内閣は、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百二十一条第一項及び第二項(同法第百二十三条第二項、第百二十四条第二項、第百二十五条第三項及び第百四十七条第八項において準用する場合を含む。)、第百二十三条第一項、第百二十四条第一項、第百二十五条第一項及び第二項、第百四十七条第一項、第二項第一号から第四号まで、第三項、第五項及び第六項、第百四十八条第一項及び第二項、第百五十四条並びに第百五十六条第三項の規定に基づき、この政令を制定する。
(国の介護給付費に対する負担金の額)
第一条 介護保険法(以下「法」という。)第百二十一条第一項の規定により、毎年度国が市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対して負担する額は、各市町村につき、当該年度における次に掲げる額の合算額の百分の二十に相当する額とする。
2 法第百二十一条第二項に規定する市町村について前項の規定を適用する場合においては、居宅介護サービス費、特例居宅介護サービス費、居宅介護福祉用具購入費、居宅介護住宅改修費、居宅支援サービス費、特例居宅支援サービス費、居宅支援福祉用具購入費又は居宅支援住宅改修費の支給に要した費用の額は、法第四十三条第三項、第四十四条第六項、第四十五条第六項、第五十五条第三項、第五十六条第六項又は第五十七条第六項の規定に基づく条例による措置が講ぜられないものとして算定するものとする。
(都道府県の介護給付費に対する負担金の額)
第二条 法第百二十三条第一項の規定により、毎年度都道府県が市町村に対して負担する額は、各市町村につき、当該年度における前条第一項各号に掲げる額の合算額の百分の十二・五に相当する額とする。
2 前条第二項の規定は、前項の規定により都道府県が市町村に対して負担する額の算定について準用する。
(市町村の一般会計における介護給付費に対する負担金の額)
第三条 法第百二十四条第一項の規定により、毎年度市町村が一般会計において負担する額は、当該市町村につき、当該年度における第一条第一項各号に掲げる額の合算額の百分の十二・五に相当する額とする。
2 第一条第二項の規定は、前項の規定により市町村が一般会計において負担する額の算定について準用する。
(介護給付費交付金の額)
第四条 法第百二十五条第一項の規定により、毎年度同項に規定する社会保険診療報酬支払基金が市町村に対して交付する介護給付費交付金の額は、各市町村につき、当該年度における第一条第一項各号に掲げる額の合算額に法第百二十五条第二項に規定する第二号被保険者負担率を乗じて得た額とする。
2 第一条第二項の規定は、前項の規定により社会保険診療報酬支払基金が市町村に対して交付する介護給付費交付金の額の算定について準用する。
(平成十二年度から平成十四年度までの第二号被保険者負担率)
第五条 平成十二年度から平成十四年度までの法第百二十五条第二項に規定する第二号被保険者負担率は、百分の三十三とする。
(財政安定化基金による交付事業)
第六条 法第百四十七条第一項第一号に掲げる事業に係る交付金(以下「基金事業交付金」という。)の交付は、事業運営期間(同条第二項第一号に規定する事業運営期間をいう。以下同じ。)の最終年度において行うものとする。
2 前項の基金事業交付金の額は、各市町村につき、第一号に掲げる額(当該額が第三号に掲げる額を超えるときは、第三号に掲げる額とする。)の二分の一に相当する額とする。ただし、実績保険料収納額(法第百四十七条第二項第二号に規定する実績保険料収納額をいう。以下同じ。)が保険料収納下限額に不足すると見込まれる市町村(災害その他特別の事情により実績保険料収納額が保険料収納下限額に不足すると見込まれる市町村を除く。次条第四項第二号において同じ。)については、第二号に掲げる額(当該額が第三号に掲げる額を上回るときは、第三号に掲げる額とする。)の二分の一に相当する額とする。
3 前項の保険料収納下限額(以下「保険料収納下限額」という。)は、各市町村につき、事業運営期間における保険料収納必要額(介護保険法施行令(平成十年政令第四百十二号。以下「令」という。)第三十八条第三項に規定する保険料収納必要額をいう。以下同じ。)に当該市町村の基金事業対象比率を乗じて得た額に、各市町村の第一号被保険者の数等の区分に応じて厚生省令で定める率を乗じて得た額とする。
4 前項の基金事業対象比率(以下「基金事業対象比率」という。)は、各市町村につき、第一号に掲げる額を第二号に掲げる額で除して得た率とする。
5 都道府県は、基金事業交付金の交付を受ける市町村が予定保険料収納率(令第三十八条第四項に規定する予定保険料収納率をいう。次条第五項において同じ。)を不当に過大に見込んだことにより、第二項の規定により算定される基金事業交付金の額が不当に過大となると認められる場合その他必要と認められるときは、当該市町村に対する基金事業交付金の額を減額し、又は交付しないこととすることができる。
(財政安定化基金による貸付事業)
第七条 法第百四十七条第一項第二号に掲げる事業に係る貸付金(以下「基金事業貸付金」という。)の貸付けは、事業運営期間の各年度(最終年度を除く。)においては単年度基金事業対象収入額が単年度基金事業対象費用額に不足すると見込まれる市町村に対し、事業運営期間の最終年度においては基金事業対象収入額が基金事業対象費用額に不足すると見込まれる市町村に対し、それぞれ行うものとする。
2 前項の単年度基金事業対象収入額(以下「単年度基金事業対象収入額」という。)は、各市町村につき、事業運営期間の各年度において収納した保険料の総額に当該市町村の基金事業対象比率を乗じて得た額、法第百二十一条、第百二十三条及び第百二十四条の規定による負担金の額、法第百二十二条の規定による調整交付金の額、法第百二十五条の規定による介護給付費交付金の額、法第百二十七条及び第百二十八条の規定による補助金のうち標準給付費額に充てるべきものとして厚生省令で定めるところにより算定した額並びに当該年度前の年度において生じた決算上の剰余金のうち標準給付費額に充てるべきものとして厚生省令で定めるところにより算定した額の合算額とする。
3 第一項の単年度基金事業対象費用額(以下「単年度基金事業対象費用額」という。)は、各市町村につき、事業運営期間の各年度における標準給付費額、財政安定化基金拠出金の納付に要する費用の額及び基金事業借入金の償還に要する費用の額の合算額とする。
4 第一項の基金事業貸付金の額は、各市町村につき、次の各号の区分に応じそれぞれ当該各号に定める額に1.1を乗じて得た額を限度とする。
ロ 当該事業運営期間における基金事業借入金(最終年度に係るものを除く。)及び基金事業交付金の額
ハ 当該事業運営期間における保険料収納下限額から実績保険料収納額を控除して得た額の見込額
5 都道府県は、基金事業貸付金の貸付けを受ける市町村が保険料収納必要額を不当に過少に見込んだこと又は予定保険料収納率を不当に過大に見込んだことにより、前項の規定により算定される基金事業貸付金の額が不当に過大となると認められる場合その他必要と認めるときは、当該市町村に対する基金事業貸付金の額を減額し、又は貸し付けないこととすることができる。
6 基金事業貸付金の据置期間は当該貸付けを受けた事業運営期間の最終年度の末日までとし、償還期限は当該事業運営期間の次の事業運営期間の最終年度の末日とする。
7 基金事業貸付金は、償還期限までの間は無利子とする。
(予定保険料収納額の算定方法)
第八条 予定保険料収納額は、各市町村につき、事業運営期間における保険料収納必要額に当該市町村の基金事業対象比率を乗じて得た額とする。
(実績保険料収納額の算定方法)
第九条 実績保険料収納額は、各市町村につき、事業運営期間において収納した保険料の総額の合算額に当該市町村の基金事業対象比率を乗じて得た額とする。
(基金事業対象収入額の算定方法)
第十条 基金事業対象収入額は、各市町村につき、事業運営期間における実績保険料収納額の総額、法第百二十一条、第百二十三条及び第百二十四条の規定による負担金の総額、法第百二十二条の規定による調整交付金の総額、法第百二十五条の規定による介護給付費交付金の総額、法第百二十七条及び第百二十八条の規定による補助金のうち標準給付費額に充てるべきものとして厚生省令で定めるところにより算定した額の総額並びに当該事業運営期間(以下この条において「現事業運営期間」という。)の前の事業運営期間において生じた決算上の剰余金であって現事業運営期間に繰り越されたもののうち標準給付費額に充てるべきものとして厚生省令で定めるところにより算定した額の合算額とする。
(基金事業対象費用額の算定方法)
第十一条 基金事業対象費用額は、各市町村につき、事業運営期間における標準給付費額の総額、財政安定化基金拠出金の納付に要する費用の総額及び基金事業借入金の償還に要する費用の総額の合算額とする。
(財政安定化基金拠出金の額の算定方法等)
第十二条 法第百四十七条第三項の規定により、事業運営期間において都道府県が市町村から徴収する財政安定化基金拠出金(以下この条において「拠出金」という。)の額は、各市町村につき、第一号に掲げる額に第二号に掲げる率を乗じて得た額とする。
2 前項の拠出金の額のうち事業運営期間の各年度において市町村が納付する額(以下この条において「拠出金年度納付額」という。)については、事業運営期間の初年度(以下この条において「初年度」という。)における拠出金年度納付額は、各市町村につき、当該市町村の拠出金の額の三分の一に相当する額以上の額とし、初年度及び初年度の次の年度(以下この条において「次年度」という。)における拠出金年度納付額の合算額は、各市町村につき、当該市町村の拠出金の額の三分の二に相当する額以上の額とする。
3 第一項第一号の財政安定化基金拠出率は、当該事業運営期間におけるすべての都道府県の財政安定化基金に係る基金事業交付金の見込額及び基金事業貸付金の見込額の総額の合算額から基金事業借入金の償還見込額の総額を控除して得た額の合算額の三分の一に相当する額を、当該事業運営期間におけるすべての市町村の標準給付費額の見込額の総額の合算額で除して得た数等を勘案して、三年ごとに、厚生大臣が定める率とする。
4 法第百四十七条第五項の規定により、事業運営期間において都道府県が財政安定化基金に繰り入れる額は、第一項第一号に掲げる額に三を乗じて得た額とする。
5 前項の額のうち事業運営期間の各年度において都道府県が財政安定化基金に繰り入れる額から当該年度における拠出金年度納付額の総額及び当該年度における第七項に規定する国庫年度負担額の合算額を控除して得た額(以下この条において「都道府県年度負担額」という。)については、初年度における都道府県年度負担額は第一項第一号に掲げる額以上の額とし、初年度及び次年度における都道府県年度負担額の合算額は第一項第一号に掲げる額に二を乗じて得た額以上の額とする。
6 法第百四十七条第六項の規定により国が負担する額は、第一項第一号に掲げる額に相当する額とする。
7 前項の額のうち事業運営期間の各年度において国が負担する額(以下この条において「国庫年度負担額」という。)については、初年度における国庫年度負担額は第一項第一号に掲げる額の三分の一に相当する額以上の額とし、初年度及び次年度における国庫年度負担額の合算額は第一項第一号に掲げる額の三分の二に相当する額以上の額とする。
(市町村相互財政安定化事業を行う市町村に係る読替え)
第十三条 法第百四十八条第一項の規定に基づき市町村相互財政安定化事業を行う市町村について第六条から前条までの規定を適用する場合においては、第六条第三項中「第三十八条第三項」とあるのは「第三十八条第七項の規定により読み替えて適用する同条第三項」と、同条第四項第一号中「並びに基金事業借入金(法第百四十七条第二項第一号に規定する基金事業借入金をいう。以下同じ。)の償還に要する費用の額」とあるのは「、基金事業借入金(法第百四十七条第二項第一号に規定する基金事業借入金をいう。以下同じ。)の償還に要する費用の額並びに市町村相互財政安定化事業(法第百四十八条第一項に規定する市町村相互財政安定化事業をいう。次条から第十一条までにおいて同じ。)により負担する費用の額」と、「令第三十八条第三項第二号」とあるのは「令第三十八条第七項の規定により読み替えて適用する同条第三項第二号」と、同条第五項中「令第三十八条第四項」とあるのは「令第三十八条第七項の規定により読み替えて適用する同条第四項」と、第七条第二項中「保険料の総額」とあるのは「保険料の総額及び市町村相互財政安定化事業により交付された額の合算額」と、同条第三項中「及び基金事業借入金の償還に要する費用の額」とあるのは「、基金事業借入金の償還に要する費用の額及び市町村相互財政安定化事業により負担する額」と、第十条中「実績保険料収納額の総額」とあるのは「実績保険料収納額の総額及び市町村相互財政安定化事業により交付された額の総額」と、第十一条中「及び基金事業借入金の償還に要する費用の総額」とあるのは「、基金事業借入金の償還に要する費用の総額及び市町村相互財政安定化事業により負担する額の総額」とする。
(条例への委任)
第十四条 第六条から前条までに規定するもののほか、財政安定化基金の運営に関し必要な事項は、都道府県の条例で定める。
(法第百四十八条に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額の算定方法)
第十五条 法第百四十八条第一項に規定する政令で定めるところにより算定した介護給付及び予防給付に要する費用の額は、第一条第二項の規定の例により算定するものとする。
(市町村相互財政安定化事業の調整方法)
第十六条 法第百四十八条第一項に規定する市町村相互財政安定化事業は、事業実施期間(同条第二項に規定する事業実施期間をいう。以下同じ。)において、各特定市町村(同項に規定する特定市町村をいう。以下同じ。)につき、第一号に掲げる額が第二号に掲げる額を上回る場合にあっては第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除して得た額を基準として規約(同条第三項の規約をいう。以下同じ。)で定めるところにより算定した額を負担し、第一号に掲げる額が第二号に掲げる額を下回る場合にあっては第二号に掲げる額から第一号に掲げる額を控除して得た額を基準として規約で定めるところにより算定した額を交付することにより行うものとする。
(調整保険料率の算定方法)
第十七条 事業実施期間における調整保険料率に係る法第百四十八条第二項に規定する政令で定める基準は、事業実施期間ごとに、第一号に掲げる額を第二号に掲げる数で除して得た額を標準として規約で定める額とする。
(医療保険者が合併、分割又は解散をした場合における納付金の額の算定の特例に係る老人保健法施行令 の準用)
第十八条 老人保健法施行令(昭和五十七年政令第二百九十三号)第七条の規定は、医療保険者が合併、分割又は解散をした場合における法第百五十四条に規定する介護給付費納付金の額の算定の特例について準用する。この場合において、同令第七条中「保険者」とあるのは「医療保険者」と、「拠出金の額は、」とあるのは「介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百五十一条の規定による納付金(以下「納付金」という。)の額は、」と、「合併等年度の拠出金」とあるのは「合併等年度の納付金」と、「の医療費拠出金」とあるのは「の納付金」と、「法第五十四条ただし書」とあるのは「介護保険法第百五十一条ただし書」と、「概算医療費拠出金」とあるのは「概算介護給付費納付金」と、「確定医療費拠出金」とあるのは「確定介護給付費納付金」と読み替えるものとする。
(納付金等の徴収の請求)
第十九条 法第百五十六条第三項の規定による法第百五十条第一項に規定する納付金及び法第百五十七条に規定する延滞金の徴収の請求は、当該医療保険者の主たる事務所の所在地の都道府県知事に対して行うものとする。ただし、厚生大臣の指定する医療保険者に係る当該請求は、厚生大臣に対して行うものとする。
附 則