  見込数  (公示) 第十三条 厚生大臣は、次に掲げる率又は額を定めたときは、年度ごとにあらかじめ公示するものとする。  一 第六条第三項に規定する算定率  二 第七条第二号に規定する率  三 第八条第一項第二号に規定する率  四 第二号被保険者一人当たり負担見込額  五 第二号被保険者一人当たり負担額  (医療保険者が行う支払基金に対する報告) 第十四条 医療保険者は、支払基金に対し、毎年度、当該年度の各月末日における第二号被保険者の数及び四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者の数(以下「第二号被保険者数等」という。)を当該年度の翌年度の六月末日までに文書により報告しなければならない。 (老人保健法施行規則の準用) 第十五条 老人保健法施行規則(昭和五十八年厚生省令第二号)第二十九条の規定は、介護給付費納付金の納付の猶予について、同令第三十一条第二項の規定は、合併、分割又は解散が行われた場合における医療保険者の支払基金に対する第二号被保険者数等の報告について、同令第三十二条の規定は、新たに医療保険者となった者又は合併若しくは分割により成立した医療保険者の支払基金に対する届出について準用する。この場合において、これらの規定中「拠出金」とあるのは「介護給付費納付金」と、「保険者」とあるのは「医療保険者」と、「基金」とあるのは「支払基金」と、第二十九条中「第六十二条第一項」とあるのは「第百五十八条第一項」と読み替えるものとする。    附 則  (施行期日) 第一条 この省令は、平成十二年四月一日から施行する。  (平成十二年度の概算介護給付費納付金に係る算定の特例) 第二条 第七条の規定にかかわらず、平成十二年度の概算介護給付費納付金の算定に係る当該年度の医療保険納付対象額の見込額の総額は、当該年度における各市町村の介護給付等対象サービス(法第二十四条第二項に規定する介護給付等対象サービスをいう。)の見込量等を踏まえてあらかじめ厚生大臣が定めるものとする。 2 第八条の規定にかかわらず、平成十二年度の概算介護給付費納付金の算定に係る当該年度における各医療保険者における第二号被保険者の見込数は、平成十年度における各医療保険者の四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者の数等を踏まえて、あらかじめ支払基金が厚生大臣の承認を受けて算定する数とする。 3 平成十二年度の概算介護給付費納付金の算定について第九条の規定を適用する場合においては、同条中「第七条」とあるのは「附則第二条第一項」と、「前条第一項の規定により算定した数の総数と同条第二項の規定により算定する数の見込数の総数の合計数」とあるのは「同条第二項の規定により算定した数」とする。  (平成十三年度の概算介護給付費納付金に係る算定の特例) 第三条 第七条の規定にかかわず、平成十三年度の概算介護給付費納付金の算定に係る当該年度の医療保険納付対象額の見込額の総額は、各市町村が法第百十七条第一項の規定に基づき定めた平成十二年度から平成十六年度までの市町村介護保険事業計画における介護給付等対象サービスの見込量の合計、法第百五十九条第一項の規定に基づき各市町村が支払基金に通知した医療保険納付対象額等を踏まえてあらかじめ厚生大臣が定めるものとする。 2 第八条の規定にかかわらず、平成十三年度の概算介護給付費納付金の算定に係る当該年度における各医療保険者における第二号被保険者の見込数は、平成十一年度における各医療保険者の四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者の数等を踏まえて、あらかじめ支払基金が厚生大臣の承認を受けて算定する数とする。 3 平成十三年度の概算介護給付費納付金の算定について第九条の規定を適用する場合においては、同条中「第七条」とあるのは「附則第三条第一項」と、「前条第一項の規定により算定した数の総数と同条第二項の規定により算定する数の見込数の総数の合計数」とあるのは「同条第二項の規定により算定した数」とする。  (公示) 第四条 厚生大臣は、附則第二条第一項の規定により平成十二年度の医療保険納付対象額の見込額の総額を定めたときは、あらかじめ公示するものとする。 2 前項の規定は、附則第三条第一項の規定により平成十三年度の医療保険納付対象額の見込額の総額を定めた場合について準用する。