介護保険関係者だけの短編小説(小説じゃあないって!)
第29話 「事業所指導で思うこと」
〜 今回はエッセイでお伝えします 〜
きわめてリアルな会話・・・・・・・・・・介護保険ノンフィクション即席小説
介護保険関係者だけが解る楽屋受けだらけ
日頃のアフターファイブの出来事を小説風におもしろおかしく書き綴った介護保険関係者のためだけの物語です。
登場する人物、団体は全て架空のものです。
今回は、転載や引用を全面禁止します。
作:野本史男
平成13年10月14日
〜 序 〜
介護保険がスタートして1年半。
いろいろな課題が解決されないまま実施されています。
具体的な事例を出すことはできませんが、一般化した情報で事業所等の関係職員の方々にお伝えしないといけないと思って・・・思い切ってキーボードをたたき始めました。
ちょっと脚色が入っていますが、(反面、問題を小さく言っているのもありますが)自己点検のために、と思って書いたものです。
まあ、火のないところに煙は立たない・・・という程度に思って読んでみてください。
〜 老人福祉法指導監査等との連携上の課題 〜
介護保険法に定める指定介護老人福祉施設は、老人福祉法に基づく特別養護老人ホームの顔も持っている。
従って、指導・監査については、介護保険法と老人福祉法の双方から実施される。
しかし、私が法令を調べた限りであるものの、意外なことが判ったのである。
それは何かといえば、指導・監査において知り得た情報を介護保険法と老人福祉法間で情報交換することができないのである。
もちろん情報公開は、老発第479号 別添1 「介護保険施設等指導指針」に示すように、積極的情報公開が求められている。しかし、ここで問題と認識したいのは、中核市の場合別々の組織(都道府県と中核市)が介護老人福祉施設に対して同一日に指導・監査を行ったときの問題である。
まず、平成12年5月12日付け「老発 第479号」は、「指定都市及び中核市は、老人福祉法上、特別養護老人ホームに対する指導監査の権限を有していることから、老人福祉法による権限行使に当たっては、指定介護老人福祉施設に対する都道府県の指導監査と十分な連携を図って実施に努められたい。」としている。この連携とは何を意味しているのであろうか。
注:老人福祉法 第三十四条が定める中核市の取り扱いは、老人福祉法施行令 第七条第2項によって、地方自治法施行令 第百七十四条の四十九の十 に掲げる業務と定めている。なお地方自治法施行令では、中核市が設置する特別養護老人ホームに限り、老人福祉法第18条第2項の施設サービス指導監査は、都道府県が実施することとしている。 |
ひとことで言えば、指導等の事務的な連携を指しているのである。
具体例を示すと、共通項目となる事前提出資料は、介護保険法と老人福祉法で共通する部分を同一書式としたり、同一日に指導等を行う方法である。
しかし、連携を図るために同一日に実施した場合、ヒアリングの場面で共通項目部分は各法の指導担当者が同席し、同一項目についてヒアリングしない限り、同一日の指導・監査であるにも関わらず、各法が全く異なった講評してしまう可能性があるのだ。
なぜこのような問題が発生する可能性があるか、もう少し説明を加えよう。
例えば、いささか極端な例であるが、別々の機関が同一日に指導・監査を実施した時、介護保険法の指導結果を老人福祉法側が確認もせず、そのまま老人福祉法の指導、講評項目とすることができるであろうか?
もう一つ、介護保険法で発見した問題を介護保険法の担当者から老人福祉法の担当者へ情報提供することはできるであろうか。これが個人情報を含んでいてもよいのであろうか。
何れの場合であっても、法を越えた情報提供は、当該法に規定のないと、目的外使用、個人情報の保護に反する行為に当たる可能性が高いということである。
いろいろと法令を読み返してみたのであるが、これを許す規定を確認できなかった。唯一確認ができたのは、介護保険法
第百条第3項に「介護老人保健施設に指導を行った保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、当該介護老人保健施設につき処分が行われる必要があると認めるときは、理由を付して、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。」(要約)と定められているだけである。もし、それが事実であれば、介護保険法若しくは老人福祉法に基づく指導等において知り得た情報を老人福祉法の指導監査に使用することを認める規定が必要となっているのではなかろうか。
一方、中核市等以外の場合はどうであろうか。都道府県という単位で指導するのであれば、同一担当部署で一人の担当者が複数の法を担当している場合は問題ない。しかし、法の指導担当組織が異なる場合は、中核市の問題と同様な問題が発生することになるのだ。
このような問題を解決しないまま漫然と指導を実施した場合は、どのような問題が発生するのであろうか。
誰が見てもすぐに指導対象となる問題以外は、各法がバラバラな指導をするであろう。また、事務的な連携も図らない場合は、類似事項を、複数の書式に記入させるといった事業所泣かせを強いることになろう。
早期に法解釈を整理し、必要な法改正或いは自治体の情報公開、個人情報保護等の条例審議等の検討をすべきではないだろうか。
〜 言いたくないことば 〜
介護保険法の指導をしていると、こんなこと言わせないで!と思う事柄がある。
集団指導で、事業所の種類別或いは、訪問・通所・入所の3グループの個別で開催するとかして、基本的なことを伝達しておかなかったツケと感じています。(本音)
まあ、一言でいえば当然と思われる部分が意外と漏れていること。基準で義務づけられている項目が業務上のルーチンに組み込まれていないといったことである。
ここで改めて基本的な部分だけ事例をあげるので、ちょっと自己チェックしてみてください。
(ここに記載した内容は、印象深かった内容だけです。追加することがあれば、別のコーナーでまとめ書きします)
1 サービス担当者会議が行われていない
介護支援専門員が課題分析を行い、サービス計画を作成するのは当然であるが、その後、サービス担当者会議の開催について、胸を張って「実施しておりません」と言われることである。また、よく聞く言葉は、「個別に事業所と電話で受け入れ調整しています。」である。この言葉を聞くと、残念で仕方がない。サービス担当者会議は何を目的で実施するのか?という部分が理解されていないのである。
サービス担当者会議は、受け入れ調整を行うためだけに行うというのであろうか。居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるのが基本ではなかったのであろうか。さらに、介護支援専門員は、効果的かつ実現可能な質の高い居宅サービス計画とするため、各サービスが共通の目標の達成のため、具体的なサービスの内容として何ができるかなどについて居宅サービス計画原案に位置づけた指定居宅サービス等の担当者からなるサービス担当者会議の開催又は当該担当者への照会等により、専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要である。なお、介護支援専門員は、利用者の状態を分析し、複数職種間で直接に意見調整を行う必要の有無について十分見極める必要があるものである。
多忙であることは十分理解しているつもりである。しかし、1回も会議を行っていない事業所には、文書指導をせざるを得ないのである。
2 要介護度が変化しても課題分析をしていない
課題分析は、コンピュータを使わなければならないということはない。ベテラン介護支援専門員であれば、頭で分析を行うことを疑うつもりはない。しかし、実施した記録がないのである。
ヒアリングの中では、笑いながら「だって、状態が変化していないのに要介護度だけが変化しているんだから・・・・・」という御仁もいる。法の根幹を揺るがす一言である。と机上の子役人的な発言をするつもりはない。こちらとしては、せめて課題分析手法に基づき検討した結果、現行と変化していないと認める旨の記録をしてほしい。とお願いするのである。
つまり、私が求めているのは、手段を求めているのではない。プロとしての判断を記録に残してほしいのである。
3 サービス事業所へ課題分析の内容が伝わっていない。
事業所へ課題分析の内容が伝わっていないのである。事業所にサービスの受け入れ当初から伝えていない問題事業所も希にあるが、比較的多いのは、サービス計画に変化が生じた時点で見直された内容が伝わっていないといった事例である。事業所も「訪問介護計画」等を作成(変更)しなければならないということを理解してほしいのである。
驚いた一言は、サービス事業所からの一言である。「とにかく○○さんのところに月曜日に2時間行けばいいから。」という指示があっただけである。
たしかに、居宅介護支援事業所からサービス事業所に課題分析の情報を提供しなければならない。という規定はない。本来は、サービス担当者会議で伝達される項目である。
しかし、サービス担当者会議が疎かな状況であれば、課題分析の情報が提供されていないということである。受け入れ調整の際に指示された内容のサービスを漫然と続けていけということか、はたまた訪問介護等の事業所にサービスを一任しているとでもいうことなのか?
4 自分の法人内にサービスを偏らせている
厚生労働省の通知に、しつこいくらい書かれている内容である。しかし、介護保険デパート(あえてこういう)法人の場合、自己のサービス事業所だけに終始したプランを作らないでほしい。たしかに、自分の法人内に限ったサービスが100%の事業所はないものの、90%を越える比率で自己法人内サービスに偏重している事業所が存在している。
偏るという概念に指導対象となる境界線の数値はまだ決められていない。しかし、基本的な事項であるため、他の事業所活用について、更にはえこひいきの無いよう努力していただきたいところだ。
あえて言わせてもらえれば、法人は一つという考え方はやめてもらいたいのである。事業所としてそれぞれの看板を持っているのである。自分の事業所のためのケアマネではない。公平中立の立場を改めて自覚してほしいと思っている。
抽象的な表現になってしまったが、一言で言えば、法人内の他のサービスで発生した問題の小間使い的な役回りはやめるべきである。このとき私が質問する言葉は、「他の法人事業所から同様な依頼があっても、同様な処理をしたり、行動するのですか?」である。
5 問題が多い契約
お願いだから、契約書に甲又を特定する者の氏名記載、契約開始日の記入等の記載漏れはなくしてもらいたい。
契約書に記載した上で説明し、理解が得られた上で最後の署名捺印が行われるのが通常ではないのだろうか。このような契約書では、様式の説明を行っただけであり、当事者としての説明を行ったもの(契約書)とは言えないのではなかろうか。
このような契約書を見ると、忘れたとか、ミスポカのレベルではなく、本当に契約しているんですか?と疑いたくなるのですが・・・。
また、守秘義務項目で、別に同意を得ることとしている契約書であるにも関わらず、その同意を取っていないなど、詰めの甘さが目立っている。
なお、文書であることは契約書に記載のない限り制限はないが、どのようにして同意を取ってあるか説明できるようにしてもらいたいところである。
厚生省が示した主治医意見書の開示について市町村が得る同意は、ほぼ白紙委任状的に取っているのだから、という御仁もあろうが、少なくとも、契約書或いは別紙で同意済みであることを記載してもらいたいのである。
多忙ということは十分理解できるが、自己が規定した書面に記載した内容であれば、最後まできちんと行ってもらいたいものである。
6 意思決定者はだれ?
事業所によっては、詳細な資料や記録を記載している嬉しい事業所もある。しかし、記載した担当者はいいとしても、管理者としてどのような判断を行ったのか。ちゃんと読んでいるのかということになると、とたんに暗雲が垂れ込めてしまう。
行政機関のような決裁課程を得ることまで求めている訳ではない。管理者がOKしたという事実は少なくとも残してほしいのである。
7 申込者全員を受け入れているのですか?
ほとんどのサービス事業所では受け入れ調整会議等を開いています。
しかし、受け入れ調整上で受け入れできないとした利用者にかかる記録がないのです。資料が無ければ、受け入れ困難となった人はありません。という言葉を信用せざるを得ないのであろう。今までの得た私の情報からでは、とてもこれが事実とは思えないのです。
せめて、相談記録や申し込み者受付簿とかを作って置いてもらいたいところです。
そのとき、是非記録しておいて欲しいんですが、受け入れを断ったのであれば、基準に書かれているように、正当な理由は何か、別の事業所を紹介した経過を記載してください。
ついでに言うと、解釈にもよりますが、単に事業所一覧を見せただけじゃあダメだと思うんです。目的は、適切にサービスに結びつけることです。もし受け入れが全てダメなら、市町村につなげて、やむを得ない措置も検討してもらうことも必要でしょ?
8 ドタキャンは本当にないのですか
サービス実績をみると、全員の皆さんが予定どおりにサービスをきちんと受けています。キャンセル料は1割と定めている事業所の場合は特に疑いたくなるのです。
疑い深くなってはいけないとは思うのですが、ここの利用者さんは皆さん病気にもならず、いいですねえ。と嫌みの一つでも言いたくなります。
更に、利用者からの印鑑もきれいに向きが変わらず、グラデーションがかかって押してあるのを見ると、不正請求が判ったら、直ちに指定取り消しにしますと、言いたくなるような後味の悪い事業所指導もあるのです。
こんど、通院や入院のレセプトと突き合わせや利用者からの直接確認でもしたいと思うのは、私が猜疑心が強くなってしまったからでしょうか?
9 利用料の算定根拠は
個人が個別に必要な品目であって、選択可能なものが算定されているはずです。しかし、事業所の方から「だって1日○○○円欲しいから・・・」と言われちゃあ返す言葉もない。
少なくとも、シャンプー代という項目が入っていたなら、入浴しなかった日は減額して欲しい。
いずれにしても、品目について、共通で利用するもの以外をきちんと整理して欲しい。いくら欲しいではなく、何にいくら払うのかである。
特に、親族のいない利用者の場合、利用料の徴収には十分気をつけて欲しいんです。
10 記録はきちんと書いて
訪問記録等がきちんと記載されていない。サービス内容のチェックだけで終わらせている記録は、サービス提供計画の評価に役立つのでしょうか。
利用者に決められたサービスをし続けるのではなく、QOLの向上等を介護保険制度全体で図っていくための一つの歯車(事業所)という認識で事業を進めていただきたいのですが、これは高望みなんでしょうか?ケアマネがサービス担当者会議を開かないのが原因でしょうか?
基準にはありませんから強くは言えないけど、標準的記録様式でも示したい気持ちになっちゃうのは、専門職故のことでしょうか?
11 実績が食い違ったままのサービス計画
サービス提供実績が計画と異なったままになっている事業所がほとんどです。
特にサービス量が計画を上回った部分は、償還払いとしていなければならないですよね。
ケアマネの承認が得られているのであれば、その旨の資料が必要ですよ。
12 成年後見制度の問題
過日、ある研修会で、8月30日付日経新聞が紹介されていた。
契約上の介護者が法的に認められないという内容である。新聞の詳細については、著作権法上転載できないが、一言でいえば、契約者が代理人である場合、その代理人は後見人等でなければ無効であるということである。更に事故が発生した場合の損害賠償請求人にもなれない可能性を示している興味深い記事である。
成年後見制度等の手続きは当面・・・というのは、いつまで当面なんだろうか。時効が成立するまでにきちんと後見等の手続きをして、過去にさかのぼって不利益がなかったことを検証してもらえるのであろうか?
13 診断書6枚
複数の事業所を利用すると、それぞれで診断書を要求され、6回健康診断を受けたという話を聞きました。
費用的に大きな負担になるから、やはり介護保険デパートが楽、という結果になってしまいます。
ところで、6回胸部レントゲンを撮ったみたいなんですが、身体に影響ないんでしょうか?知り合いのDr.に聞いたら、絶句していましたが、誰がこれを防止することができるんですか?
診断書の統一は介護保険前から提唱しているんですが、改善できないんですね。
一部のケアマネは、既存の診断書を家族の了解を得て1枚の診断書を上手く活用しています。仕組みに組み込まれることを期待しています。
(ちなみに、厚生労働省は、診断書を取れとは言っていません。しかし、事故が発生しても誰も補償してくれないのが介護保険。それ故診断書を取っている事業所が多いです。)
14 グリコのおまけみたいに実施している送迎サービス
ちなみに、チラシ等で利用者を募集するようなことをしていると、営業扱いになっちゃいますよ。
それと、その車は、ちゃんと任意保険かけているんですか?ちゃんとというのは、普通の自家用自動車保険じゃあダメということ。場合によっては、搭乗者傷害が下りません。
自家用自動車保険が下りたとしても、死亡500万円とかで何が補償できるんですか?裁判で好意同乗であったと認めてくれますか?最悪破産しちゃいますよ。
まあ、この部分は、介護保険で指導するものか否かは別ですが、とても気になるんです。法人であれば法人監査で指導すべきことですが・・・。
15 在宅サービスとの仕切
老人福祉法の居宅サービス関係は、老人福祉法で指導監査することが義務づけられています。
以外と気づかないのは、市町村から在宅介護支援センターの職員を専任として1人分の委託を受けているのであれば、居宅介護支援事業所の職員と兼務はできないでしょ?委託契約違反となっちゃいますよ!
16 おまけ
箇条書きでおまけを書きます。
○ 雇用契約もちゃんと取っていますか?
○ 大変な作業じゃあないのに、なぜ事業所に掲示すべきものを掲示していないんですか?
○ ケースファイルは、事業所毎に作ってくださいね。
○ 会計は、ちゃんと別々にしていますか?確かに事業所コードが一つだと、複数のサービスであっても国保連からの収入は合計額だけになっちゃいます。この問題は問題ですが、ちゃんと会計を分けてください。
○ 通所介護の看護婦の人員は大丈夫ですか?基準をよくご覧ください。減算対象になったら痛いですよ!
〜 とりあえず 〜
とりあえず、一気に印象深い問題点を書き綴ったが、当然私の担当地区だけの問題ではありません。県内の他の地区もありますし、他県からも寄せられた情報もあります。
いずれにしても、どこの事業所?と知りたくなっても教えませんので・・・。
それと変な反響があったら、このページは削除しちゃいますので、あしからず。
以下、おまけの法令、通知の根拠です。
介護保険施設等の指導監査について(通知) | ||||||
介護保険の介護保険施設等に対する指導監査については、介護保険制度の健全かつ適正な運営の確保を図るため、法令等に基づく適正な事業実施に努めさせるとともに、別添1「介護保険施設等指導指針」及び別添2「介護保険施設等監査指針」を参考に指導監査に当たられるようお願いしたい。 なお、介護老人保健施設に対する指導監査の権限を有している指定都市、中核市、保健所設置市及び特別区は、都道府県との十分な連携に努められたい。 また、指定都市及び中核市は、老人福祉法上、特別養護老人ホームに対する指導監査の権限を有していることから、老人福祉法による権限行使に当たっては、指定介護老人福祉施設に対する都道府県の指導監査と十分な連携を図って実施に努められたい。 さらに、本通知による指導監査の実施に関しては、医療保険各法及び老人保健法に基づき地方社会保険事務局及び都道府県が行う指導監査の担当部署や、医療法に基づき都道府県、保健所設置市及び特別区が行う医療監視の担当部署とも連携の上、その円滑かつ効率的な実施に努められたい。 なお、昭和63年6月6日健医老第81号「老人保健法による老人保健施設の指導について」及び平成元年4月20日老企第86号「厚生省が行う老人保健施設実地指導の実施について」は廃止する。 |
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別添1 | ||||||
介護保険施設等指導指針 | ||||||
第1 | 目的 | |||||
この指導指針は、厚生大臣又は都道府県知事(介護老人保健施設にあっては、指定都市市長、中核市市長、保健所設置市市長及び特別区区長を含む。以下同じ。)が、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第5条の規定に基づき、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう、法第24条又は第76条、第83条、第90条、第100条若しくは第112条の規定による質問など及びそれに基づく措置として、居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)若しくは施設サービス(以下「居宅サービス等」という。)を行った者又はこれを使用する者(以下「居宅サービス実施者等」という。)並びに指定居宅サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者又は指定居宅サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従事者であった者(以下「指定居宅サービス事業者等」という。)、指定居宅介護支援事業者若しくは当該指定に係る事業所の従事者又は指定居宅介護事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従事者であった者(以下「指定居宅介護支援事業者等」という。)、指定介護老人福祉施設若しくは指定介護老人福祉施設の開設者若しくはその長その他の従業者又は指定介護老人福祉施設の開設者若しくはその長その他の従業者であった者(以下「指定介護老人福祉施設開設者等」という。)、介護老人保健施設の開設者、介護老人保健施設を管理する者又は医師その他の従業者(以下「介護老人保健施設開設者等」という。)及び指定介護療養型医療施設若しくは指定介護療養型医療施設の開設者若しくは管理者、医師その他の従業者又は指定介護療養型医療施設の開設者若しくは管理者、医師その他の従業者であった者(以下「指定介護療養型医療施設開設者等」という。)に対して行う保険給付及び予防給付(以下「介護給付等」という。)に係る居宅サービス等(以下「介護給付等対象サービス」という。)の内容並びに介護給付等に係る費用(以下「介護報酬」という。)の請求に関する指導について、基本的事項を定めることにより、介護給付等対象サービスの質の確保及び保険給付の適正化を図ることを目的とする。 | ||||||
第2 | 指導方針 | |||||
指導は、居宅サービス実施者等、指定居宅サービス事業者等、指定居宅介護支援事業者等、指定介護老人福祉施設開設者等、介護老人保健施設開設者等及び指定介護療養型医療施設開設者等(以下「サービス事業者等」という。)に対し「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年3月厚生省令第37号)、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年3月厚生省令第38号)、「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年3月厚生省令第39号)、「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年3月厚生省令第40号)、「指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年3月厚生省令第41号)、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年2月厚生省告示第19号)、「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年2月厚生省告示第20号)、「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年2月厚生省告示第21号)、「厚生大臣が定める一単位の単価」(平成12年2月厚生省告示第22号)等に定める介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬の請求等に関する事項について周知徹底させることを方針とする。 | ||||||
第3 | 指導形態等 | |||||
指導の形態は、通常次のとおりとする。 | ||||||
1 | 集団指導 | |||||
集団指導は、都道府県(介護老人保健施設にあっては、指定都市、中核市、保健所設置市及び特別区を含む。以下同じ。)が指導の対象となるサービス事業者等を、必要な指導の内容に応じ、一定の場所に集めて講習等の方法により行う。 | ||||||
2 | 書面指導 | |||||
書面指導は、都道府県が指定の対象となるサービス事業者等から書面の提出を受けた上で、一定の場所で面談方式により行う。 | ||||||
3 | 実地指導 | |||||
実地指導は、厚生省又は都道府県が次の形態により、指導の対象となるサービス事業者等の事業所において実地に行う。 | ||||||
(1) | 都道府県が単独で行うもの(以下「一般指導」という。) | |||||
(2) | 厚生省及び都道府県が合同で行うもの((3)に掲げるものを除く。以下「合同指導」という。) | |||||
(3) | 厚生省及び都道府県が合同で行うものであって、都道府県圏を超え、全国的に影響の大きいと考えられる活動を行うサービス事業者等又は特に重点指導を必要とするサービス事業者等について行うもの(以下「特別合同指導」という。) | |||||
第4 | 指導対象の選定 | |||||
1 | 指導は全てのサービス事業者等を対象とするが、重点的かつ効率的な指導を行う観点から、指導形態に応じて、次の基準に基づいて対象の選定を行う。 | |||||
(1) | 集団指導の選定基準 | |||||
ア | 新たに介護給付等対象サービスを開始したサービス事業者等については、概ね1年以内に全てを対象として実施する。 | |||||
イ | 実地指導及び書面指導の対象外とされたサービス事業者等のうち指導内容に応じて集団を選定して実施する。 | |||||
(2) | 書面指導の選定基準 | |||||
ア | 実地指導の対象外となるサービス事業者等の中から、前年度における実地指導の結果を踏まえ、引き続き実地指導の必要はないが、継続的には指導の必要があるサービス事業者等を選定して実施する。 | |||||
イ | 集団指導の対象となるサービス事業者等であって、前年度一度も集団指導に出席していないサービス事業者等を対象に実施する。 | |||||
(3) | 実地指導の選定基準 | |||||
ア | 一般指導 | |||||
(ア) | サービス事業者等のうち前年度において、集団指導又は書面指導の対象となった指定介護老人福祉施設開設者等、介護老人保健施設開設者等及び指定介護療養型医療施設開設者等を対象に実施する。 | |||||
(イ) | サービス事業者等のうち、前年度及び前々年度において集団指導又は書面指導の対象となった居宅サービス実施者等、指定居宅サービス事業者等及び指定居宅介護支援事業者等を対象に実施する。 | |||||
(ウ) | 市町村(保険者)、国民健康保険団体連合会からの情報提供を受けて、一般指導が必要と認められるサービス事業者等を対象に実施する。 | |||||
(エ) | その他特に都道府県が一般指導が必要と認められるサービス事業者等を対象に実施する。 | |||||
イ | 合同指導 | |||||
(ア) | 複数の都道府県で指定を受けているサービス事業者等を対象に実施する。 | |||||
(イ) | その他特に合同指導が必要と認められるサービス事業者等を対象に実施する。 | |||||
ウ | 特別合同指導 | |||||
(ア) | 全国的に広範囲で活動を行うサービス事業者等を対象に実施する。 | |||||
(イ) | その他特に特別合同指導が必要と認められるサービス事業者等を対象に実施する。 | |||||
第5 | 指導方法等 | |||||
1 | 集団指導 | |||||
(1) | 指導通知 | |||||
都道府県は、指導対象となるサービス事業者等を決定したときは、あらかじめ集団指導の日時、場所、出席者、指導内容等を文書により当該サービス事業者等に通知する。 | ||||||
(2) | 指導方法 | |||||
集団指導は、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬請求の内容、制度改正内容及び過去の指導事例等について講習等の方式で行う。 | ||||||
2 | 書面指導 | |||||
(1) | 指導通知 | |||||
都道府県は、指導対象となるサービス事業者等を決定したときは、あらかじめ書面指導の日時、場所、出席者、提出書類等を文書により当該サービス事業者等に通知する。 | ||||||
(2) | 指導の方法 | |||||
書面指導は、別紙「主眼事項及び着眼点」に基づき、提出書類等を確認しつつ、個別に面談して行う。 | ||||||
(3) | 指導結果の通知等 | |||||
指導の結果については、改善を要すると認められた事項について、後日文書によって指導の通知を行うものとする。 | ||||||
(4) | 改善報告書の提出 | |||||
都道府県は、当該サービス事業者等に対して、文書で指摘した事項にかかる改善報告書の提出を求めるものとする。 | ||||||
3 | 実地指導 | |||||
(1) | 指導通知 | |||||
都道府県は、指導対象となるサービス事業者等を決定したときは、あらかじめ次に掲げる事項を文書により当該サービス事業者等に通知する。 | ||||||
@ 実地指導の根拠規定及び目的 | ||||||
A 実地指導の日時及び場所 | ||||||
B 指導担当者 | ||||||
C 出席者 | ||||||
D 準備すべき書類等 | ||||||
(2) | 指導方法 | |||||
実地指導は、別紙「主眼事項及び着眼点」に基づき、関係書類を閲覧し、関係者からの面談方式で行う。 | ||||||
(3) | 指導結果の通知等 | |||||
実地指導の結果については、改善を要すると認められた事項について、後日文書によって指導内容の通知を行うものとする。 | ||||||
(4) | 改善報告書の提出 | |||||
都道府県は、当該サービス事業者等に対して、文書で指摘した事項にかかる改善報告書の提出を求めるものとする。 | ||||||
第6 | 指導後の措置等 | |||||
1 | 書面指導 | |||||
(1) | 書面指導の結果、特に文書による指導を行う必要がなく、適正な事業運営が確保されていると認められる場合は、翌年度は集団指導の対象とする。 | |||||
(2) | 書面指導において指導した事項について、改善が認められないサービス事業者等については、翌年度の指導に当たっては、実地指導の対象とする。 | |||||
2 | 実地指導 | |||||
実地指導後の措置は、次のとおりとする。 | ||||||
(1) | 実地指導の結果、特に文書による指導を行う必要がなく、適正な事業運営が確保されていると認められる場合は、翌年度は集団指導の対象とする。 | |||||
(2) | 実地指導の結果、文書による軽易な指摘はあるが、概ね適正な事業運営が確保されていると認められる場合は、翌年度は書面指導の対象とする。 | |||||
(3) | 再度の実地指導 | |||||
実地指導の結果、指導した事項について改善が不十分なサービス事業者等については、再度指導を行うことにより改善の見込みが認められる場合には、再度の実地指導を行う。 | ||||||
(4) | 監査 | |||||
実地指導の結果、「介護保険施設等監査指針」に定める選定基準に該当すると判断した場合は、後日、速やかに監査を行う。 なお、実地指導中に、明らかに不正又は著しい不当等が疑われる場合は、実地指導を中止し、直ちに「介護保険施設等監査指針」に定めるところにより監査を行うことができる。 |
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第7 | 指導の拒否への対応 | |||||
1 | 正当な理由がなく書面指導を拒否した場合は、実地指導を行う。 | |||||
2 | 正当な理由がなく実地指導を拒否した場合は、監査を行う。 | |||||
第8 | その他 | |||||
1 | 都道府県は、指導結果の通知及び改善報告書の内容について、そのサービス事業者等の事業活動区域に所在する市町村(保険者)へ情報の提供を行うとともに、出来る限り利用者保護の観点から開示を行う。 | |||||
2 | 都道府県は、指導の実施状況について、別に定めるところにより、厚生省老人保健福祉局企画課に報告を行う。 | |||||
別添2 | ||||
介護保険施設等監査指針 | ||||
第1 | 目的 | |||
この監査指針は、都道府県知事(介護老人保健施設にあっては、指定都市市長、中核市市長、保健所設置市市長及び特別区区長を含む。ただし、第5の1「行政上の措置」を除く。以下同じ。)が、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第24条の規定に基づき、居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)若しくは施設サービス(以下「居宅サービス等」という。)を行った者又はこれを使用する者(以下「居宅サービス実施者等」という。)に対し、並びに都道府県知事が、法第76条、第83条、第90条、第100条及び第112条の規定に基づき、指定居宅サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者又は指定居宅サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下「指定居宅サービス事業者等」という。)、指定居宅介護支援事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者又は指定居宅介護支援事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下「指定居宅介護支援事業者等」という。)、指定介護老人福祉施設若しくは指定介護老人福祉施設の開設者若しくはその長その他の従業者又は指定介護老人福祉施設の開設者若しくはその長その他の従業者であった者(以下「指定介護老人福祉施設開設者等」という。)、介護老人保健施設の開設者、介護老人保健施設を管理する者又は医師その他の従業者(以下「介護老人保健施設開設者等」という。)及び指定介護療養型医療施設若しくは指定介護療養型医療施設の開設者若しくは管理者、医師その他の従業者又は指定介護療養型医療施設の開設者若しくは管理者、医師その他の従業者であった者(以下「指定介護療養型医療施設開設者等」という。)に対して行う保険給付又は予防給付(以下「介護給付等」という。)に係る居宅サービス等(以下「介護給付等対象サービス」という。)の内容並びに介護給付等に係る費用(以下「介護報酬」という。)の請求に関して行う監査に関する基本的事項を定めることにより、介護給付等対象サービスの質の確保及び保険給付の適正化を図ることを目的とする。 | ||||
第2 | 監査方針 | |||
監査は、居宅サービス実施者等、指定居宅サービス事業者等、指定居宅介護支援事業者等、指定介護老人福祉施設開設者等、介護老人保健施設開設者等及び指定介護療養型医療施設開設者等(以下「サービス事業者等」という。)の介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の請求について、不正又は著しい不当が疑われる場合等において、事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置を採ることを主眼とする。 | ||||
第3 | 監査対象となるサービス事業者等の選定基準 | |||
監査は、次のいずれかに該当する場合に行うものとする。 | ||||
1 | 介護給付等対象サービスの内容に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。 | |||
2 | 介護報酬の請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。 | |||
3 | 法第74条、第81条、第88条、第97条又は第110条に規定する基準(以下「指定等の基準」という。)に重大な違反があると疑うに足りる理由があるとき。 | |||
4 | 度重なる一般指導、合同指導及び特別合同指導(「介護保険施設等指導指針」に定める「一般指導、合同指導及び特別合同指導」をいう。以下同じ。)によっても介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の請求に改善がみられないとき。 | |||
5 | 正当な理由がなく一般指導、合同指導及び特別合同指導を拒否したとき。 | |||
第4 | 監査方法等 | |||
1 | 事前調査 | |||
監査担当者は、原則として監査を実施する前に介護給付費請求書による書面調査を行うとともに、必要と認められる場合には、介護給付等を受けた要介護者及び要支援者(以下「要介護者等」という。)等に対する実地調査を行う。 | ||||
2 | 監査実施通知 | |||
都道府県(介護老人保健施設にあっては、指定都市、中核市、保健所設置市及び特別区を含む。以下同じ。)は、監査対象となるサービス事業者等を決定したときは、あらかじめ次に掲げる事項を文書により、当該サービス事業者等に通知する。 | ||||
(1) | 監査の根拠規定 | |||
(2) | 監査の日時及び場所 | |||
(3) | 監査担当者 | |||
(4) | 出席者 | |||
(5) | 準備すべき書類等 | |||
3 | 出席者 | |||
監査に当たっては、監査対象となるサービス事業者等の開設者(又はこれに代わる者)及び管理者の出席を求めるほか、必要に応じて介護給付等対象サービスの担当者、介護報酬請求の担当者又は関係者の出席を求める。 | ||||
4 | 監査調書の作成 | |||
監査担当者は、監査後、監査調書を作成する。 | ||||
第5 | 監査後の措置 | |||
1 | 行政上の措置 | |||
(1) | 内容 | |||
行政上の措置は、法第77条、第84条、第92条及び第114条の規定に基づく指定の取消し、法第101条の規定に基づく設備の使用制限等、法第102条の規定に基づく変更命令、法第103条の規定に基づく業務運営の改善命令等並びに法第104条に規定する許可の取消し(以下「取消処分等」という。)とする。 | ||||
(2) | 聴聞等 | |||
都道府県知事は、監査の結果、当該サービス事業者等が取消処分等に該当すると認められる場合は、監査後、取消処分等の予定者に対して、行政手続法(平成5年法律第88号)の規定に基づき聴聞又は弁明の機会の付与を行わなければならない。 | ||||
(3) | 行政上の措置の通知 | |||
都道府県知事は、取消処分等を行ったときは、当該サービス事業者等に対し措置の種類、根拠規定、その原因となる事実、不服申立に関する事項等について文書により通知を行う。 なお、取消処分等にいたらないと認められる場合には、介護保険施設等指導指針の実地指導に準じた指導を行う。 |
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2 | 経済上の措置 | |||
(1) | 都道府県は、監査の結果、介護給付等サービスの内容又は介護報酬の請求に関し不正又は不当の事実が認められ、これに係る返還金が生じた場合には、保険者に対し、サービス事業者等の名称、返還金額等必要な事項を通知するとともに、当該保険者から国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)に連絡させ、当該サービス事業者等に支払うべき介護報酬からこれを控除させるよう措置する。 これにより難いときは、連合会から当該保険者に連絡するものとし、当該保険者は返還金相当額を当該サービス事業者等から直接、当該保険者に返還させるよう措置する。 |
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(2) | 都道府県は、返還の対象となった介護報酬に係る要介護者等が支払った自己負担額に過払いが生じている場合には、監査対象となったサービス事業者等に対して、当該自己負担額を要介護者等に返還するよう指導する。 また、該当する保険者に対しては、当該要介護者等あてにその旨通知するよう指導する。 |
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(3) | 監査の結果、介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の請求に関し不正又は不当の事実が認められた場合における当該事項に係る返還期間は、原則として5年間とする。 | |||
3 | 行政上の措置の公表等 | |||
都道府県知事は、監査の結果、取消処分等を行ったときは、法78条、第85条、第93条及び第115条の規定に基づき速やかにその旨を公示するとともに、そのサービス事業者等の事業活動区域に所在する市町村(保険者)及び連合会に対し連絡する。 | ||||
第6 | その他 | |||
都道府県は、監査及び行政措置の実施状況について、別に定めるところにより、厚生省老人保健福祉局企画課に報告を行う。 | ||||
老発第481号
平成12年5月12日
都道府県知事
各指定都市市長殿
中核市市長
厚生省老人保健福祉局長
老人福祉施設に係る指導監査について(通知)
老人福祉施設に対する指導監査については、老人福祉制度における健全かつ適正な措置等の実施の確保を図るため、法令等に基づく適正な事業実施に努めさせるとともに、別添「老人福祉施設指導監査指針」を参考に指導監査にあたられるようお願いしたい。 なお、平成9年3月31日老指第81号「老人福祉施設に係る指導監査の実施について」は廃止する。 |
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別添 | 老人福祉施設指導監査指針 | ||||
第1 | 目的 | ||||
この指導監査指針は、都道府県知事が、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第18条の規定に基づき、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームの長(以下「老人福祉施設」という。)に対して行う指導監査に関する基本事項を定めることにより、適正な事業運営及び施設運営を図ることを目的とする。 | |||||
第2 | 指導監査方法等 | ||||
1. | 指導監査は、「一般監査」と「特別監査」とし、別紙「主眼事項及び着眼点」 に基づき、関係書類を閲覧し関係者からのヒアリング方式で行う。 | ||||
(1) | 一般監査 | ||||
一般監査は、原則として毎年1回は、実地に全対象老人福祉施設に対し行うこととする。ただし、前年度における一般監査の結果、適正な運営が概ね確保されていると認められる老人福祉施設等については、書面による一般監査の実施が認められるものとする。 | |||||
(2) | 特別監査 | ||||
特別監査は、次のいずれかに該当する場合に行うものとする。 | |||||
ア. | 事業運営及び施設運営に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。 | ||||
イ. | 最低基準違反があると疑うに足りる理由があるとき。 | ||||
ウ. | 度重なる一般監査によっても是正の改善がみられないとき。 | ||||
エ. | 正当な理由がなく、一般監査を拒否したとき。 | ||||
2. | 指導監査計画等 | ||||
(1) | 一般監査 | ||||
老人福祉施設に対する一般監査の実施に当たっては、監査方針、実施時期及び具体的方法等について実施計画を策定するものとする。 | |||||
(2) | 特別監査 | ||||
不正又は著しい不当、最低基準違反等の問題を有する老人福祉施設を 対象に随時適切に実施するものとする。 | |||||
3. | 指導監査の実施通知 | ||||
都道府県は、指導監査の対象となる老人福祉施設を決定したときは、あ らかじめ次に掲げる事項を文書により、当該老人福祉施設に通知するものとする。 | |||||
(1) | 指導監査の根拠規定 | ||||
(2) | 指導監査の日時及び場所 | ||||
(3) | 監査担当者 | ||||
(4) | 出席者 | ||||
(5) | 準備すべき書類等 | ||||
第3 | 指導監査後の措置 | ||||
1. | 指導監査結果の通知 | ||||
指導監査の結果については、改善を要すると認められた事項について講評を行うものとし、後日文書によって指導の通知を行うものとする。 | |||||
2. | 改善報告書の提出 | ||||
文書で指摘した事項については、改善報告の提出を求めるものとする。 | |||||
3. | 改善命令等 | ||||
上記1の指導監査通知の事項について、改善の措置が講じられない場合は、個々の内容に応じ、老人福祉法第18条の2及び第19条の規定により改善命令等所要の措置を講ずるものとする。 | |||||
第4 | その他 | ||||
都道府県は、指導監査の状況について、別に定めることにより、厚生省老人保健福祉局企画課介護保険指導室に報告を行うものとする。 | |||||
介護保険法
(平成九年十二月十七日 法律第百二十三号)
改正 平成九年五月九日法律第四八号・平成九年六月二四日法律第一〇三号・平成九年一二月一七日法律第一二五号・平成一〇年六月一七日法律第一〇九号
(帳簿書類の提示等)
第二十四条 厚生大臣又は都道府県知事は、介護給付等(居宅介護福祉用具購入費の支給及び居宅介護住宅改修費の支給並びに居宅支援福祉用具購入費の支給及び居宅支援住宅改修費の支給を除く。次項及び第二百八条において同じ。)に関して必要があると認めるときは、居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)若しくは施設サービス(以下「居宅サービス等」という。)を行った者又はこれを使用する者に対し、その行った居宅サービス等に関し、報告若しくは当該居宅サービス等の提供の記録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
2 厚生大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、介護給付等を受けた被保険者又は被保険者であった者に対し、当該介護給付等に係る居宅サービス等(以下「介護給付等対象サービス」という。)の内容に関し、報告を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
3 前二項の規定による質問を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(報告等)
第七十六条 都道府県知事は、居宅介護サービス費の支給又は居宅支援サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、指定居宅サービス事業者若しくは指定居宅サービス事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下この項において「指定居宅サービス事業者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定居宅サービス事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者若しくは指定居宅サービス事業者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定居宅サービス事業者の当該指定に係る事業所について設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
(報告等)
第八十三条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、指定居宅介護支援事業者若しくは指定居宅介護支援事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下この項において「指定居宅介護支援事業者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定居宅介護支援事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者若しくは指定居宅介護支援事業者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定居宅介護支援事業者の当該指定に係る事業所について帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
(報告等)
第九十条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、指定介護老人福祉施設若しくは指定介護老人福祉施設の開設者若しくはその長その他の従業者であった者(以下この項において「開設者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定介護老人福祉施設の開設者若しくはその長その他の従業者若しくは開設者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは指定介護老人福祉施設について設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
(報告等)
第百条 厚生大臣、都道府県知事、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(第三項及び第百五条において「保健所を設置する市」という。)の市長又は特別区の区長は、必要があると認めるときは、介護老人保健施設の開設者、介護老人保健施設を管理する者(以下「介護老人保健施設の管理者」という。)若しくは医師その他の従業者(以下「介護老人保健施設の開設者等」という。)に対し報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、介護老人保健施設の開設者等に対し出頭を求め、又は当該職員に、介護老人保健施設の開設者等に対して質問させ、若しくは介護老人保健施設に立ち入り、その設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は立入検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
3 第一項の規定により、介護老人保健施設の開設者等に対し報告若しくは提出若しくは提示を命じ、若しくは出頭を求め、又は当該職員に介護老人保健施設の開設者等に対し質問させ、若しくは介護老人保健施設に立入検査をさせた保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、当該介護老人保健施設につき次条、第百二条、第百三条第一項又は第百四条第一項の規定による処分が行われる必要があると認めるときは、理由を付して、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。
(報告等)
第百十二条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、指定介護療養型医療施設若しくは指定介護療養型医療施設の開設者若しくは管理者、医師その他の従業者であった者(以下この項において「開設者であった者等」という。)に対し、報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定介護療養型医療施設の開設者若しくは管理者、医師その他の従業者若しくは開設者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは指定介護療養型医療施設について設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
○老人福祉法
(昭和三十八年七月十一日 法律第百三十三号)
(報告の徴収等)
第十八条 都道府県知事は、老人の福祉のために必要があると認めるときは、老人居宅生活支援事業を行う者又は老人デイサービスセンター、老人短期入所施設若しくは老人介護支援センターの設置者に対して、必要と認める事項の報告を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくはその事務所若しくは施設に立ち入り、設備、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 都道府県知事は、前条第一項の基準を維持するため、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームの長に対して、必要と認める事項の報告を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくはその施設に立ち入り、設備、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の規定による質問又は立入検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(平二法五八・平六法五六・平一一法八七・一部改正)
(大都市等の特例)
第三十四条 この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)においては、政令の定めるところにより、指定都市又は中核市(以下「指定都市等」という。)が処理するものとする。この場合においては、この法律中都道府県に関する規定は、指定都市等に関する規定として、指定都市等に適用があるものとする。
(昭六一法一〇九・平二法五八・平六法四九・平一一法八七・一部改正)
○老人福祉法施行令
(昭和三十八年七月十一日 政令第二百四十七号)
(大都市等の特例)
第七条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)において、法第三十四条第一項の規定により、指定都市が処理する事務については、地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第百七十四条の三十一の二第一項から第三項までに定めるところによる。
2 地方自治法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)において、法第三十四条第一項の規定により、中核市が処理する事務については、地方自治法施行令第百七十四条の四十九の十に定めるところによる。
(昭四七政三九〇・旧第三条繰下、昭五八政六・旧第七条繰上、昭六〇政二二五・一部改正、昭六二政四・旧第三条繰下、平二政三四七・旧第六条繰下、平六政三九八・平九政三七・平一一政三九三・一部改正)
地方自治法施行令
(昭和二十二年五月三日政令第十六号)
(老人福祉に関する事務)
第百七十四条の四十九の十 地方自治法第二百五十二条の二十二第一項 の規定により、中核市が処理する老人福祉に関する事務は、老人福祉法
及び老人福祉法施行令 の規定により、都道府県が処理することとされている事務(同法第六条の三第一項
及び第二項 の規定による市町村相互間の連絡調整等、同法第七条 の規定による社会福祉主事の設置、中核市が行う老人居宅生活支援事業又は中核市が設置する老人デイサービスセンター、老人短期入所施設若しくは老人介護支援センターに係る同法第十八条
(第二項を除く。)及び第十八条の二 の規定による質問等、中核市が設置する養護老人ホーム又は特別養護老人ホームに係る同法第十八条
(第一項を除く。)及び第十九条 の規定による質問等、同法第二十条の八 の規定による市町村老人福祉計画に関する意見等、同法第二十条の九
の規定による都道府県老人福祉計画の作成等、同法第二十条の十第一項 の規定による市町村に対する助言並びに同法第二十九条
の規定による有料老人ホームに係る調査等に関する事務を除く。)とする。この場合においては、次項及び第三項において準用する第百七十四条の三十一の二第二項において特別の定めがあるものを除き、同法
及び同令 中都道府県に関する規定(前段括弧内に掲げる事務に係る規定を除く。)は、中核市に関する規定として中核市に適用があるものとする。
2 前項の場合においては、老人福祉法第十四条 、第十四条の三 及び第十五条第二項 中「及び都道府県」とあるのは「、都道府県及び中核市」と、同条第三項 中「市町村」とあるのは「中核市以外の市町村」と、同条第五項 及び同法第十六条第一項 中「及び都道府県」とあるのは「、都道府県及び中核市」と、同条第二項 中「市町村」とあるのは「中核市以外の市町村」と、同法第十八条第一項 及び第十八条の二第一項 中「老人居宅生活支援事業を行う者」とあるのは「老人居宅生活支援事業を行う者(都道府県を除く。)」と、「老人介護支援センターの設置者」とあるのは「老人介護支援センターの設置者(都道府県を除く。)」と、同法第十八条第二項 中「特別養護老人ホーム」とあるのは「特別養護老人ホーム(これらのうち都道府県が設置するものを除く。)」と、同法第十九条第一項 中「特別養護老人ホームの設置者」とあるのは「特別養護老人ホームの設置者(都道府県を除く。)」とする。
3 第百七十四条の三十一の二第二項及び第四項の規定は、中核市について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第百七十四条の四十九の十第一項」と、同条第四項中「第二百五十二条の十九第二項」とあるのは「第二百五十二条の二十二第二項」と読み替えるものとする。
○社会福祉法
(昭和二十六年三月二十九日 法律第四十五号)
(指導監督)
第二十条 都道府県知事並びに指定都市及び中核市の長は、この法律、生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法の施行に関しそれぞれその所部の職員の行う事務について、その指導監督を行うために必要な計画を樹立し、これを実施しなければならない。
(昭三一法一四八・昭三五法三七・昭三八法一三三・昭三九法一二九・昭五六法七九・平六法四九・平一〇法一一〇・一部改正、平一二法一一一・旧第十九条繰下)
(一般的監督)
第五十六条 厚生労働大臣又は都道府県知事若しくは指定都市若しくは中核市の長は、法令、法令に基づいてする行政庁の処分及び定款が遵守されているかどうかを確かめるため必要があると認めるときは、社会福祉法人からその業務又は会計の状況に関し、報告を徴し、又は当該職員に、社会福祉法人の業務及び財産の状況を検査させることができる。
2 所轄庁は、社会福祉法人が、法令、法令に基づいてする行政庁の処分若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、当該社会福祉法人に対し、期限を定めて、必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。
3 社会福祉法人が前項の命令に従わないときは、所轄庁は、当該社会福祉法人に対し、期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は役員の解職を勧告することができる。
4 所轄庁は、社会福祉法人が、法令、法令に基づいてする行政庁の処分若しくは定款に違反した場合であつて他の方法により監督の目的を達することができないとき、又は正当の事由がないのに一年以上にわたつてその目的とする事業を行わないときは、解散を命ずることができる。
5 所轄庁は、第三項の規定により役員の解職を勧告しようとする場合には、当該社会福祉法人に、所轄庁の指定した職員に対して弁明する機会を与えなければならない。この場合においては、当該社会福祉法人に対し、あらかじめ、書面をもつて、弁明をなすべき日時、場所及びその勧告をなすべき理由を通知しなければならない。
6 前項の通知を受けた社会福祉法人は、代理人を出頭させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
7 第五項の規定による弁明を聴取した者は、聴取書及び当該勧告をする必要があるかどうかについての意見を付した報告書を作成し、これを所轄庁に提出しなければならない。
(昭三三法四四・昭六一法一〇九・平五法八九・平八法一〇七・一部改正、平一二法一一一・旧第五十四条繰下・一部改正、平一一法一六〇(平一二法一一一)・一部改正)
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