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■無事帰国・帰宅いたしました。言いたいこと、書きたいことは数あれど、まずは、今回の聖地巡礼の内容を振り返っておきたいと思います。 9/24(火):午前発のオーストリア航空ウィーン直行便で聖地へ。同行はウィンナホルン会N氏@日本一。同じウィンナホルン会奥田安智氏とは現地合流予定。現地時間当日午後4時に無事到着。リムジンバスで市内まで出るつもりが、なんと"出迎え人"がいてびっくり(本件、後述)。出迎え人氏の車で国立歌劇場まで送ってもらい、そこから歩いてホテルへ向かいチェックイン。荷解きもほどほどに国立歌劇場へ取って返し、インターネット予約しておいたチケットをピックアップして「ばらの騎士」鑑賞。 9/25(水):冷たい雨降り。その中、市内をぶらぶら歩いて、ドブリンガーなどで買い物。先年オープンしたHaus der Musikにも立ち寄って、例の当団指揮シミュレーションシステムを体験する>しかし、満足に振れず、シュミードル、クドラック両氏からのお叱りを受けてしまった(爆)。その後、パリから駆け付けた奥田氏と合流。コンツェルトハウスで、週末の当団演奏会(指揮はアーノンクール)のリハーサルを見学する。LMS氏は降り番なれど、乗り番のトムベック氏、ロナルド氏と10月の分担打ち合わせにやってきたので、そのまま合流してウィーン郊外Grub村のLMS氏新居へ。我が"マブダチ"(笑)ヴォルフィ君ことリントナー氏(舞台オケ)もやって来て(氏の家は、LMS邸から車で10分ほどの所にある)、LMS氏夫人マルギットさんと共に新居完成祝いパーティ。先日の演奏会の録音もさっそくお聴かせし(押し売りならぬ、押し聴かせ>爆)、「いい演奏だ」とのお褒めの言葉を受ける>多分にリップサービスとしても、でも、嬉しい。 9/26(木):LMS氏の案内により、ウィーン郊外の名所観光。ハイリゲンクロイツ修道院、地底湖ゼーグロッテ、リヒテンシュタイン城といった、個人で旅行した場合には出向くことが難しい郊外の観光ポイントを訪ねることができ感激。特にゼーグロッテの「神秘的」な雰囲気は圧巻であった。その後ウィーン市内まで送ってもらい、再びホテルにチェックイン。当夜のオペラ「ロベルト・デヴリュー」開演まで時間があるので、単独行動とさせてもらい、インターネットカフェでメールチェックおよび拙ページ芳名録への書き込みなどを行う。で、軽く腹ごしらえしてからと、やおら開演30分前にオペラ裏の"いつもの"(笑)ソーセージスタンドに行ってみると、ガハハ、またしてもいらっしゃいましたよ、御神体が。携帯電話かけながらソーセージ食ってる(爆)。この方とこの場所でお会いするのは、もう3度目だ(苦笑)。"当然"、しっかりとご挨拶させていただき、またの再開を約束し合う。もっとも、今後の来日スケジュールはまったく未定とのことで(もう、室内楽活動も辞めちゃったしねぇ...)、となると、また行かにゃならんということだわな(笑)。その後「ロベルト・デヴリュー」を、これまた"いつもの"立ち見場所で鑑賞。終演後は、聖地在住当ページ相談役殿と会食。いろいろと興味深いお話を伺わせていただきました>とてもここでは書けないようなネタ含む(^^;。 9/27(金):本当はウィンナホルン製作工房のユングヴィルトを訪ねる予定だったのだが、ユングヴィルト氏と連絡が取れず断念(その後連絡が取れたのだが、インフルエンザで寝込んでいたとか。ヤマハの現地マイスター氏も病気療養中とかで、なんとも奇妙な偶然の一致...)。ならばと、Wiener Horn Ensembleの楽譜などを出版しているHeavy Brass社を訪ねることに。ウィーン郊外Gallbrunn村まで行くのは、実はなかなかの"大旅行"だったのだが(っていうか、珍道中か!?>本件のみで「ネタ」を作れます>苦笑)、遥々日本からやって来た酔狂な客に対し大変な歓待をしてくださって、これまた感激したのだった。いや、だってね、Heavy Brass"社"と言っても、実は父子2人でやってる個人商店なんですわ。だから、"社屋"も彼らの自宅なの。「ウィンナホルン吹いてる日本人ってのが3人来たよ!」って感じで、もう大変な興奮ぶり(笑)。果てはお父さんがワイン出させて乾杯だもの(爆)。いやはや、なんともホンワカした小旅行でありましたわ。で、夕方にウィーンに戻り、当夜のオペラ「ビリー・バッド」を鑑賞。終演後は、LMS氏とアウグスティナーケラーで軽く一杯。LMS氏曰く、「この店は観光客ばかりだから好かんのだけど、シュトゥルム(新酒のワイン)だけは美味いんだ」。というわけで、皆さんはシュトゥルムを、私はソフトドリンク(=オーストリア名物?"アルムデュトラ")で乾杯。 9/28(土):午後3時半からの当団演奏会まで単独行動とさせてもらい、マリアヒルファー通りなどで買い物三昧。いや、ほんと随分と散財してしまいましたわ。と言っても、その大半はCDだったんだけどね(^^;。一旦ホテルに戻るも、出かける時間が遅れてしまい、コンツェルトハウスおよび客席まで小走りで向かうことに>よって汗だく(笑)。おまけに、当日は「プロムス」という形式の演奏会だったため、アーノンクールのかなり詳細な"解説"も入り、終演が6時頃になる事態。なぜこれが"問題"かというと、この後のオペラ「ばらの騎士」が6時半に始まるわけで、いつもの立見席確保のことを考えると、ちょっと焦る時間だったわけね>ちなみに同行の2人はしっかりと座席を確保して、余裕の移動(やられた...^^;)。で、この焦る人たちは私以外にもいたわけで、そう、当日掛け持ちをするオケの面々(笑)。こういうスケジュールだから掛け持ち組は少ないかと思いきや、オーボエのホラーク、トランペットのエダーおよびジンガー、トロンボーンのキューブルベックなど、"主要"なメンバーも結構いて、これには驚く。2時間半の演奏会を終えて、30分後に4時間のオペラ公演。いやぁ、大変な仕事ですなぁ...。というわけで、またしても小走りに国立歌劇場へ移動したおかげで、またしても汗だく状態(笑)。でも、おかげで"いつもの場所"は確保できたから何よりだったけどね。それにしても、この夜の「ばらの騎士」は、今回の巡礼の白眉でありました。巡礼初日に観た時よりもさらに良かった。よって、これについては後日に(たぶん、書く...^^;)。終演後、またしてもアウグスティナーケラーで一杯。ただ、本当はヴォルフィ君が合流するはずだったのに姿を見せず、それがなんとも残念(LMSが携帯に電話してくれたのだが、電源OFFで通じず...)。また、日中、旧居からの荷物移動をしていた(実は、まだ引越しは完了していない。ついでに言えば、新居もまだ未完成の状態。自分でも大工仕事をしているようだから、本当の「完成」までは、まだまだかかりそうだなぁ)というLMS氏はかなりお疲れの様子で、そんなこんなもあり、ほどほどのところで切り上げる。これで氏とはお別れになるため、これまでのご厚情に対して御礼をするとともに、またの再会(来春の予定)を誓って散会。 9/29(日):帰国日になって快晴に。誰の行いが悪いのやら...(苦笑)。午前11時からの当団演奏会(前日と同内容)に出向くわけだが、今度は汗だくになりたくないので(苦笑)、余裕を持って出発する。実は、セバスチャン(マイヤー)にまだ会っていなかったので、開演前に楽屋口でつかまえて挨拶をしておきいという目論見もあっての早出だったのだが、彼、なかなか現れない。開演15分前になっても姿を見せないことから、こりゃもうすでに楽屋入りしているな、と判断。で、そのまま諦めたかというとさにあらず。その時楽屋口にやってきたトランペットのジンガー氏をつかまえて、「セバスチャン・マイヤーに、ササキが待っていると伝えていただけませんか」とお願いしてしまったのだ。大御所団員をつかまえて「子供の使い」をさせるという行状、誠にもって申し訳ない限りだったのだが、おかげでセバスチャンに会うことができて、これはもう、ジンガー氏に感謝感謝。セバスチャンは今月来日するので、その時の再会を約束して別れる。というわけで、会うべき人にはすべて会って、最後、アーノンクール指揮の演奏会を前半まで聴き、休憩時間で外に出て、タクシーにて空港へ移動。再びオーストリア航空直行便に乗って帰国したのでありました。ふぅ、長々失礼...(苦笑) ■というわけで、比較的短い滞在ではあったものの、非常に充実した時間を過ごさせてもらいました。で、何より、数々のご厚情を賜ったLMS氏には改めて大感謝。実は、初日の"出迎え人"も彼だったのだ。前回(2年前)は、「迎えに行くから」と言われていたので、"心の準備"をしてシュベヒャート空港に降り立った。が、今回は、こちらから「オーストリア航空で行く」という連絡をしていただけで、彼からは何も反応がなかったので、まさか迎えに来てくれてるとは思わなんだ。なのに、手荷物受取所から外に出た途端に「ハロー!」ってそこに「いた」もんだから心底びっくり。いやはや、ほんとにいいヤツだわ、彼は。っていうか、みんないい人。今回お会いした誰もが、親切で、優しかった。まぁ、ウィーン(およびウィーンフィル)の人がみんな「いい人」なんてことは、実際にはないわけだが、それでも、彼らが私たちに見せてくれた姿は、人間としてどう友人・知人・客人に接するか、というお手本であり、そういう意味で、非常に「勉強」させられたのも事実だった。2年4ヶ月ぶりの聖地巡礼、やはり行って良かった。っていうか、やっぱ定期的に行かなアカン。もっと短い期間でもいいから、できれば毎年出向きたいもの。そういう気持ちを改めて強くして帰ってまいりました。--- しかし、こうなると、今日からの"社会復帰"が心配だ。ウィンナホルン会演奏会に向けて相当入れ込んでて、終わったらそのまま聖地巡礼だもの。仕事のことなんか、すっかり抜け落ちちゃってるもんねぇ...(苦笑) (10/01) ■なんとか会社(社会?)復帰。が、朝イチで上司から呼び出され「今後の仕事の打ち合わせ」を行うも、その席上で、「あんたが休んでる間、『なんであれほど体調が悪いって言ってた人が旅行なんかしてるんですか?』って声が上がってねぇ...」と言われてしまい、少々ヘコむ。ま、言われてもしょうがないし、言われるだろうとも思っていたことだったのだが、実際マジで言われちまったとなると、やっぱりショックではある。「巡礼だから」なんて言っても、"一般人"には通じんもんねぇ...。仕事上の信頼回復は仕事で果たすしかない。ま、これもひとつの勉強だと思って、今後しっかりやりましょ。 ■巡礼報告第2弾。昨今話題の「女性奏者」なのだが、今回も結構お目にかかりましたよ。ヴィオラのプライヒンガー、ハープのバルツェライトについては、正式なメンバー(現時点では国立歌劇場オケ団員だが)だから出てて当然として、他に「ロベルト・デヴリュー」の2番クラ、「ビリー・バッド」の打楽器とハープ、「ばらの騎士」2日目の第2ハープ(「ビリー・バッド」とは別人>ちなみに1日目の第2ハープは引退したレルケシュだった)、アーノンクールとの演奏会での1stヴァイオリン末席と第2ハープ(これまたオペラとは別人)が、私にとっての"初顔"。ハープはね、これまでも女性奏者が登場してたから別に驚かないにしても、クラリネットや打楽器、そしてヴァイオリンにも登場したってのは、やっぱ感慨深いものがあるなぁ。その昔はフルートにも登場してたのを見てるから、まぁ、今後この動きはますます広がって行くのでしょう。ちなみに、登場していたのは皆、うら若き女性であったことを追記しておきます(^^;。ところで、ハープのジュリア・パロックだが、どうやら退団ということになったようだ。国立歌劇場オケのメンバー表にもないし、当然、ウィーンフィルの"契約団員"(=国立歌劇場オケ団員だが、まだウィーンフィルメンバーにはなっていない人。しかし、演奏活動はウィーンフィルメンバーとして行っている)にもなっていない(バルツェライトは契約団員としてメンバー表に記載)。今回もまったく姿を見なかったので(男性奏者のメストルも姿を見なかったのだが>メンバー表には名前あり)、昨シーズンを以って契約終了ということになったものと思われる。もっとも、これについては裏付けを取ったわけではないので、"誤報"の可能性も残っておりますが...。男性トラ奏者としては、"常連"であるオーボエのナッシュレーガー(←最近よく2番オーボエを吹いている丸顔メガネ氏)やバストロンボーンのゲロルディンガー(舞台オケ)をはじめとして多数出演。特にコントラバスに新顔若手奏者の姿が目立ったかな。あと、ファゴットのディンクハウザーと打楽器のツァウナーの2人の新入団員もしっかりと"仕事"しておりました。どんどん若返りが進む当団。これまた感慨深し...。(10/02) ■疲れが日を置いて出るってのは"トシ"な証拠だけど、昨日がまさにそう。眠いしダルいしで参った。前にも書いたように、昼休みにはほぼ必ず昼寝をするのだが、昨日はマジで寝ちゃったもんね(笑)。いつもは、10分程度ウトウトとするだけなのに、昨日は30分以上寝てたんじゃないかな。気づいたら、外に食事に行っていた連中もみんな戻っててびっくりしちゃったし(苦笑)。口あけたアホ面で寝てなかったことを祈るのみ(^^; ■巡礼報告第3弾。ウィーンの街中は至るところで工事中。LMS氏曰く、「ウィーン中が工事中」とのこと(郊外観光をした時には、これが「オーストリア中が工事中」に発展しておりましたが^^;)。ビルの改装・改築も多いようだが、新築用と思われるクレーンも多数見かけて、もしかして景気良いのかしら? 中心地では結構お店の入れ替わりもあって、例えば、既にいろんなところでも話題になったスターバックスの登場は、知ってはいてもやはり驚きだった。国立歌劇場のすぐ裏手。ザッハーホテルの向かい側にオープンしていて、結構繁盛しておりましたなぁ(あと2店舗ある模様)。ウィーンと言えば伝統的な「カフェ」なわけだけど、スタバのようなスタイルの「カフェ」も、それなりに受け入れられているようであります(観光客が多いとの説はあるものの)。恐るべしスタバ!(笑)。あと、観光客用のインフォメーションセンターが、昔はそのスタバの向かい側(つまりザッハーの隣り)にあったのに、少し離れたカフェ・モーツァルトの向かい側(伊勢丹の隣り)に移動してましたな。しかも、大層リッパになってて、力の入れようがヒシヒシと感じられた。"観光立国"だからね、ある意味当然の姿でもありましょうが。それから、個人的に大変残念だったのは、ケルントナー通りの途中にあった(正確に言うと、ケルントナーからちょっと入った路地沿いにあった)鉄道関係の書籍が充実した本屋さんがなくなっていたこと。毎回ここには必ず立ち寄って、オーストリア国鉄関連の本(笑)なんかを買っていたのだが...。どこかに移転したのかなぁ。それとも廃業したのかしら。誠に残念。(10/03) ■時差ボケなのかなぁ、昨晩はなかなか寝付けなくて、結局夜中の3時半ごろまでウダウダと過ごしてしまった。おかげで日中の眠いこと。またしても「30分昼寝」を挙行してしまいましたよ(笑)。ますます会社での株を下げてるな>俺。 ■巡礼報告第4弾。我がホルン会の"勤務状況"についてご報告しておきましょう。9/24(火)「ばらの騎士」>> 1:LMS、2:イェプストゥル、3:フラダー、4:プファイファー。9/25(水) オペラ休演日(ただし、演奏会リハーサルは行っていたはず)。9/26(木)「ロベルト・デヴリュー」>> 1:LMS、2:御神体、3:ヘグナー、4:プファイファー。9/27(金)「ビリー・バッド」>> 1:LMS、2:御神体、3:ヘグナー、4:ホルヴァート。9/28(土)「ばらの騎士」>> 1:LMS、2:イェプストゥル、3:フラダー、4:ホルヴァート。9/28(土)および9/29(日)アーノンクール指揮演奏会 >> 1:ヤネシッツ子(前半)、1:トムベック(後半)、2:マイヤー、3:ヘグナー、4:御神体。というわけで、ヤネシッツのお父さんのみ見かけなかったものの、最早WPhの公演ではお目にかかれないホルヴァートの姿も見ることができて(音も聴けたけど、ね^^;)、まずは何より。ちなみに、「ばらの騎士」3幕では舞台裏で小編成オケが演奏するわけだけど、これのホルン(2本)を担当したのが誰なのかは不明。舞台オケの誰かが吹いていたはずだが、少なくともヴォルフィ君ではない。LMSに尋ねても「休憩時間にはタバコ吸ってたから、誰だったか見てない」というワケのわからん回答だったので(爆)、結局わからず仕舞い。ここまで調べをつけられれば「完璧」なんだけど、いささか画龍点睛を欠く結果というわけで...(^^; (10/04) ■ようやく「普通」の週末に。先週までは、ウィンナホルン会の練習・演奏会やら聖地巡礼やらで、「普通でない」週末を送っていたからね。なんだかんだで、数ヶ月ぶりに「ホッとする週末」を過ごしたのではないかしら。おかげでエラい夜更かしもしてしまって、日中眠くてしょうがないなんて生活にもなってしまったのだけど(^^; ■巡礼報告第5弾。今回は「ばらの騎士」を2回観たわけだが、2回目、9月28日の公演がより素晴らしかった、という話を前にも書いた。指揮者(アダム・フィッシャー)も、主役の女声3人組(インガ・ニールセン、アンゲリカ・キリヒシュラーガー、ユリアーネ・バンセ>誰がどの役かは、写真を見ればわかりますよね?^^;)も一緒の公演だったわけだが、主役陣で唯一違ったのがオックス男爵で、1回目がワルター・フィンク、2回目がクルト・リドルだった。で、このリドルが素晴らしかったと。フィンクは、その大きな体躯を活かして、慇懃無礼な振る舞いの初老貴族といったオックス像を作り上げ、それはそれで「いや、なかなかご立派ですな」というものではあったのだけど、リドルの方はというと、身のこなし誠に軽やかに、粗野で図々しくそして何より助平(!)な田舎貴族を「熱演」し、これが実に楽しかった。もちろん、歌の方も、すごい声量だし、とにかく上手いから、もう舞台に引き込まれっぱなし。女声陣も、リドルの熱演に大いに刺激を受けたようで、相当にテンションを上げて演じ、歌っていたから、演出は毎度お馴染みのアレだったわけだけど、まるで初めて観る舞台であるかのように見入ってしまった。ほんと、実に楽しかったし、出演者全員「ブラヴォー!」でありましたよ。もちろんオケも素晴らしくて(特にLMSの1番ホルン!>最初っからアクセル踏みっぱなしの全開演奏で、あれで「引越しで疲れていた」とはとても思えない!?>笑)、極めて上質な"通常公演"でありました。ウィーン国立歌劇場のようなレパートリー公演形式の劇場については、その「質」を問う声もよく聞かれるわけだけど(主役級歌手陣はある程度の"練習"をするようだが、オケを含めた全体としては、基本的に「ぶっつけ本番」だからね)、でも、ああいう「違い」、それも上質な部分での違いを短期間に楽しめるわけだから、これはこれでやはり価値のある公演形式だとは思う。でもって、あんなのが「普通」に観られるんだから、やっぱウィーンはすごい街だわ。マジ羨ましいっす!!(移住すっか!?>笑) ■アエラの今週号に「オザワに続け ウィーン留学」という記事(タイトルだけ見ると「なんじゃそれ?」だけど)が出ているのだが、その中で、ウィーン放送響第2ヴァイオリン首席奏者の中嶋りり子さんて方が紹介されている。で、へぇそんな人いるんだ、と思ってウィーン放送響ホームページの団員名簿を見てみたのだが、Ririkoさんて名前が全然見当たらない。なによ、ガセネタ?なんて訝りつつよくよく見ていたら、ありゃま、ありましたよ。2ndVnの一番上にLyrico Sonnleitnerとの名前が。ご結婚されて、苗字が変わっていらっしゃるわけね。でもって、名前の方も"Lyrico"と来たもんだ(^^;。これじゃぁパッと見わかりませんわな。しかしRirikoでなくLyricoってのは、なかなかやるなぁ(なんじゃそれ^^;)。我がウィンナホルン会のかぶ響吉田氏が、Yoshidaではなく"Joschida"としているのに匹敵するくらい(笑)。あれかな、私のNaoyaも"Naoja"とかにした方が通じやすいのかな!?(「ナオヤー」って言われそう^^;) (10/07) ■会社を出て駅へ歩き始める。ふと、一番近い電車時間は何分だったかと思い、定期入れに入っているポケット時刻表で確認。が、暗がりでよく見えないため、街灯の下までトボトボと移動しつつ時刻表に目を凝らす。で、10分後に電車があることが判明し、ならばと勢いよく左足を踏み出した途端、太ももに激痛が!「いっったぁぁーーーー!!」。なんと、歩道に車などが乗り入れることを防止するために立てられている鉄製の杭(?)に足をぶつけたのだった。時刻表に見入ってしまっていたため、そこにそんなものがあるなんてまったく気づかず、しかも勢い込んで歩き出したところだったものだから、まさに「痛打」。不覚!!。でも、歩くことはできるので、左足引きずりながらなんとか家までは帰り着いたのだが、痛みは増すばかり。帰るなり湿布薬を貼って様子を見ているのだが、いまだに痛みは引かず。とにかく、足の上げ下ろしがつらいので、椅子に座るのも立ち上がるのも、そして歩くのもままならない。ったくもう、何やってんだか...。せっかく「体調不良地獄」からは抜け出せたかと思ったのに(っていうか、このまま体調不良状態を表に出し続けていると、会社での立場がかなり危うくなる...^^;)、今度は「不注意による自損事故」と来たもんだ。今日は、朝から都内五反田の親会社まで行かねばならないのだが、満員の小田急線および山手線に揺られて行くことなどできるのだろうか?? やっぱ、正真正銘の「厄年」であるようでございます。んなわけなんで、巡礼報告もお休み。とっとと寝ます。もうフテ寝!(苦笑) (10/08) ■結局病院に行きました(苦笑)。上司と一緒だったし、その他諸々の損得勘定(笑)からいっても、とにかく朝の仕事、つまり都内の親会社行きはしないわけにいかない。なので、かなり無理して出向いたのだけど、しかし、その無理が祟って痛みは増すばかり。歩くのもままならない状態に陥ってしまったものだから、「アンタ、ほんとに疫病神でも憑いてんじゃないの?」と呆れる上司の許可を得て、午後から病院(整形外科)に出向いた次第。で、その結果としては、骨折および筋肉断裂などではないものの、太もも上部の筋肉を傷めたようだから全治10日ほどだろう、との診断。湿布を貼ってもらい、痛み止めの薬をもらって帰ってきたのだが、普通なら15分ほどで歩ける病院から自宅までが、倍の30分近くかかったほどなので、いやはや、しんどかった。ただ、その後は安静にしていたことから(って、ひたすら寝てたんだけどね^^;)、今は随分と楽になった。もちろん、まだ、足を自由に動かせる状態ではないのだが、それでも最悪の時に較べれば、だいぶ動くようにはなったし。というわけで、もう少し"安静"にしております。そう、つまりさっさと寝ると(笑) (10/09) ■とにかく安静。ただそれだけを心がけて大人しくしていたおかげで、だいぶ足が動くようになりました。力が加わるとまだ痛みが出るものの、まったく曲げることができなかった左足が、ほぼ"通常通り"に曲がるようになったので、まずは何より。注意一秒怪我一生。身を以って実感した今回の一件でありましたわ。 ■というわけなんで、巡礼報告を再開したいところなんですが... すんません、もうちょっとお待ちください。あとは「ばらの騎士」以外のオペラと、アーノンクールとの演奏会の所感を述べるつもりなんだけど、今しばらく"安静"にしていたいんで...(なんじゃそれ!?^^;) (10/10) ■だいぶ良くなった。と思って出勤したものの、やはり満員電車に揺られての1時間通勤はかなりハードで、会社に着いた時には左足引き攣り状態。また、どうしても右足に負荷が集中するから、その影響で右腰も痛くなっちゃうし...。やっぱ、両足がきちんと機能してないと、0.1トンの体重を支えきることはできんようです。いやはや。 ■そんなわけなんで、今週末は当初予定のスケジュールをキャンセルして、引き続き静養を続けることに。来週後半は出張で、それも立ち仕事をしなければならないので、早く回復させないと、それこそシャレにならん。三連休を文字通り「三連休」として過ごさせてもらいますんで、その間に巡礼報告の残りも仕上げますわ。と書いといて、またしても放置する可能性も高いのだけど...(苦笑) (10/11) ■あれから1週間。お医者の見立ては「全治10日」とのことだったので、いくらなんでもこの連休中には"ほぼ完治"に至るだろうと思っていたのだが... ダメですわ。今になって数ヶ所に内出血の青アザが出てきた(なんで今さら?って感じ...)。でもって、足もまだちゃんと曲がらないし、痛みも続いていると。土曜日に例の"眠る薬"を出してもらっているお医者へ行ってきただけで、あとはひたすら家でじっとしていたのだけど(3日ともあんなに天気が良かったのに!)、上記のような状況で、完治にはまだしばらく時間がかかりそう。実は、今晩から金曜日まで出張なのですわ。久々の「大巡業」で、神戸2泊、名古屋1泊という行程。しかも、仕事は日中一杯の「立ち仕事」。うーむ、これは結構ヤバいかも...。幸いにして、宿と仕事先が至近距離なので、仕事が終わったらさっさと帰って大人しくしてるしかないですな。しっかし、情けないのぉ...。というわけで(?)、案の定(??)巡礼報告の残りには着手できませんでした。"旅先"でその気になったら書きますわ(おいおい^^;) ■えーと、「ほぼウィーンフィル」であるところの、トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーンの公演が始まっているわけですが、なんでしょう、さっぱり「反応」がありませんなぁ。名古屋と福岡の公演に行かれた方、いらっしゃらないでしょうか? どんな感じだったか、ご報告いただけると嬉しいのですが。ちなみに、今晩は岡山公演。そして、明後日の新潟以降、東京や札幌の公演が続きます。私は金曜日のオーチャードホールと日曜日の東京芸術劇場(名フィルとのジョイント)に出向く予定(金曜日は、出張先の名古屋からの"直行">遅刻するかも...)。で、実は、名フィルと一緒にやる「シェエラザード」に期待してるんだよね。なぜかっていうと、先の巡礼中に、ピット内で「シェエラザード」のソロをさらうシュトイデの姿を何度か目撃して、これがとても上手だったので(^^;。もちろん指揮者なしでやる単独公演の方も期待大なんだけど、あの断片的なソロを聴いただけでも、シュトイデの弾く「シェエラザード」は楽しみだなと。(10/15) ■神戸からです>というのは、久々のフレーズですな(^^;。もっとも、夜の9時過ぎにホテルに到着したので、あとは寝るだけという神戸最初の夜ではありますが。 ■朝イチで行われたミーティングを終えて自席に戻ると、「お父様からお電話がありました。折り返し電話がほしいとのことです」とのメモ書きが。会社に電話をしてくるとは尋常ではない。これは母親に何かあったか、とかなり焦って電話をかけると、「はいはい」とその母親が(ノンキな声で^^;)電話に出るではないか。じゃぁ一体何があった?と訝りつつ「直哉ですけど」と名乗ると、「あれま、あんだ、怪我したんだって?大丈夫なのがい?」と(思いっきり福島弁で>しゃーないけど>笑)訊いてくるじゃない。「え?もしかして用件って、それ!?!?」。「いや、だって、今朝になってお姉ちゃんがら聞いだんで、びっくりして電話したんだわい」ですと。あちゃぁ〜!(^^;。いやまぁ、どちらの親御さんも同じようなものなのでしょうが、うちの両親の場合特に心配性なんでね。連休中に予定していた姉貴宅訪問をキャンセルしてたこともあったので、それを姉貴から聞いて、「そんなに重症なのか」と、(2人して^^;)大騒ぎになったらしいのだ。事前に携帯に電話したようなのだが、私が"不携帯"してたもんで、それで会社の電話にかけちゃったと。以降、具合はどうなんだい?歩げんのがい?医者には診でもらったのがい?今は湿布してんのがい?と矢継ぎ早の質問攻勢(苦笑)。しかし、こっちは焦ってたせいもあって会社の電話でかけちゃってたので(それに隣席の同僚にも聞かれてるし^^;)、そんな用件だったら早いとこ終わりにしたい。なので、「あのね、もうだいぶ良くなってきてるから、大丈夫だから」と強引に"終了"したのだったが、いやはや、汗が出た(笑)。いくつになっても子どもは子ども、なんだろうけど、こちとら文字通りの「いいオトナ」なんでね、ああいう電話は、今後はご勘弁願いたいっす。頼んまっせ>我が両親(^^; (10/16) ■神戸2泊目。しかし疲れた。朝10時から夕方4時過ぎまでの立ち仕事(「先生」仕事)。もちろん、途中昼食休憩はあったものの、それも40分だけだったし、大体において部屋が非常に蒸し暑かった。古い建物の会議室だったので、エアコンはあるものの、効きが悪いのね。おかげで(この時期に^^;)汗だくでしゃべり続けるというハメになりましたわ。前夜、テレビで「debuya」(笑)って番組を見ていたら(これ、関東では週末にやってますけどね)、その中の「デブ好き美女」(爆)ってコーナーで、パパイヤ鈴木と石塚英彦が、「デブ好き美女なんつっても、実際我々を前にすると引いちゃう女の子も多いですからね。だって、よくよく見ると、顔からシュワシュワって汗を噴き出してたりするから」なんて話してて、それ見ながら「ギャハハハ!そうそう!!」なんて笑ってたんだけど、まさにその「シュワシュワ」状態(爆)。いやはや、誠に以ってしんどい仕事でしたわ。もっとも、今日も同じことやんないといけないんだけどね。シュワシュワ(笑) ■ちょっとびっくり情報をお寄せいただきました。なんと、NHK FMが、当団定期演奏会を「生中継」するんだとか。「可能な限り」という留保付ではあるものの、基本的には毎回の演奏会(日曜日のものかな?)を生中継するとのこと。ちなみに第1回目は、11月3日の小澤指揮による演奏会で、「オルガン交響曲」他のプログラム。放送時間は、19:00〜21:10。それにしても「生中継」ってのはすごいよね。音声のみってのは残念だけど、映像の方はWOWOWとの兼ね合いもあるだろうから、当分無理なんでしょう。いずれにしても「快挙」(^^; (10/17) ■名古屋に移動してきました。しかしくたびれた。相変わらず仕事先の会議室が蒸し暑くて往生したが、それ以上にマイッタのがたばこ。某量販店チェーンの店員さん向け「勉強会」という仕事なのだけど、本部から来てる"エラいさん"が、たばこを吸いながら聞いてるわけよ。さすがに「受講生」であるところの店員さんたちはそういうことしないのだけど(したくてもできないだろうけどね^^;)、エラいさんはある意味「なんでもアリ」だからね。というわけで、ただでも蒸し暑い部屋にたばこの煙が充満して、もううんざり。立場上"文句"も言えんしねぇ...。で、今日の仕事も同じ量販店勉強会なのだけど(そのエラいさんたちも同じく移動してくるのだけど--;)、今日は先生役を若手にやってもらうことになってる。いくらなんでも3日連続はキツいし、若手にも機会を与えて行かないと、「後継者」が育たないのでね。でもって、夕方4時頃に一足先に抜け出させてもらい、オーチャードホールに"直行"すると...。っていうように、実はそれが目的で先生役を若手にやってもらうことにした、ってのが真相で...(苦笑) (10/18) ■トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーンの演奏会。18日のオーチャードホールにおける単独公演と、昨日の東京芸術劇場における名古屋フィルとのジョイント公演を聴き終わりました。が、昨日の終演後、セバスチャン氏を囲んでの食事会を行い、私は、その後彼をホテルまで送ってから帰ってきたので、すっかり「午前様」。今日は今日で、朝から研修で都内まで出かけねばならず、いつもより早起きしなければならないという状況のため、すんませんが、本日は簡単な所感のみとさせてもらいます。 ■とにかく、十二分に「堪能」いたしました。単独公演はもちろん、昨日のジョイント公演も然り。名古屋フィルを生で聴いたのは初めてだったと思うけど、とてもいい演奏だったもの。で、その"要因"(または原動力)はというと、そりゃもう「ウィーン組」の参画に尽きると。とにかく彼らの持つ、そして放つ「音楽」の力、そしてオーラを、改めて強く実感した演奏会でありました。名古屋フィルの面々、あんなにシャカリキに、そしてあんなに楽しげに(ニコニコして演奏している奏者多数>これは、日本のオケにおいては極めて珍しい!>はず^^;)演奏したことって、そうそうないんじゃないかなぁ。でも、否応なしにそれを「させられてしまう」隣席のウィーン組たちの力。それは、単に技術的なものだけに起因するのではなく、「音楽そのもの」によるんだよね。ウィーン組たちが、それも年長者・若手共に兼ね備えている「音楽する心」、そして、実際的な「音楽の力」(←表現力、表現意欲、そしてもちろん表現技術。そんなこんなを諸々総合しての「力」)。これに周りの名古屋フィルの面々が大いに触発されていたことは間違いない。結果として、非常に「音楽的な」ドヴォルザーク(チェロ協奏曲)や「シェエラザード」を聴くことができたと(ある意味相当な皮肉を言ってるようにもなりますが...^^;)。単独公演の時も、若手(?)女性ヴァイオリニスト(名前は敢えて伏せます^^;)が弾いた「メンコン」で、その「力」の差をいやと言うほど思い知らされたもんなぁ。とにかく、立っている音楽的ステージ、つまり「格」が違いすぎて、聴いててツラかった(オケ側の演奏は心から堪能しましたが^^;)。っていうか、よくまぁあの面々の前でソロを弾いた・弾けたよなぁって、その勇気(蛮勇か^^;)に敬服したからね(その点、昨日の「ドボコン」を弾いた古川展生氏は"立派"なものでありましたが)。「彼我の差」ってのは、やっぱり大きいねぇ。でも、名古屋フィルの面々は、その「差」を積極的に受け入れて、そしてそれを糧にして「音楽」を作っていたと思う。そういう意味では、このジョイント企画、すごく価値のあるものなんじゃないだろうか。名古屋フィルって、ホーネックを"首席客演コンサートマスター"に遇してもいるようだから、こういったウィーンとの結び付きをどんどん前向きに生かして行ってほしいね。--- そうそう、首席ホルンの近藤敬氏は、「シェエラザード」の1アシをウィンナホルン(ユングヴィルト)で吹いておられました。その姿勢や良し(エラそうに^^;) ■ありゃりゃ、「簡単に」なんて言ってたのに、結構書いちゃった(笑)。もう寝ないと大変だ。あと、ジョイント公演が結構楽しめたんで、当初計画していなかった明日の「スーパー・ガラ・コンサート」ってのにも行ってみることにしましたんで、その辺も合わせて、後日総合所感を述べさせていただくということで(←ホントに!?>自爆) (10/21) ■その後足の具合はどうなんだ?と気にされてる方もいらっしゃるでしょう(いないか>爆)。実はまだ完治しとらんのですわ。さすがに「最悪」の状態だった頃に較べればだいぶ良くはなっているものの、まだ足を完全に曲げることができない。太股の上側の筋肉(か筋)に痛みが残っているので、そこに力が加わるような動きは軒並みNGってことなのね。なので、実は一番つらいのが椅子に座っていることだったりする。特に電車やバス、あと、コンサートホールの椅子(笑)といった、割と深く腰を下ろさねばならない高さ・位置にあり、かつ、足を伸ばすことができない(難しい)椅子がしんどい。最近で最もヤバかった(笑)のがオーチャードホールの椅子で、高さも中途半端だし、大体において前列とのピッチが余りに狭すぎる!(八つ当たり^^;)。実は遅刻して行ったものだから、曲間の短い時間に腰を下ろさねばならず、ワサワサと自席まで入って行ってドスンとお尻を座面に落とした途端、左太股に激痛が!!(一番痛い角度でやんの!>泣)。いやほんと、笑い事じゃなく「シャレにならん」痛さでしたわ。隣りの席のウィンナホルン会奥田安智氏に自身の足を動かしてもらい、私の膝を伸ばせる空間を作ってもらったおかげで以後はなんとか我慢できたけど、いやはや、ありゃ参りました。しかし、「事故発生」から、かれこれもう2週間。ここまで長引くとは思わなんだ。車も運転してないんだよなぁ。私の車はマニュアルミッションなんでね、クラッチ操作ができないから運転できんのです。おかげでいろんな部分で不都合も生じているし...。今度の週末からシンフォニカの次回演奏会へ向けての練習が始まるんで、それまでには車を運転できる状態まで回復させないと、マジ困るっす。 ■「パイパーズ」誌に載っている、N響ティンパニ奏者久保昌一氏による<ウィーン式ティンパニ>に関するインプレッション記事。非常に面白いですな。なんでも、我がTWVが先に演奏会を行った三鷹・風のホールを管轄する三鷹市芸術文化振興財団が、当ホールのレジデンスオーケストラである"東京モーツァルトプレイヤーズ"のために購入した物だそうだけど(ちなみに、"新品"の購入は可能なのであります。当団打楽器奏者シュスター氏監修により製造・販売されておりますので>どうでもいいけど、1ヶ月前の演奏会時点で、あのホールにこの楽器があることがわかってたら、ダメモトで借用を申し出たんだけどな^^;)、「シンプル」であるが故の数々の利点といった部分や、ウィーン縁の作曲家の曲を演奏する場合の音色的適性といったあたりの話は、そのままオーボエやホルンなど他の「ウィーン式」楽器にも通じるものであって、彼らが「ウィーン式」を使い続ける理由が、単に伝統の継承や懐古主義といったものによるものではない、極めて合理的な判断に基づくものなのだということが改めて認識できる。で、この辺の話は、同じパイパーズに出ている、ウィーン在住のアマチュアテューバ奏者大島隆一さん(当ページ芳名録にも何度かご登場されていらっしゃいます)による「ウィンナテューバ『免許皆伝』」という記事にも共通する内容なので、合わせて読むと非常に興味深い。「ウィーン式」の奏法を学ぶことで、それまでご自身で持たれていた「テューバ」という楽器そのものの音のイメージが変わってしまったという話や、以前は「騒々しくて退屈」と思っていたブルックナーの音楽に対する思いが一変してしまったなんて話は、非常に共感を覚えます。そう、本気で、そして心の底から「ウィーン式」にのめり込んだ者にしかわからない感覚。"パートタイマーさん"(笑)には、たぶんわかんないですよ、この感覚は。(10/22) ■いやぁ長かった。例の「スーパー・ガラ・コンサート」ね。行ってきたわけですが、開演が6時半だったのに、終わったのがなんと10時!(途中30分間!の休憩含む)。いくら「スーパー」だからって、こりゃ長すぎだっつの(笑)。会場は座席数5000席(!)の東京国際フォーラムAホール。PAも使用しての(たぶん使ってたと思う)演奏会だったから、マジな「論評」は御法度だと思うけど、それでも、基本的には楽しみました。ただ、「基本的には」という留保を付けたように、曲によって"デコボコ"があったのも事実で、この辺、「長さ」をより一層感じさせた要因だったかもしれない。まぁ、細かなことは後日とするけれど、一番印象的だったことを一点だけ挙げれば、「ウィーンフィルと名古屋フィルの"境目"」ということになるだろうか。何のことかというと、合同演奏の何曲かで、弦のトップを務めていたウィーン組が降り番となり、また管(と打)も、基本的には名古屋組がトップを担当するってのがあったのね。つまり、基本的には"素"の名フィルになって、そこにウィーン組の何人かが補助的に加わるという形。で、この形になった途端に、演奏がすっかり「名古屋フィル」になっちゃったと(笑)。いや、先にも書いたように、私自身名フィルを生で聴いたことがなかったのだから、軽々に決めつけてはならんことだとは承知しているけれど、でも、やっぱあれが"素"の名フィルなんだろうなぁ。とにかく、音色に文字通りの「色彩感」がなくなっちゃったし、何よりキレがないのよ、音の立ち上がりやアンサンブルに。例えば、「コンマスが違うと、同じオケでも音が変わる」なんて話は良く聞くものだけど、ありゃ、まさにそれでしたな。その後シュトイデをはじめとする弦トップ陣が戻り、でも実はトップサイドで弾いたりもしていたのだけど、基本的には元の「良い状態」の合同オケの音になって、うーむ、「境目」はそこかぁ、と...。いや、非常に興味深い事例でございましたよ(^^;。しかし、あのホールはやっぱ「クラシック」に使っちゃいかんよねぇ。とにかくデカすぎて、音響的にも視覚的にも「雰囲気」が出ないもの。今回はセバスチャン氏に用意してもらった招待券で入場させてもらったので、最初は1階席後方で聴いていたのだけど、あまりに隔靴掻痒の感が強いので(なんとなく意味はわかるでしょ?)、ならばと、後半は見晴らしの良い2階席に移動。これで随分と精神的にも楽になりましたがね(笑) ■さて、そんなこんなしてる間にだいぶ夜も更けてしまったのだが、今日はまたしても早起きして"遠出"をしないといけないのだ。行き先は埼玉県の越谷。ここで、先週神戸・名古屋で行ったのと同じ某量販店勉強会を行うのだが、朝の9時ちょい過ぎに現地集合だから、家を7時には出ないと間に合わない。前にも書いたことあるように、埼玉のこのあたりってのが、拙宅からはある意味「一番遠い場所」なのね。中途半端な距離で宿泊出張にはできないから、結局、当日早起きして向かわないといけないと。でもって、これが2日連続なんですわ。というわけで(?)、私は、今晩都内(もしくは埼玉のどこか)に宿泊しようと思っております(苦笑)。一応パソコンは持参するんで、当ページの更新は行うつもりですが。(10/23) ■結局、浅草のカプセルホテルに泊まっております(1泊2900円!>笑)。が、パソコン、携帯電話共に電池の残量があとわずかという状況なので、すみませんが、今日のところはこれにて失礼。それにしても、周りは酔客ばっかりだ(苦笑)。あと、はす向かいのカプセルの人は、カーテンを半分くらいあけた状態にしてタバコふかしてる。言うまでもなく、カプセル内は禁煙なんですがね>ちょっと、ヤバめな雰囲気(汗) (10/24) ■急に焼き肉が食べたくなることありますよね? いや、あることにしてよ(爆)。昨日の私がそうで、越谷での仕事が終わりに近づいた夕方頃から無性に食べたくなり、その思いをどうしても遂げようと(笑)、帰り道に北千住で途中下車してしまいました(^^;。とは言え、北千住の街は初めてだから、どこに焼き肉屋があるかなんかわからない。付き合わせた若手と2人して、「あっちから焼き肉の匂いがする!」なんて言いながら探し回ること十数分(アホだね、俺ら^^;)、ようやく「牛角」を見つけて、見事「大願成就」(爆)と相成った次第。今や首都圏至る所にある牛角だけど(ウチの近所にもある)、実は入ったのは今回が初めて。っていうか、焼き肉自体が実に久しぶりだったんでね、しっかりと食して帰って参りました。ただ、北千住なんて"遠方"で食事(および飲酒)したもんだから、その後の帰り道の長いこと(笑)。満腹で電車に乗ったのに、家に帰り着いた時にはすっかり"通常"の腹具合に戻っておりましたとさ(^^; ■しかし、この酒の飲めない私が、実は2日続けて飲酒してしまったのですわ。しかも、一昨日は1人で(!)。浅草で夕飯を食べようと思って、どこがいいかと駅前を見回したら、かの有名な「神谷バー」が目の前にあるじゃありませんか。1階はバーだけど、2階は洋食レストランって案内だったから、ならばと入ってみたのだが、これがすっかり居酒屋状態(笑)。雰囲気からして、食事するにしても何か飲まないとカッコがつかない感じだし、それにちょっと飲みたい気もしたので、思い切って(苦笑)お酒を発注したと(名物「電気ブラン」ではなくて、カクテルみたいなやつ)。いや、いいトシしたおっさんが何言うとんねん!?って思われるだろうけど、ワタシ的には、これは誠に画期的なことなのですよ。2日続けて酒を飲む私。こりゃやっぱトシ食ったってことっスかねぇ?>天変地異の前触れでないといいけど(^^; ■先に「スーパー・ガラ・コンサート」に行った時に、巨大な会場内をボンヤリと眺めながら、「今、この劇場をテロリストが襲ったりしたら、5000人が人質になっちゃうんだよなぁ。そういう、劇場を襲うテロなんてのは、実際に起こったことあるのかなぁ。そんな小説とか、出てないかなぁ...」なんてことを考えていたんですわ。そしたら、あのモスクワの事件が起こったじゃない。いや、これにはちょっと背筋が寒くなりましたわ。2日続けの飲酒といい、やっぱ私、ちょっと「変」かしら...?(なんかコワい>笑) (10/25) ■いつもより多く休んでしまいましてすみません。とにかく日曜日は眠くて眠くて、朝から晩まで眠り姫状態(誰が「姫」やねん!?>爆)。どうしても床屋には行きたかったので、眠い目をこすりつつなんとか往復してきたものの、あとはもうひたすら寝まくりの一日に。結局、当欄の更新も見送ってしまい、いや、失礼いたしました。で、そんだけ眠れば気持ちもスッキリ晴れ晴れだろう、と思いきや、週明けはやっぱり「会社行きたくない」のモヤモヤ状態で... ダメだこりゃ。 ■先週木曜日にNHK FMで放送されたウィーン・ヴィルトゥオーゼン演奏会の模様(今年9月1日の「シューベルティアーデ」でのもの)。留守録はしていたものの、なんだかんだで再生することはしていなかったのだが、「メンバーが一部変わってましたね」とのご連絡を頂戴したことから、慌てて聴き返すことに。で、確かに変わっておりました。昨年の来日公演時からということで言えば、1stヴァイオリンがキュッヒルからシュトイデに、チェロがバルトロメイからヘルツァーに、そして、クラリネットがオッテンザマーからトイブルに。すわ、メンバー大幅入れ替えか!? って早合点もしそうだけど、うーむ、これはちょっと微妙ですな。なぜなら、3日後にウィーンフィルとしての演奏会(ヤンソンス指揮による「ドン・キホーテ」他)を控えていたからで、特にバルトロメイなどそこでソリストを務めるわけだから、リハーサル開始日と思われるこの日に演奏会に出ているわけにはいかなかったろうと。で、他の2人についても、おそらく同様の理由だったのではないかな。だって、当アンサンブル主宰者であるオッテンザマーが出ないってことは、そりゃ基本的に有り得ないことだもの>実際には「有り得た」わけだけどね(^^;。というわけで、図らずものイレギュラー・ヴィルトゥオーゼン(笑)ということになったのだが、しかし、これが良かったんだなぁ。昨年、「キュッヒル主導」のアンサンブルに生まれ変わった当団体の演奏を聴いて、基本的には楽しみつつも、その芸風の変化に大いなる違和感を感じたことは当欄にも書いたけど、今回聴いたシュトイデを"コンマス"とする演奏は、なんか、以前の「ホーネック時代」に通じるような、アンサンブル全体としての楽しさ・一体感に満ちたもので、私としては、非常に満足度の高い内容だった(客席も沸いてた)。シュトイデって、ほんと「いい音楽」するよなぁ。先の"トヨタ"でも実感したけど、今回のヴィルトゥオーゼンでの演奏を聴いて、改めて感嘆。個人的には、キュ氏と交代してほしいくらい。いやマジで(キュ氏ファンの皆様、どうかお怒りにならないよう^^;)。ヘルツァーのチェロも、バルトロメイのような強い"主張"は感じられないのだけど、要所要所をしっかり締めていて、極めて「室内楽的」な演奏となっていた。いやほんと、このメンバーでのヴィルトゥオーゼンも、極めて魅力的でっせ。というわけで、思いもよらない大収穫。でも、もう二度と聴けないかもしれないメンツでの演奏。そういう意味では、非常に貴重な録音だったと言えるかもね。(10/29) ■本当は昨晩から仙台出張になるはずだったのだが、結局出かけず止まっている。いや、別に体調を崩したとかいうわけじゃない。例の某量販店勉強会の仕事だったんだけど、"主催"の営業部隊から「今後は同行しなくて結構ですから」と一方的に打ち切られちゃったというのが真相で...。交代で先生役をやっていた若手の方に一本化するから、私は会社で仕事をしていろと、そういうわけだ。確かに連続して外出してたからね、立場上マズいかなという気はあったのだけど、でも、実際には「現場」が好きなんでね、ついつい出かけてしまっていたのだった。でも、もうダメだと。あーあ、つまんねーの(笑)。社内にいて、自分のデスクでじっと仕事してるってのは、正直しんどいのよ。時々外出・出張して「外の空気」を吸う。そして、私にとって"天職"であるところの「先生役」の仕事をこなす。これがないと、なんともメリハリがつかない。だけど、せっかく久々に巡ってきた今回の"巡業仕事"(笑)を、上記のように一方的に打ち切られてしまったわけで(「いや、俺がやる!」って我を張るわけにもいかんしねぇ^^;)、なんとも残念。仙台に行って牛タン食いたかったなぁ>って、目的はそれかよ!?(爆) ■例の「スーパー・ガラ・コンサート」は、もう1週間前のことになってしまうのだが、どうしても触れておかねばならない話が2件あったので、今さらながらなれど書きます。まず、ソリストの1人として登場した若手女性フルート奏者の高木某(CMにも出てますなぁ)。その演奏については、敢えて言及するほどのものもない内容だったのだが(如何にも若い、否、「青い」音楽だった)、"問題"は演奏後に受けたインタビューだ。司会者(=元テレ朝の朝岡聡氏)が楽器のことに言及して、「高木さんのフルートは銀の楽器ですね」って話題を振ったら、あのおなご(笑)次のように言い放ったのだ。「はい。今日後ろで演奏しているウィーンフィルのシュルツは金の楽器なんですけど、私は銀の方が好きなんです」。おいおい!それを言うなら「シュルツさんは…」だろうが!!テメェ何様のつもりなんだっ!!!(笑)。この時、当のシュルツ氏は舞台袖に引っ込んだところだったので、幸いにして(?)おなごによる呼び捨ての"現場"にはいなかったわけだけど、私、瞬間冷や汗が出ましたよ。「シュルツ」って、おまえなぁ、そういうこと言うか!? 当の本人がいるんだから、さん付けして呼ぶのが当たり前だろうが。そんな「常識」さえも持ち合わせていない御仁なの、キミは? これ、演奏家である以前に、人間として実に恥ずかしい行為だぜ...。まぁ、この一点を以て彼女の人間性すべてを判断してはならんのだろうけど、でもね、ああいうところで「本性」は出ますよ。私、長年の経験から(笑)そう確信しております。よって、彼女は「そういう人」なんだと>すんげぇ決め付け(そういや、「ウィーンフィルの弦は世界一って言われてるんですけど」って講釈まで受けちゃったな。この私が、あんなオネエちゃんからウィーンフィルのことを教えられるとは思わなんだよ>笑)。次に、当日の合唱団。アマチュア団体ゆえ敢えて名前は伏せるが、いやぁこれはショボかった。200人くらいで歌っていたと思うんだけど、とにかく迫力がないし、キレもない。まぁ、会場がデカすぎたからね、客席に届く声の迫力という点では多少は影響したかもしれんが、でもねぇ、それ以前の問題だと思うんだよなぁ。つまり、自分たちが歌う「音楽」の姿がまったくわかっていないまま歌っていたのではなかろうかと。若い人が少ないおじさんおばさん合唱団だったけど、彼らって、自分たちが歌った「椿姫」だとか「アイーダ」だとか「タンホイザー」だとかのオペラを、実際に生で観たことがないんじゃないかって思っちゃった。だって、もし観たことがあるんだったら、とてもあんな"なまくら"な歌唱はできないはずだから。その歌がどんなシーンで歌われるもので、"本物"の合唱団たちは、そこをどういう風に歌っているのかのイメージがあれば、少なくとも、そのイメージを形にしようとする姿勢は感じられたはず。が、当日の彼らの歌唱からは、そういうイメージ、姿勢がまったく伝わってこなかった。いや、"結果"が伴わないってのは仕方がないと思うのですよ。彼らにとっては不利な条件が多かったと思うし、大体においてアマチュアなんだから。でもね、「イメージを具現化しようとする姿勢」ってのは、つまり"過程"の部分ってのは、プロもアマも関係ないと思うんだよね。それが見えれば、聴く側はそれなりに楽しめると思う。しかし、少なくとも私は、当日の彼らからそれを感じることはなかった。せっかくの「スーパー・ガラ」だったんだから、合唱団にも"お金"をかけてほしかったなぁ>トヨタさん(本来なら、ウィーン国立歌劇場合唱団を連れて来るべきものなんだろうけどね>だって、トヨタは国立歌劇場の大スポンサーですから^^;) (10/30) ■買い始めるとキリがないし、大体において極めて違法に近い(っていうか違法な?)代物だからと敬遠していたCD-R盤なのだが、昨日ついに購入してしまった。仕事で秋葉原まで行ったんで石丸電気に寄ってみたところ、「思わぬ1枚」があったんで、つい...("出来心"ってやつで^^;)。その「思わぬ1枚」ってのは、アーノンクール指揮によるドヴォルザークの「黄金の紡ぎ車」やスメタナの「モルダウ」などが収録されている物。そう、これって、つい1ヶ月前にウィーンで聴いて来た演奏会のプログラムなんだよね。CD-Rの音源は、そのウィーンでの公演の後に行われたブレーメンでの演奏会(10月1日)の模様ということらしいのだが、それにしたって、1ヶ月経たないうちにCD化(っていうかCD-R化^^;)しちゃってんだから、商魂逞しいっていうか、盗人猛々しいっていうか、ニューイヤーコンサートもびっくりっていうか...(笑)。音もいいんだよねぇ。どう聴いたって、会場の吊りマイク(もしくは放送局のセッティングしたマイク>こっちが"正解"かな)で録音したとしか思えない音質。いやほんと、今さらながらびっくり。なんだか悪事に加担したような居心地の悪さを感じつつも、1ヶ月前の巡礼を思い出し、ある種「望郷の念」のようなものを抱いて聴き入った私でありました(^^; (10/31) |