メロディで最大のキーポイントはなんといっても
「彼女が人工生命体である」
でしょう。
しかし、それについて触れられるのは最後のハメットの野望について語られる
シーンでちょこっと話されるだけ。
設定としては大変おいしいのになんかもったいない。
メロディのストーリー自体はどちらかというとほんわかとしていて
実に彼女らしいと言えば彼女らしいんだけど、
ただそれだけでテーマがないのよねぇ〜(^^;)
(例 シェリル:本の出版と信じるということ リサ:弟との仇と憎しみの心)
せっかくこういう設定があるのならちゃんとテーマを定義つけて
シナリオを書いて欲しかったなぁ・・・
ん?こんなのはどうかな・・・
主人公:(いきなりの由羅のやつ、家に来いって言ってきたけど何のようだろう・・・)
こんにちはー!
由羅:あら、いらっしゃ〜い
主人公:で、用って何なんだよ、由羅
由羅:ちょっと酒を交わす相手が欲しくてねぇ・・・
主人公:帰る・・・
由羅:ちょっと待ちなさいって!
主人公:(何だ由羅のやつ。口調も表情もいつになくマジになっているぞ。
何があったというんだ?)
由羅:これからあんたにどうしても伝えたいことあるので・・・。
ま、とにかく腰を下ろしてよ・・・
主人公:わ、わかった・・・
ところでメロディは?
由羅:メロディなら公園に遊びに行っているよ。
で、話したいのはメロディのことなのよ・・・
主人公:メロディ?
由羅:主人公、メロディのことどう思っている?
主人公:え、ええっ?
い、いきなり・・・。いきなり何を言ってくるんだよ、由羅?
由羅:まぁ、主人公の気持ちはともかく、
メロディはあんたのことを好いているよ。
それも真剣にね・・・
主人公:・・・
由羅:よくね、あたしに相談してくるのよ。
「さいきん主人公ちゃんのおかおがまともにみられないのぉ」とか
「主人公ちゃんのことをかんがえるとむねがいつもどくどくしてくるのぉ」とかね・・・
主人公:め、メロディ・・・
由羅:とにかく、メロディはあんたに真剣に恋している。
だからこれからあたしが話すことをマジに受け止めて欲しい。
了解してくれる?
(主人公はコクリと頷く)
由羅:よし、話すよ・・・
そもそもメロディとあたしが会ったのは去年の1月の半ばあたりかな・・・
そのときあたしはエレイン橋のあたりで月明かりの下、酔いを醒ましていた・・・
ふと「にゃあにゃあ」とまるで子猫がか弱げに鳴くような声が耳に入ってきたんだよね
で、気がついたら耳としっぽが生えた半裸の女の子が駆け寄ってきたのよね。
で、「たすけてぇ、たすけてぇ」と泣きついてきちゃったからね、
で、遠くから「どこへ行った」「必ず連れ戻せ」というような声が聞こえてきたので
「こりゃなんとかしてやった方がいいだろう」って思ってね、
すぐさま橋のたもとに彼女を隠してあたしはのうのうと橋の上で月を眺めることにしたのよ。
で、案の定追っ手が来たんだけど適当なこと言ってごまかしたのよ。
その後逃げてきた娘を家に連れ帰ったんだけど・・・
驚いた・・・。
最初どっかの酒場から逃げてきたライシアンだったと思ったんだけど違った。
(そう言うと由羅は部屋の奥のタンスから1枚の欠けたプレートを持ってきた)
由羅:これを見てくれる?
主人公:ん、ん?
(ええっと、人工生命体実験体・メロディ・・・?)
由羅:それが彼女の首輪についていた。
プレートが欠けているのは多分彼女を作り出した錬金術師のところとか
研究所なんかから逃げ出したときにできちゃったせいなんだろうね。
欠けているところが読めればどこから逃げてきたかはっきりするんだけど・・・
主人公:(メロディ・・・。お前って・・・)
由羅:最初あたしはメロディのことを隠そうとした。
でもね、ある時あたしが酔いつぶれて寝ている隙に外へ飛び出しちゃったのよ。
が、メロディね、天性の純真無垢さが幸いしたんだろうね、
探しに行った公園でたくさんの子どもたちなんかに囲まれてね、
実に楽しそうにはしゃいでいたのよ・・・
それからあたしのとこにメロディがいるとばれたから
いつ取り返しに来るかと毎日毎晩びくびくしちゃったけど
全くその気配はなかった。
メロディのことに関心がなくなったのか・・・
メロディがみんなの人気者になったせいで下手に手を出しにくくなったのか・・・
とにかく、メロディは初めて幸せになることができた。
この娘、とんでもなく暗い過去を背負っているのに、
この娘の姿を見ていると微塵も感じさせないのよ・・・
強いよ、この娘は・・・
でも、この娘は弱い。
いずれ過去と対峙せざるを得ないときになったらそれを乗り越えられるか・・・
そう思うとあたしにはメロディを支えられるか自信がないのよ・・・
主人公:そんなことはないよ、由羅
由羅:いや、あたしはただの飲んだくれよ。
メロディの支えになるのは・・・、
あんた、主人公しかいない!
主人公:お、俺が?
由羅:あんたは強い。こんな状況であきらめずに必死になって
無実をはらそうと頑張っている。
メロディがあんたのことを想うようになったのも無理はない。
だから主人公! (由羅は手にしている杯を一気に飲み干す)
頼む!メロディのことを・・・
主人公:ゆ、由羅・・・
メロディ:ふみゃあ!ただいまなのぉ!
由羅:め、メロディ・・・。お、おかえり・・・
主人公:お、お邪魔しているよ、メロディ・・・
メロディ:ふみゃあ?なんかいつもとふんいきがちがうよぉ、おねーちゃんも
しゅじんこうちゃんも・・・
主人公:な、なんでもないよ、メロディ・・・
(まいったな、メロディの顔がまともに見られないよ・・・)
メロディ:あのねぇ、メロディ、ねむねむだからおひるねするのぉ〜
由羅:はいはい、布団ならひいてあるよ・・・
主人公:って、いうより片づけるのが面倒だからしきっぱなしなんだろ?
由羅:あ、ばれた?
主人公:・・・
メロディ:それではおやすみなさーい!
(メロディは布団に潜るや否やすぐに寝息を立ててしまった)
主人公:(メロディのやつ、幸せそうな寝顔をしているなぁ・・・。
確かにこの幸せそうな寝顔、これがいつまでも続くとは限らないよな・・・。
メロディが、メロディが俺のことを本当に想ってくれているなら・・・)
主人公:わかった。
由羅、俺がどこまでやれるかわからないけど・・・。
いざというときはメロディと一緒にメロディの過去にあたること約束する!
由羅:ありがとう、主人公・・・。これで安心して・・・
主人公:安心して?
由羅:思いっきり酒が飲める!
主人公:・・・
メロディ:ふみゅあ・・・。主人公ちゃん、だいすきぃ・・・
どうでしょう?
由羅を出しまくってしまいましたが、
メロディには過去のことを話すことは出来ないですからね・・・
ここでは過去のことを話の中心にしましたが、
テーマを「メロディの正体と事実の受け入れ」にして
ラストイベントを書いてみました。
メロディには似合わないような重苦しい展開ですけど、
あの話では薄っぺらすぎるような感じがして・・・(^^;)
キャラクター性を優先させるとああ言う展開にならざるを得ないかとは
思いますけど、もう少し厚みのある展開にすることができなかったかなぁ・・・
せっかくのこの題材、逃げずに取り扱って欲しかった・・・。
本当にもったいないです・・・。