事 務 連 絡
各都道府県介護保険担当課(室)長 殿
基本食事サービス費について
標記については、指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年2月10日厚生省告示第21号)においてその算定について示したところであるが、その趣旨及び内容は下記の通りであるので、御了知の上、管下市町村、関係団体、関係機関等にその周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないようにされたい。
1.一般的事項
(1)食事の提供について
食事は、施設介護の一環として提供されるべきものであり、栄養並びに入所者又は入院患者(以下、「入所者等」という。)の心身の状態、病状及び嗜好を考慮したものとするとともに、適切な時間に行われなければならない。
また、入所者等の自立の支援に配慮し、できるだけ離床して食堂で行われるよう努めなければならない。
(2)食事の提供に関する業務の委託について
食事の提供に関する業務は介護保険施設自らが行うことが望ましいが、栄養管理、調理管理、材料管理、施設等管理、業務管理、衛生管理、労働衛生管理について施設自らが行う等、当該施設の管理者が業務遂行上必要な注意を果たし得るような体制と契約内容により、食事サービスの質が確保される場合には、当該施設の最終的責任の下で第三者に委託することができることとする。
2.基本食事サービス費に係る事項
(1)管理栄養士について
管理栄養士については、当該施設に常勤で配置されていること。
(2)適時の食事の提供について
適時の食事の提供に関しては、実際に入所者等に食堂で夕食が配膳される時間が午後6時以降であること。
また、居室又は病室で夕食が配膳される場合においても午後6時以降であること。
(3)適温の食事の提供について
ア 適温の食事の提供に関しては、食堂に隣接した厨房における調理又は保温庫等の使用によって、食堂において食事が提供されていること。食堂において食事が提供されない場合にあっては、保温・保冷配膳車、保冷配膳車、保温トレイ、保温食器のいずれかを用いることにより、入所者等全員に適温の食事を提供する体制が整っていること。
なお、厨房内の専用エレベーターが各階の配膳室に直結し配膳室に隣接した食堂に迅速に配膳する体制が採られている場合も食堂における適温の食事の提供とみなされること。
イ 食堂への移動が困難である等の理由により恒常的に居室又は病室での食事の提供が必要な入所者等に対しては、保温・保冷配膳車、保冷配膳車、保温トレイ、保温食器のいずれかを用いて食事が提供されていること。なお、入所者等の心身の状況等による一時的な居室又は病室での食事の提供については、この限りでないこと。
電子レンジ等で一度冷えた食事を温めた場合は含まれないこと。ただし、クックチル、クックフリーズ又は真空調理(真空パック)法により料理を行う過程において急速冷却し、提供する際に再度加熱する場合は、電子レンジ等で一度冷えた食事を温めた場合にはあたらないこと。
エ 保温食器は名称・材質の如何を問わず、保温機能を有する食器であれば差し支えないこと。
3.特別食の提供に係る事項
(1)特別食の加算について
特別食の加算については、入所者等の病状等に応じて、主治の医師より入所者に対し疾患治療の直接手段として発行された食事せんに基づき、厚生大臣が定める者等(平成12年2月10日厚生省告示23号)に示された特別食が提供された場合に算定すること。なお、当該加算を行う場合は、特別食の献立表が作成されている必要があること。
(2)加算の対象となる特別食について
加算の対象となる特別食は、疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事せんに基づいて提供される入所者等の年齢、病状等に対応した栄養量及び内容を有する治療食(腎臓食、肝臓食、糖尿食、胃潰瘍食(流動食(経管栄養のための濃厚流動食は除く)は除く)、貧血食、膵臓食、高脂血症食、痛風食)、経管栄養のための濃厚流動食及び特別な場合の検査食をいうものであること。
減塩食療法等について
心臓疾患等に対して減塩食療法を行う場合は、腎臓食に準じて取り扱うことができるものであるが、高血圧症に対して減塩食療法を行う場合は、加算の対象とはならないこと。
また、腎臓食に準じて取り扱うことができる心臓疾患等の減塩食については、総量7.0g以下の減塩食をいうこと。
肝臓食について
肝臓食とは、肝庇護食、肝炎食、肝硬変食、閉鎖性黄疸食(胆石症及び胆嚢炎による閉鎖性黄疸の場合を含む。)等をいうこと。
胃潰瘍食について
十二指腸潰瘍の場合も胃潰瘍食として取り扱って差し支えないこと。手術前後に与える高カロリー食は加算の対象としないが、侵襲の大きな消化管手術の術後において胃潰瘍食に準ずる食事を提供する場合は、特別食の加算が認めら
れること。また、クローン病、潰瘍性大腸炎等により腸管の機能が低下している入所者等に対する低残さ食については、特別食として取り扱って差し支えないこと。
高度肥満症に対する食事療法について
高度肥満症(肥満度が+70%以上又はBMIが35以上)に対して食事療法を行う場合は、高脂血症食に準じて取り扱うことができること。
経管栄養のための濃厚流動食について
経管栄養のための濃厚流動食は各栄養素の質的構成に十分考慮が払われているとともに、1グラム(1mlと読みかえてもよい)につき1キロカロリー程度の熱量を有するものであること。
特別な場合の検査食について
特別な場合の検査食とは、潜血食をいう他、大腸X線検査・大腸内視鏡検査のために特に残さの少ない調理済食品を使用した場合は、「特別な場合の検査食」として取り扱って差し支えないこと。
高脂血症食の対象となる入所者等について
特別食として提供される高脂血症食の対象となる入所者等は、空腹時定常状態における血清総コレステロール値が220mg/dl以上である者又は血清中性脂肪値が150mg/dl以上である者であること。
貧血食の対象者となる入所者等について
特別食として提供される貧血食の対象となる入所者等は、血中ヘモグロビン濃度が10g/dl以下であり、その原因が鉄分の欠乏に由来する者であること。