歴史と考古学


 はい皆さん、メイヤーと言えば何を思い浮かべるでしょうか?  「眼鏡」、そうですね。「変な奴」…まぁ間違ってませんね。「歴史好き」うんうん。「遺跡大好き」その通りですね。
 さて、問題はここです。 「歴史が大好き」と「遺跡が大好き」というのはイコールで結ばれるものでしょうか? 私は「同じものではない」と思います。 正確には、遺跡というものは「歴史」よりも「考古学」の世界に属するものです。 そうすると、「歴史だの考古学だの、どっちだって似たようなもんだろ?」と皆さんはお思いでしょう。 ここでは、歴史(History)と考古学(Archaeology)の違いを、簡単に見ていきたいと思います。


 「歴史」というのは、ものすごく極端に言えば「資料を参照する」学問といえます。 昔の人が書いた日記や手紙などから物事を解釈していくわけです。 逆に言えば、「歴史」というものは人間が文字を使って残した資料が存在しない場合には、その研究の範囲は著しく狭められてしまう…と言えるのかも知れません。


 これに対し、「考古学」は「先史時代」の研究を中心に行う学問です。 「先史時代」とは、(大ざっぱに言えば)記録の残っていない人類の歴史のことです。 別の言葉に言い換えるならば、「神話と歴史の境」に位置しているのが「先史時代」なわけです。 考古学とは、神話と人間とを繋ぐ学問(多少ロマンチックに誇張して言えば)なんですよ。


 考古学という学問は関連する分野が山ほどあるのも特徴の一つです。挙げるだけ挙げてみますと、歴史学、建築史学、文化人類学、自然地理学、岩石学、生態学、作物学、美術史学…etc。 考古学は「諸科学連合の多面的研究」によって解明される学問なのです。


〜ひと休み〜


 さて、ゲーム中メイヤーは遺跡の中へ立ち入って調査する事が多いです。 残念ながら、設定のなかでメイヤーの素性が明かされないので何とも言えませんが、遺跡を勝手に調査するというのはいろいろと問題のある行為です。
 遺跡の調査・発掘というのはある意味その遺跡の「破壊」につながるわけです。遺跡は「そこにあるから」掘り返したり立ち入ったりしてよいものではないと思います…といってもこっちの世界と向こうの世界は観点が違うのか(^^;) でもなー、「いちばんたいせつなもの」の場合だと完全に……ま、まぁ、ゴホン。


 現実世界(つまり私達の世界)ではこんなエピソードがあります。 有名な考古学者にシュリーマンという人がいます。 この人は19世紀にギリシアの遺跡発掘で大いに成果を上げた人です。 ただ、現在では、発掘をがむしゃらにやるのではなく、もっといろいろなことを考えてするべきではなかったか…という批判があります。(どうも最も重要な年代の発掘にこだわるあまり、他の年代の遺跡などを傷つけてしまったらしい) なかなか難しいものですね。


 これがどう誕生日企画なんだ?と言われると非常に困るんですが、歴史&考古学についての私の話はこの辺にしておきたいと思います。疲れる文章におつきあいいただき、ありがとうございました。