介護保険関係者だけの短編小説(小説じゃあないって!)

第24話  「介護保険制度で見失ったもの」
〜 障害福祉と在宅介護支援センター見失っちゃいました 〜

 きわめてリアルな会話・・・・・・・・・・介護保険ノンフィクション即席小説
 介護保険関係者だけが解る楽屋受けだらけ
 日頃のアフターファイブの出来事を小説風におもしろおかしく書き綴った介護保険関係者のためだけの物語です。
 登場する人物、団体は全て架空のものです。

 無断転載を禁止します。
 誤解を招かぬよう、フォローを入れるか、全文を転載することを条件に、事前承諾をいただければ転載可能です。


いつもの登場人物の紹介
 田中 コンピュータ屋さんと間違われる県職員。実はケースワーカー
 山田 とある介護保険事業所のケアマネージャー(社会福祉士さん)
 鈴木 市役所介護保険課職員
 木村 町役場保健福祉課老人福祉担当職員。実は、かつて企業の人事部に勤務していたこともある。 
 斎藤 老人ホーム職員

今回のゲスト
 なし
 
 作:野本史男 
 平成12年11月16日


〜 序 〜
 今年こそは紅葉がきれいに・・・・と思ったんですが、近くの山々の紅葉はイマイチ・・・・・
 いっそのこと、日光へ行っちゃおう!
 ということで、先週の土日に日光へ行って来ました。
 とてもきれいな輪王寺の紅葉、とてもおいしい日光ゆば、暖まる湯元温泉・・・・・
 徳川家光公350年忌記念展もよかったですよ!
 と、言いながらも、忘れた頃にやってきた「原稿校正」を片手の旅行でした。
 何年ぶりかなあ・・・・日光へ東武鉄道を利用したのは・・・ずいぶん遠いところ、って感じていたけど、浅草から135.5キロ、1時間30分ちょっと。わずか1350円+1420円(乗車券+特急券)で行けるんだものね。
 それに比べてJRは高いなあ・・・・運賃誤表示が原因じゃあないでしょうけど・・・・
 ところで、河口湖の紅葉ライトアップは綺麗なんでしょうか?今週中が一番いいらしいですね。ライトアップは23日頃までとのことですが・・・・
 さて、秋と言えば予算の時期
 市町村の予算担当の悩みを聞いください・・・・


〜 来年の話は鬼が笑う 〜
田中 来年度予算の進捗状況はどうですか?

木村 いやあ、執行見込みが正確か?今年の補助金がきちんと出るのか?って言われてね。

田中 そりゃあ、見込み辛い部分だけに、苦しい質問ですね。

木村 介護保険制度になってから、窓口も介護保険一色でしょ?一般施策の問い合わせはめっきり少なくなって・・・・

田中 でも、半年過ぎて、少しは落ち着いたでしょ?

木村 だから、落ち着いたら一般施策にも目がいくでしょ?そうすると急に需要が高まって予測が狂ったら・・・・或いはこのままの利用状況が続くのか・・・

田中 う〜ん。難しいところですね。

木村 12年度予算は、本当の予測だったからやりやすかったんですよ。13年度は12年度実績見込みが問われてしまう。

田中 つまり、一般施策は落ち着いたって言ってられないんだね。


〜 身体障害者福祉施策は大丈夫? 〜
木村 そうそう、これまで老人の補助金で対応していた障害ヘルパー、短期入所、訪問入浴サービスとかは、もっと大変だったんですよ。

田中 えっ?どうして?ちゃんと整理していたじゃないですか?

木村 でもさあ、その部分って、初めて障害担当が予算要求するんだから、ヘルパーと短期入所はいいけど、訪問入浴サービスの計上を忘れてしまって・・・年度当初はすったもんだで・・・。

田中 補正したんですか?

木村 しましたよ〜。でもさあ、従前の訪問入浴サービスって、デイサービスの訪問事業とのやりくりがあったでしょ?

田中 話が長くなるぞ、そこにはまったら・・・。

木村 もう少し言わせてくださいよ!
    以前の問答集を見ると、デイサービスの訪問事業は外部委託をしても良いって言っていたし。デイサービスの訪問事業は基準額が定められていただけだから、補助金のはダブル歳入を避けるために訪問入浴サービス部分の総額からデイサービスの訪問事業分を控除した残りを申請することにしていたんですよ。そうしたら、老人デイサービスの訪問事業の部分だけでやりくりできていた訳です。

田中 あ、そうか。木村さんの町は老人デイサービスだけしか無かったから、老人デイサービスの補助金が消えただけで、入浴サービスが無くなってしまったってことですね。

木村 そうなんです。だから、障害で慌てて補正予算要求したんですよ。そうしたらさあ、今年度の障害の補助金は出ないかも・・・って

田中 どうにかならないの?

木村 まさか、県の方も予算要求を忘れていたんじゃないでしょうかね?

田中 県に所要額見込みを計上しなかったのが原因とか言われたの?

木村 直接の担当者じゃないから解らないんですけど・・・・でも前任者として責任感じちゃうなあ・・・・

田中 きちんと確認した方がよいと思うけど・・・・僕も心配になっちゃうなあ・・・・詳細に確認する必要があるなあ・・・・

木村 お願いしますよ〜。歳入欠陥になっちゃったら、担当者の立場が・・・・

田中 う〜ん。とにかく双方から早く確認しましょう。

木村 まさか、厚生省が予算計上をしていないなんてことは無いでしょうねえ?

田中 そんなことになったら、大騒ぎになるはずだけど・・・・・

木村 そうですよねえ。来年度の予算要求にも影響しちゃうから、早くチェックしないと・・・・


〜 在宅介護支援センターの今後は? 〜
木村 ところで、在宅介護支援センターは今後どうなるんでしょうかねえ?

田中 う〜ん。事業としては自立者中心になるわけだから・・・・自立者のケアマネとか、実態把握とかが中心になっていくわけだけど・・・・

木村 それで、介護支援センターの職員って、けっこうケアマネが多いでしょ?厳しくチェックしたら、委託料払えなくならないかなって・・・・

田中 だって、基幹型の場合は、地域型との兼務は認めているけど、ケアマネとの兼務は許されていないでしょ?地域型の場合は専任常勤を条件にして委託契約していたら、ケアマネを兼務した段階で変更契約しなければ、契約違反ってことになるから・・・・まさかそこで不正するとは思えないけど?

木村 介護保険のレセプトチェックしないと解らないけど、もしそうだったら、対応が難しくなっちゃうなあ・・・・

田中 契約は契約でしょ?

木村 でも・・・・専任常勤と委託契約に書いていない・・・・場合は・・・・・?

田中 そうなるとトラブっちゃうね。

木村 地域型が出来る前の従前の額で引き続き契約していたら、専任でっていうことが前提でしょ?

田中 でも、国の要綱に基づくことが前提となっている場合は、額をもって専任を条件としていたというのはちょっと苦しいかも・・・・

木村 それじゃあ、契約をやめることは?

田中 でもさあ、国庫補助で施設整備をしていたら、目的外使用を認める方が難しいんじゃないの?

木村 そうかあ・・・・まあ、それはそれとして、今後介護支援センターはどうなるんでしょうかねえ?

田中 介護支援センターが具体的にどのような業務を行っているのか、要綱どおりの業務や活動をやっているのか?ということを説明していかなければ、基幹型を中心に人口規模とかで基準の見直しをされることも十分予測できるから、市町村の実態把握が要になるだろうね。

木村 がんばりますよ。人件費だけに、そう簡単に変更できないし、委託内容の把握は当然の仕事だから・・・・・

田中 がんばっていきましょう!それと、障害のケアマネとの関係も気をつけて整理していかなければね。

木村 そうですね。


新しいフレームを開いてトップに戻る   同一フレーム上でトップに戻る 
フレームを開いていないときは、左側をクリックしてください