アクセスカウンタ10万件到達記念

あなたの「当団オススメの1枚」を教えて!

お詫びかたがたの口上

いやぁ、誠にもって面目ない。昨年('98年)11月に、アクセスカウンタ10万件到達を記念して皆様から募集させていただいた「当団オススメの1枚」。ズルズル・ダラダラとまとめをサボり続けておりましたら、あっという間に半年が経過。アクセスカウンタも15万件に到達してしまいました。
いくらなんでもこのままではアカン!ということで、"アクセスカウンタ15万件到達記念"(爆)として、ようやくまとめさせていただいた次第。
ご投稿くださった皆さん、本当にお待たせいたしました。そして申し訳ない。今なら違う演奏を推薦するのに、といったこともあるかもしれませんが、その辺は、何卒"よしな"に...
それでは、半年遅れではありますが、皆様からの「推薦文」、篤とお読みいただきたく。

●ご投稿の到着順に掲載しています。
●曲目およびレコード/CDに関する情報の記載については、基本的にご投稿のままとしております。


R.シュトラウス:町人貴族 マゼール指揮
DECCA(LONDON POCL-9725)例の「春祭」とのカップリング
推薦者:鈴木 真樹さん

マゼールでさえ「当団」相手に手の下しようがないほど、曲が「当団」そのものになっちゃってる上に、「黄金の」60年代のベストメンバーが(グルダまで引き入れて)室内楽的に遊びまくる。この音楽、この決め方、この崩し方、そしてこの音色なのです。各所で「ま、いっか」とニヤニヤしながら「ここはオレが決めたる」炎が裏でチラチラしてます。60年代の「当団」諸氏の確信とプライドです。これこそLP史上かけがえのない遺産。でも、私、プレヴィン&「当団」世紀末精鋭団員による33年ぶりの新録音も、そろそろ切望しております。

●フォルカーからひとこと●
「おっしゃる通り」。私が申し上げるひとことはそれだけです。私たち合奏集団不協和音にとっても「究極の1曲」である「町人貴族」。夢に終わらせないで、ぜひとも音にしたいものですよね、S氏@不協和音。


シベリウス:交響曲第5番 マゼール指揮
ロンドン、シベリウス交響曲全集 430-778-2 (1966年録音)
推薦者:近藤 泰平さん

あらゆる交響曲の出だし(冒頭)のなかで、もっともホルン4本を上手に使った曲だと思います。この曲こそウィンナホルンの独壇場です。マゼールが溢れんばかりの才気を示し、それに対し、オケ全体が見事にこたえています。最終楽章に、ベートーベンの第九「歓喜の歌」の引用があり、木管群により演奏されますが、これを導くかのようにホルンが「北欧の夜明け」を告げます。このあたりは北欧神話の祝祭儀式の音楽のようにも聞こえます。
僕は学生時代、落ち込んだり元気がなくなるといつもこの曲を何度も(一日中のときも)聴いて、再起を図ったものでした。今で言う「癒しの音楽」ですね。京都の銀閣寺の近くに、昔、「ゲーテ」という名曲喫茶がありまして、僕は学生時代ここに入り浸っておりました。そこでいつもリクエストしていたのがこの曲で、その店に在ったレコードはカラヤン/ベルリンフィルの65年録音版でした。この曲については、このカラヤンのものとマゼールのものが双璧をなすものと思います。オーソドックスという意味ではカラヤンに、独創性ならびにホルンのおおらかで素朴な響きという面ではマゼールに軍配を上げたいです。
1966年の演奏なので、誰がホルンのトップを吹いてるんでしょうか。当団の演奏としては87年録音のバーンスタイン版がありますが、ホルンの醍醐味が消されてしまっていてイマイチだと判断します。

●フォルカーからひとこと●
上の「町人貴族」もそうですが、'60年代のマゼールというのは、ほんとに「才気煥発」といった感じでしたね。シベリウスの全集は、どれを取っても聴き応え十分の演奏だと思います。


R.ヴァーグナー:「ヴァルキューレ第1幕」 クナッパーツブッシュ指揮
キング(Decca) 番号は今手元にないのでわかりませんが、スタジオ録音(1957年)の方
推薦者:飯田 克彦さん
私がクラシック音楽にはまったいわく付きの1枚。冒頭の重低音といい、ノートゥングの動機の輝かしさといい、「冬の嵐は過ぎ去り」以降の弦楽器の美しさといい、最後の部分の指揮の遅さにもめげない合奏(バイロイト盤ではめちゃくちゃです)といい、数あるヴァルキューレの全曲/抜粋含めて、これが一番!
●フォルカーからひとこと●
これもやっぱり"ぶっつけ本番"で録音したんでしょうかね?(^^; それはそれとして、当団のワーグナーというのは、ドイツオケによる演奏とはまた違った魅力を持つもの。この演奏などは、まさにその"原点"といった感じのものかも。


ニューイヤーコンサート/カラヤン指揮/1987年ライヴ
DG 419 616-2
推薦者:高橋 直樹さん
「作曲者」、「指揮者」、「オーケストラ」の3つの相性の良さが、一つの芸術作品を作る上で最も成功した例だと思います。各々3つが「我々はこんなによい音楽を録音したことがない」と、各々に感謝しているかのようです。数あるニューイヤーの中でこれほど気品のある、そして遊び心、燃え立つ色気のある演奏はカラヤン指揮のものだけ。両極端の演奏は容易だが、コントロールされた感性を音にするのは至難の技のはず。LDを見て気づいたのですが、楽員も指揮者も全く気負っていない、微笑みさえ浮かべてこの奇跡的な演奏をやり遂げたのは驚異的。指揮者のパワーが全面に出たウィーンフィルの演奏。またはその逆のものは数多いのだが、このCDだけは一体誰が一番の功労者か分からない。やはり3つの奇跡的な出会いの為せる技か?
●フォルカーからひとこと●
このニューイヤーコンサートは、他の年のどれとも違う、「特別な雰囲気」を持ったものでしたね。そういえば、木管楽器も、全パート4人編成だったっけ。これもまた異例のこと。


小沢征爾のアルプス交響曲の中に入っているRシュトラウスのファンファーレ
philips phcp-1800
推薦者:ヨッチャさん
私はラッパ吹きなので、ウィーンフィルの輝く金管アンサンブルが目標です。
モンケタイプでは出ない軽くてやわらかくてキラキラ輝くウィーンタイプのラッパ、病み付きです。
私もヤマハのウィーンタイプ買ってしまいました。このラッパウィンナホルンとものすごく音が溶け込みますよ。
夢はヤイトラーさんたちがやっているトランペットコアーをぜひウィーンタイプの楽器でそろえて演奏してみたいのです。
本題から少しずれちゃいましたが、ウィーンフィルのファンファーレが私の一押しです。最後のヨハネもいいですよ。
●フォルカーからひとこと●
本編のカッコいい「アルペン」も聴きものですが、その"余白"を埋めているファンファーレもまた、当団ならではの演奏。よくぞこういうカップリングをしてくれたものと、フィリップスに感謝感謝です。ほんとに。


G.Mahler sym.No.9 Bruno Walter Wph 1938 MV live

推薦者:Wien 18区の住人さん
1950年のマーラー大地の歌(B.ワルター)、カラヤンのウインナワルツ(1949年付近の『酒、女、歌』、『ウイーン気質』、『トランスアクチオン』等)と大いに迷いましたが、1938年のマーラー9番を選びました。
もう25年くらい前の中学校時代の夏休み、NHKFMの午前中の放送を何げなく寝ころんで聞いていたらこの演奏が流れ、あまりに凄い演奏に居を正した記憶があります。その前からワルター コロンビア響の演奏やCBS SONYのおまけについていたリハーサル版等を聞き込んではいましたが、同じ指揮者でこれほど演奏が違うものかとガクゼンとしてしまいました。
この演奏は、ナチス併合直前の切羽つまった環境が成し得たものであるという説とそれは後の聞き手が勝手に想像したものであるという説の2つがありますが、皆さんはどのようにお考えですか? いずれにせよ、何度聞いても飽きません。
今ウイーンに住んでおり、この文章を書くにあたってCDを購入しようと街に出てみたのですが(CD、レコードはほとんど日本に置いてきてしまったので)、オペラ座周辺のEMI等の店、マリアヒルヒャーのバージンメガストア等には在庫がありませんでした。クナッパーツブッシュのワルキューレ等もなく、昔の名演の在庫は寂しい限りです。それに引き換え日本(東京だけ?)は非常に恵まれていますね。
●フォルカーからひとこと●
聖地のCD事情は確かにあまり芳しいものではないのでして、種類も値段も、日本で買う方がずっと条件が良いようです。当団メンバーたちも、来日公演の際に、CD探しに出かけるらしい。いや、ほんとに(^^;


Neujahrskonzert 1987
CD:DG POCG1150 LD:SC CSLM907
推薦者:GOTさん
 カラヤン教信者の私としてはやはりカラヤンのものから。
ムーティ(ちなみに今はムーティファン)が「神の声」と言ったブルックナーか、若い頃のブラームスか、それともオペラから?いや、ウィーンフィルにしかできない演奏、シュトラウスファミリー。ニューイヤーコンサートだ!

 当時16歳にして既にカラヤン信者だった私はどきどきしながら衛星中継のテレビを見ていました。体調不安説が流れていたカラヤンが本当に出るのだろうか?拍手が起こり白髪が右手から出てきたときのあの身震い、こみ上げてきたもの。今でもはっきり覚えています。

 始めはやや手探りだったり「こうもり」がやや重かったりするものの美しすぎる「ドナウワルツ」、”帝王”が振る「カイザーワルツ」。これぞカラヤンとウィーンフィルの長年の共同作業の結果といった名演だと思います。後年カラヤンが語ったようにあのコンサートは「重大な転機」だったと思います。「カラヤンがすべてウィーンフィルに任せてしまっている」。そして「ウィーンフィルがそれに応えている」。私はこのコンサートが「カラヤンがウィーンに帰ってきた」コンサートだと思っています。クーベリックの復帰コンサートのように。

 前に挙げた曲以外にもいい演奏が目白押しなのですが特に好きなのはヨーゼフ・シュトラウスの2曲。ワルツ「うわごと」とポルカ「憂いもなく」。去年の来日時のアンコールで「うわごと」をやりましたが「ちょっと違う」。カラヤンのはもっと艶やかで色気があり”粋”だった。(もっとも聴けたことに感動はしてましたが)。アンコールに「憂いもなく」を持ってきたところにユーモアというかセンスを感じます。「笑い飛ばしてしまえ」といった感じで。のちの私の人生においてこの1分ほどの曲がどれほど勇気づけてくれたか。

 のちにムジークフェラインに行ったときも(ウィーンフィルではありませんでしたが)「ここがカラヤンとウィーンフィルがあのニューイヤーをやったところだ」と胸が熱くなったのを覚えています。

 私が持っているのはCDではなくLDなのですがバレエも演奏の効果を高めていると思います。個性と調和。エレガント。これぞウィーン!私にとってウィーンフィルだけでなくウィーンを思わせる一枚。それがニューイヤーコンサート1987です。

 ちなみに次点はカラヤン&ノーマンのトリスタン、前奏曲と「愛の死」。この世の中にこれ以上官能的(簡単に言えばエロい)ものがあるだろうか?

●フォルカーからひとこと●
おっと、またまたカラヤンのニューイヤーの登場です。やっぱり「特別」な演奏なんだなぁ。そうそう、このコンサートの映像を見ると、「春の声」のバトルの後ろに、ヴァイオリンのリンケ氏の顔が見えるのですが、その表情が実に楽しげ。ああいう姿もまた、当団の楽しさでありますよね。


A. Bruckner Symphony No.4, Cond. by Karl Boehm

推薦者:大木 誠さん
わかりやすい演奏.特に2楽章の3連音符を1番ホルンと1アシが交代している様子がわかりすぎ.それでいて,木管楽器や弦楽器のアンサンブルも繊細で心地よい.4楽章のCoda は,「これぞウィーン・フィルのBruckner」と感じさせてくれます.
私はこのCDが最初の1枚目だったのですが,初めて聞いたとき「買ったばかりのCDプレーヤーなのに,壊れてる?」と思ったほど,一種異様なホルンの響きが楽しめます.
これを聞いた後は,他のオケを含めてどのBruckner No.4 を聞いても,「ガラムマサラが入っていないインド・カレー」のように聞こえてしまいます.

##ちなみに,私の第2位はG.Mahler Sym.No.1 with 4th section of his No.5,
##Cond. by Lorin Maazelです.
##「1番」を聞いた後の高ぶった心を,「5番の4楽章」が癒してくれます.
●フォルカーからひとこと●
いかにもウィンナホルン会的マニアックな聴き方ですね、大木氏(^^;。で、同じ楽しみ方をするのであれば、メータ指揮のブルックナー9番なんてのもよろしいですよね(^^;


ブラームス ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83 Boehm,K./c,Backhaus,W./Pf
Dec 448 600-2 E:LP (UK)Dec SXL6322"ZAL7857/8
推薦者:大野 真一さん
75年来日ライブをはじめ、一押しは数限りないと思えますが、私は悩んだ末これにしました。冒頭のホルン(上のBは変だけど、語りかけるようなこのウィンナの響きだと不思議にいいんですよ。これが。)をはじめホルン会は快心の演奏で、ピアノのバックハウスはもちろん、ソロチェロのブラベック?もすばらしい。指揮はベームだし。これでヘッツェルが居たら.....でも一押しです。
後もう1曲、モーツァルト ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595 Abbado,C./c,Gulda,F./Pfです。
なんだか私の好きな曲と、当団がメインじゃない曲を選びましたが、伴奏の時のウィーンフィルって、特にイイですよね。例えば2楽章の単純なホルンのキザミひとつをとっても、この演奏は、当団ならではでしょう。
●フォルカーからひとこと●
同じブラームスのピアノ協奏曲第2番ということでは、私はポリーニ&アバド盤も大好きです。っていうか、あの演奏の冒頭のホルンの音こそ、This is Wienerhorn(英語とドイツ語がごっちゃだっつーの^^;)であると。吹いているのは、"もちろん"ベルガーです!


Bruckner Symphonie Nr.8 (Dirigent; B.Haitink)
Philips (Musikverein, 1995)
推薦者:藤本将徳さん
●フォルカーからひとこと●
藤本さんからは、コメントをいただけませんでした。何かの折に、ぜひとも"思いの丈"を聞かせてください(^^;


ドボルザーク:新世界交響曲:イシュトヴァン・ケルテス指揮当団演奏
英DECCA:417 678-2(CD)1988年盤、キングレコードSLC1095(LP)1962年盤
推薦者:水谷康男さん
LPレコードの方は盤が擦り減るまで聞きました。
同じ指揮者で後に、ロンドン交響楽団で交響曲全曲録音したものよりも、格段に素晴らしい演奏。
情熱的で、且つ気持ちの良い、しかも好録音(当時としては)でした。
未だに、若くして水死したことが残念でなりません。
●フォルカーからひとこと●
ケルテスの当団デビュー盤でしたよね、確か。おっしゃる通りで、ほんとに素晴らしい演奏。私も、レコードを何回聴いたかしれません。オケの音が、非常に透明感のあるものだったと記憶しています。


ワーグナー「妻コージマのための子供の問答」
英デッカ SET406/8
推薦者:藤本 眞一さん
 ワーグナーのライト・モチーフ集の英語版の片隅におまけで載った曲。未CD化音源。所要約3分。日本版のライト・モチーフ集にはなぜか省略されるという不幸な運命の曲。そういうわけで、日本ウィーン・フィルハーモニー友の会ディスコグラフィからは欠落している。
 曲は、ウィーン少年合唱団のソプラノにより、「子供たちよ、5月に咲く花は何?」、「ばら(ロゼ)だよ。」、「それじゃ、クリスマスには何?」、「優しい(コゼ)ママ、コジマ」などというドイツ語のダジャレ(?)の応酬をWPhの室内楽伴奏で行う美しいもの。なお、曲名も、歌詞も藤本 眞一のつたない訳です。正しい曲名や由来をご存知の方はご一報ください。
●フォルカーからひとこと●
さすが重鎮F氏、マニアックな線を狙ってきましたねぇ。これって、聴きたいと思っても、そうそう簡単には耳にすることができないわけでしょ。聴きたかったら、F氏邸の"音楽室"を訪ねないとダメって?(^^;


R.シュトラウス:「英雄の生涯」 ベーム指揮
ソニークラシカル(?), LD(1962年のウィーン芸術週間ライヴ?) <-詳細忘れてしまいました。違うかもしれません。(_ _)
推薦者:Hikarlさん
一言でいって「凄い」演奏。

なんといってもボスコフスキーのヴァイオリン・ソロ!
よくウィーンの弦楽器奏者って何をどう弾いても「ウィーン訛り」の一言で片づけられてしまうのだけれど、このソロは技術的にも極めて高いです。これよりも凄いソロは、少なくともウィーンフィルの録音で聴いたことはありません。(勿論、ヘッツエル大先生のソロもそれはそれは凄い演奏なんですが、オケの演奏がいま一つ印象にないもので・・・。)

勿論、オケでは冒頭で「やっちゃってくれている」のですが、調子をあげてくるに従ってこれまた隙のない演奏になっていきます。この演奏を聴くまで、R.シュトラウスの音楽は「豪華な音色なんだけど長くて退屈な曲」というイメージしかなかったのですが、一気に目覚めてしまいました。本当に何回見ても飽きないし、本当に曲の長さを感じさせないんです。こういう演奏はなかなかないです。
これがこの時期のベーム=WPOの音楽なんでしょうね。

それとベームは打点の良くわからん指揮者というイメージがあったのですが、この時期のベームは技術的に巧いとは言えないと思いますが、「何をして欲しいか」が全身でわかる素晴らしい棒を見せてくれます。これだけでも一見の価値ありかと。

●フォルカーからひとこと●
発売元は、ソニーではなくてEMIですね。しかし、この映像はほんとに涙モノで、我がホルン会も、若きベルガーの大活躍を目にすることができます。かつての当団の持ち味であった「男臭さ」を感じる演奏です。


アバドのベートーヴェン序曲集
ドイツグラモフォン(表紙がクリムトの第九のイメージ)
推薦者:三軒茶屋道楽娘さん
おぉぉぉおおおお!! なんだ、このノリノリの『シュテファン王』は!
ウィーンフィルをこんなにノセたのは誰だっ。 バーンスタインか?!…と思ったら、あらま。アバドさんじゃないですか。
一見おとなしそうなマエストロと、一見お固そうなウィーンフィルが、『エグモント』や『コリオラン』ならいざしらず、『シュテファン王』をここまで面白くしてしまうとは。明るい音色、快いテンポ。ちょっと驚きの意外な一枚・意外な一曲です。
その他の序曲も定番ながら、元気いっぱい。ぜひ、カラヤンetc.の同序曲集と聞き比べてみてください。この一枚がとても新鮮な演奏に聞こえるはず。
ベートーヴェンの序曲でウキウキするのも悪くない。なんならこれをBGMにダンベル体操でもしてみてください。何か御利益があるかも知れ…(おいおい)…。
●フォルカーからひとこと●
交響曲全集のオマケとして録音された序曲集。しかし、その演奏は決してオマケというものではなく、「山椒は小粒でもピリリと辛い」存在感を示すもの。この辺が、このコンビの美点か。ありそうであまり数のない序曲集。持ってて損はない1枚ですよね(と言ってて、実は持ってなかったりする私であったりもするんだけど>おいおい^^;)。


モーツアルト:ジュピター、ラベル:ダフニスとクロエ クレメンス・クラウス指揮
REFRAINかどこかのCDだったと記憶しているが
推薦者:柴田 優さん
一言でいって「凄い」演奏。

ジュピターが圧巻ですよ、これは。
早い、早い、台風19号も真っ青・・、かと思うと、ふと、情緒纏綿に歌い出す。この変幻自在な指揮振り。こんな勝手な解釈をしたらアマデウスも怒り出すのは必定。それでいて、この曲の祝祭的な特徴を余すところなく展開してみせるところはなかなかの腕前と思われる。

でも、結局この特徴のほとんどは詰まるところオケの機能に依存していることがほのかに分かりかけてきた。つまり、指揮者とオケのコンビネーションの賜物であり、古き良き時代とやらの典型的な遺産に他ならない。

●フォルカーからひとこと●
この演奏は聴いたことがないんで、ぜひ聴いてみたい1枚ですね。その"快速"ジュピターも面白そうだけど、昔の当団が演奏するダフクロってのにも興味津々。「怖いもの見たさ」の1枚?(^^;


ショルティによるリング全曲(50年代録音)・・・1枚でなくて失礼
LPでしか持っていません・・・手元にないので番号は分かりません
推薦者:Naoさん
余りに有名な演奏・録音で,いまさらという気はしますが,当団の素晴らしさ,凄さが発揮されたものだと思います。特にホルンセクションの充実ぶりには目を見張ります。
録音も,今から40年前とは思えないほどです。ラインゴールドの出だしの低音は余りにもの凄く,床がうねってくるほど・・・
解説にローラント・ベルガーの写真があって,実に若い。「ウィンナホルンをトランペットの如く扱うローラント・ベルガー」なんてキャプションが泣かせます。
●フォルカーからひとこと●
この「リング」のメイキングビデオを見ると、マスターテープを、その場で"切って貼って"してるんですよねぇ。当時のデッカのエンジニアの、あれもまた「神業」と言えるでしょう。いろんな意味で「記念碑」的ディスク。


モーツァルト:ディヴェルティメント二長調K131 ボスコフスキー指揮ウィーン・モーツァルト合奏団
DECCA 430 313-2
推薦者:高橋 宗夫さん
CD8枚組みというセット物ですが、比較的最近バジェットプライスのボックス物が再発売となりお求めやすくなっています。なおLPでは以前LONDONのSTSシリーズで単売されていました。
この曲は一般的にはほとんど知られていませんが、モーツァルト16才の1772年に作曲されました。編成は弦楽五部とフルート・オーボエ・ファゴット各1およびホルン4本、6楽章から成る大作です。アインシュタインに依ればこの曲はディヴェルティメントというよりセレナーデと呼ぶべきであろうと言っています。
さて、ホルン4本といえばご存知の方ならすぐにK130・K132など同時代に書かれたシンフォニー、二つのト短調シンフォニー、K318などが思い出されると思います。しかし、これらのシンフォニーにおけるホルンの使い方が当時の楽器の制約からか調性の異なる2本のホルンをペアで使用しているのに対し、この曲では4本のホルンがすべてD管で統一され、いたるところでホルン四重奏を聴かせてくれる使い方となっています。モーツァルトにとってこのような試みはこの曲が最初で最後であり返す返すも残念ですが、もしモーツァルトがこのディスクを聴いていたらきっと何曲もこのような編成の曲を書いてくれたことでしょう。
録音は1968年Sofiensaalで行われており、弦はややうすいものの典型的なDECCAトーンで美しい響き聴かせます。演奏はもちろん素晴らしいもので、この曲のこれ以上の演奏は将来にわたってもおそらく出てこないだろうと思います。やはりこの頃がウィーンフィルにとって栄光の時代だったと思わざるを得ません。なおホルン奏者のクレジットはありませんがRoland Bergerがトップを吹いているものと思われます。(彼のクレジットがあるK100のセレナーデ・K371のロンドなどもこの録音と前後しています。)
●フォルカーからひとこと●
おっしゃる通りで、この合奏団でのホルンの大半はベルガーが吹いているのものと思われます。そして、コンビを組んでいたのは、我がご神体。ところで、ベルガーの「ロンド」、CD化されないですかねぇ。待ってる人大勢いるんだけどなぁ。


ベートーベン/交響曲第7番イ長調 カール・ベーム指揮NHKライヴ(1975年)
Po-グラモフォン POCG-3116
推薦者:横山紀幸さん
この演奏は私が小学校6年生になろうとする春に、NHKのテレビで、ウィーン・フィル、そしてこの曲に初めて出会った時のものです。これを機に、私はウィーン・フィルにはまっていったといったのです。今でも数多くの当団の演奏の中でも、これは、ピカ1ではないかと思っています。ヘッツェル率いる弦楽器群の分厚く柔らかい音、見事にブレンドされた木管楽器群(特にオーボエ、多分トゥレチェク)、ウィンナ・ホルンの壮大な響き、ティンパニ(確かホルスト・ベルガー)の深い豊かな音(特に第一楽章終結部に入る所は、最高)と、当時のウィーン・フィルの良さが、120%発揮された演奏です。コーダの迫力は、もし生で聴いたら気絶するのではないかと思うほどです。エアチェックテープから数えたらもう何百回この演奏を聴いたことでしょうか。LPもCDも持っています。いつかビデオでも発売されないかとひそかに期待しています。
●フォルカーからひとこと●
私にとってのこのベト7は、ベルガー!ベルガー!!ベルガー!!!でありまして、おかげでウィンナホルンの道にはまり込んだようなものでもあります。それにしても、来日公演が「事件」として成立した時代とは、なんと素晴らしいものだったでしょうか。


マーラー:交響曲第5番 マゼール指揮
SONY Classical, CD, SRCR 2267-8
推薦者:中川竜二さん
いつも楽しく拝見しております。いつもは見ているだけだったのですが、この頁のタイトルをみているうちに、ついムラムラと書きたくなってしまいました。

私の一枚は、やたらと評判の悪いような気がするマゼールのマーラーです。私はずっと愛聴しておりまして、特に、第5番はマゼール=ウィーンフィルの最高傑作と信じています。弦楽器、木管、金管、打楽器すべて完璧、緻密ながらも冷徹さを感じさせない、すばらしい演奏ではないでしょうか!
特に、この演奏のオーボエ奏者はどなたでしょうか、第5楽章のコーダに入る前に、ヴァイオリンの旋律にオーボエが裏旋律を絡ませるところ(12:32〜)、なんと生き生きとした表情で、可憐に吹いていることか。弦楽器とずれているようで合っている、ウィーンフィルの合奏の妙が見事に現れている部分と思っているのですが、いかがでしょうか。

最後に、大変なご苦労だとは思いますが、いつまでもこのホームページが活発に運営されることを願っております。これからも楽しみにしていますので、頑張って下さい。失礼いたしました。

●フォルカーからひとこと●
私もこのマラ5、好きです。ただ、かなり偏った聴き方をした上での「好き」でして、そう、この曲の2番ホルンを吹いてるのが、我がご神体なんですよねぇ(^^;。で、その"存在感"がすごいの。マラ5の2番ホルンを吹く機会があるホルン吹きの方には、ぜひとも聴いていただきたい演奏。参考になるかどうかはわかりませんが、刺激にはなります。間違いなく(^^;


ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲 ベーム指揮(1980,Mar. MV)
DG 413 733-2
推薦者:鈴木 昭弘さん
 音楽好きというものは、大抵、何らかの響きや旋律が心の中を占めており、気が付けば頭の中で音楽が鳴っているものではないでしょうか。私の場合も、それが演奏会の余韻であることも稀にはあるものの、ほとんどがレコードやCD、FM放送を録音したものでした。
 でも、そうかといって、それほど多くの録音を聞いているわけでもありません。藤本さんのディスコグラフィーに掲載されているうちの10分の1も聴いていませんし、「この1枚」はその日によって変わるというのも事実です。たくさんあって判断が難しいくせに自分の中には何ら厳密な基準などく、あれこれ逡巡しましたが、今日聴くならこれというものを投稿させていただきます。これがその逡巡の成果か?とフォルカーさんには笑われてしまいそうですが。
 まだ中学生の頃、ワーグナーの長大で訳のわからない楽劇を理解したくて、NHK−FMで特集されていた音楽祭(?)のライヴ録音を、眠いのをやせ我慢して聴いていて、出会った演奏でした。このCDもその頃録音されたものと思います。
 細分化された高弦によって静かに開始されるこのオペラ(前奏曲)は、限りない憧れを追い求める幸福と同時に、途方もない悲しみを背負っています。果てしなく広がる青空を仰ぎ見るような深い藍の祈りのような世界。こういう世界を表現して当団にかなうオケはないのです。その微妙に移ろいゆく色合いや透明感、密度といったものを、これ以上はあり得ないくらいの感動と潤いを持って、しんしんと歌い上げていきます。音楽が進むにつれ響きは次第に広がりと奥行きを見せ、管楽器が忍び込んでくる頃になると、響きは既にはちきれんばかりの密度を帯びています。この熱の高揚が頂点に達した後、向こうに見えてくる世界は甚く透明で、肉体が消えたようにフーッと上昇していく世界から浮かび上がってくるソロVn!!かの、ヘッツェルさんでしょう。
 このような世界を的確に表出するために、一体、当団のメンバーはどのような勉強をしているのでしょうか。あきれるほどの名演です。結婚式の祝電披露の際、式場にかけてもらった思い出深いCDでもあります。というわけでこの1枚!
●フォルカーからひとこと●
「神々しい」という表現がピッタリの「ローエングリン」の冒頭。この演奏も、さぞや透明感に溢れた、神々しきものだったのでありましょう。披露宴でかけてもらったというのもいい話ですねぇ(^^;


ジプシー男爵入場行進曲 クレメンスクラウンス指揮
新星堂、オーストリアプライザーから見事に復刻されています(1929年録音)
推薦者:カンパーさん
絶妙なアンサンブル、本拠地ウィーン国立歌劇場の臨場感、粋な節回し等当団のもっている要素が濃厚に聴かれます。
ドイツのオケと違い一見チャランポランで、とてもこの演奏で行進できませんが、いいなあ。すべて許しちゃおう(笑)
●フォルカーからひとこと●
1929年の演奏とは、これぞまさに「古き佳き」時代の当団の姿。私は、この辺の演奏に疎いのですが、さぞやチャランポランな演奏(もちろん良い意味での^^;)を繰り広げているんでしょうなぁ。


ベートーヴェン:交響曲第5番/ピアノ協奏曲第3番/エグモント序曲、エミール・ギレリス(P)、ジョージ・セル指揮
ORFEO D'OR C484981B
推薦者:田中 光男さん
私の青春(学生時代)の思い出の一つ、それは小遣いを貯めてやっと行ったジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団のコンサート。帰国直後に帰らぬ人となり余計に印象深く残っています。

そのセルとウイーンフィルとのベートーベン。それもザルツブルグ音楽祭のライブ。

構成がしっかりし、厚みのある中で音の分離・バランスが素晴らしい演奏!男性的な音楽を作曲者の意図通りに表現し、聴衆に感動もって伝えており、数ある同曲レコード(CD)の中でも筆頭に位置すべき記念碑演奏。

ギレリスとのピアノコンチェルトもレコード全集を上回る感動もの。第二楽章のオーケストラの重厚感の心地よさは何と表現したら良いでしょうか。

間違いなく一押しレコード(CD)です。

●フォルカーからひとこと●
「男性的」。ほんと、まさに「男性的」な演奏ですね。っていうか「男臭い」。指揮者もソリストもオケも、みんな「男」を賭けて勝負したかのような演奏。今の時代には存在し得ない形かもしれませんが、でも、確かに魅力的な音楽であります。


ベートーヴェン序曲全集 クラウディオ・アバド指揮
Deutsche Grammophon (録音85.6-90.10)
推薦者:小原康裕さん
ウィーンフィルのCDはかなり数が多く、1枚を選ぶのにちょっと考えたが、候補としてはバーンスタインのシューマンNo.1&4、クライバーの未完成、カラヤンのブル7、シノーポリのシューマンNo.2なども捨て難いのではあるが、一番よく聴いた回数ということで、このアバド指揮のベートーヴェン序曲全集を選ぶこととした。実はこのCDを買う前に、カラヤン指揮ベルリンフィルの同全集を持っていたのではあるが、このウィーンフィルのを買ってからは、そのカラヤン&ベルリンフィルのを全く聴かなくなってしまった…(誤解の無いように書いておくが、私はカラヤンもベルリンフィルも大好きである。たまたまこのCDがお気に召さなかっただけ) このCDの何よりも私が気に入ってる所は「ウィーンフィルの自然な音が非常に美しく録音されている」ということかな。確かにカラヤンのブル7もメチャクチャ録音が綺麗でウィーンフィルの音を最高に満喫できるのではあるが…
このシリーズは当然ながらベートーヴェンの交響曲全集と一緒に録音されているはずなんですが、なぜか私はその本命のほうは聴いたことが無いんです(←変ですねぇ、普通は逆だが)。よもしよかったら、その感想も聞かせてくださいな!(と書く前に『自分で聴け!』と言われそうですが(^_^;))
●フォルカーからひとこと●
おぉ、アバドのベートーヴェン序曲集に2票目(^^;が入りましたぞ。やはり「持てって損はない1枚」であることに間違いはない。持ってない人、さぁ、すぐにCD屋に走りましょう!って私か>ジャンジャン!(^^;


イシュットバーン・ケルテス指揮 ブラームス交響曲全集
ロンドン (63,72,73年録音)
推薦者:やすくんさん
正確には”1枚”ではありませんが、どれもがすばらしい演奏であるのでこの中から1枚はとても選べません。敢えて全集としてあげることにしました。
ブラームスってこうやるものなんだ、という認識を持たせてくれた1枚です。ブラームス独特の複雑な音のからみあいがすべて感じられるのと同時に、その中からきちんと浮かんでくる旋律・・・ 響きの豊かさ。出てくる音すべてに何か思いこみが生じてしまう。そんな演奏です。
私ごときが、この演奏に言葉で何か表現しようなんておこがましい。”すばらしい”の1語につきます。あぁ、ケルテスさま・・・・・・
●フォルカーからひとこと●
私がこの全集から受ける印象は「自然体」。そう、どこにも余分な力が入らず、作為的なところもなく、でも、十分に熱いブラームス。ケルテスと当団が、如何に良好な関係を保っていたかが、演奏から十二分に察せられます。それだけに、ケルテスの不慮の死は本当に惜しい。神様は、なんと残酷な運命をクラシック音楽界に与えたのでありましょう...


Brahms Clarinet Quintet A. (Cl)/Wiener Kammerersemble (G. Hetzel (Vn))
DENON COCO 6789
推薦者:過激な阪神ファンさん
「作曲者が天国で涙を流しながら感激しているであろうヘッツェル先生のブラームス」
 最近,私も勝手ながら「当団」という略称を使わせていただいております。
 ウィーン・フィルの素晴らしさを味わうためのCDということで何をあげようかかなり迷いました。私にとって「当団」の思い出というとまず第一にヘッツェル先生なのでブラームスのヴァイオリンソナタにしようと思いました。しかし,ちょっと趣旨に合わないので今回は「ヘッツェル先生を聴けてその上プリンツまで聴ける」という「超」豪華なブラームスのクラリネット五重奏曲といきましょう。(ヴァイオリンソナタはクラシック井戸端会議室の名演奏家の名盤で書くことにします。)
 ヘッツェル先生のブラームスに「北方的」な情緒を求めることはできないと思います。しかし,あたたかく,たっぷりと歌う先生の「音」には,ブラームスの憧れた「音」が凝縮されているように思うのは私だけではないでしょう。ヘッツェル先生ほどヴァイオリンを人間の声のごとく「やわらかく,しなやか」に歌わせる人を私は知りません。この演奏を聴けば,ブラームスも私と同様に涙を流して感激するに違いありません。
 これだけは言っておかねばならないことなのですが,ブラームスは北ドイツの,チャイコフスキーはロシアのご当地楽団が演奏するものが「ほんもの」という特に日本で蔓延している迷信は大ウソです。彼らの作品を当団で聴いてみれば一瞬にしてわかることですが,彼らの作品には当団の「音」に対する「憧憬」にあふれているのです。作品によっては当団に触発されて書いたのではないかと思うほどです。よく考えてみると,彼らの作品を当団は初演しているのですぞ!このヘッツェル先生のブラームスを聴くだけでも,そのことは明白でしょう。
 プリンツの音と音楽性はいまさら述べるまでもないでしょうが,ホルンやオーボエのように「当団」独自の楽器にこだわって特別な音づくりをしているわけでもないのに(正確に言うとオーストリアのオケは他と違う楽器メーカーを使っています),「当団」の顔だった存在感の凄みはダテではありません。
 私はこのCDについてどういう演奏がなされているのかを書くほどヤボではありません。ブラームスが聴けてその上モーツアルトまで聴けるこのCDはたったの1300円です。みなさん聴いてください。
●フォルカーからひとこと●
今は別のハンドルネームをお使いの"過激"さん。すっかり「昔の名前で出ています」になってしまいましたね。すみません。このブラームスの演奏。私にとっても涙モノの1枚でございます。録音でも十分に素晴らしいですが、生で聴くプリンツの弱音は、まさに「奇跡」でありました。


シューベルト「八重奏曲ヘ長調」
ウェストミンスター復刻版/MVCW19003
推薦者:近藤泰平さん
ゴットフリート・フォン・フライベルクがウィンナホルンを吹いている、ということが一つ。ウィンナワルツ以外で僕としては最もウィーンっぽい雰囲気を持った曲だと感じられること。この二つの理由でチョイスしました。
タックウェルが自分にとっての「最高のホルンの音」と絶賛したサウンドは、この51年のモノーラル録音から十分にイメージすることができます。クルスペの魔法のような音を追求したタックウェルが理想としたのがウィンナだったとは興味深いことだと思います。
●フォルカーからひとこと●
近藤さん、なんと2枚目のご推薦ですね。「オススメの1枚」のお約束からは外れちゃいますが、せっかくですから、ありがたく掲載させていただきます。
フライベルクの演奏というと、やはり、初演直後(?)のR.シュトラウスの2番の協奏曲も忘れてならないものでしょう。千葉馨氏言うところの「野武士の如き」ホルン演奏。泣けるものがあります。


ワグナー、ジークフリートの牧歌
ロンドン、確かショルティ指揮ブルックナーNo7のおまけ?
推薦者:kondoさん
 まずもって10万アクセスおめでとうございます。
で、件のレコードですが、リーダー:ワルターウェラーとなってまして、ショルティが指揮してるかどうか分からないのですが、こりゃ絶品ですよ。
 弦パートはひとりづつなんでしょう所謂オーケストラじゃ無いんですが、当団の美点が余すところ無く表れてると思います。かつてのデッカ録音なんでしょうけど、とうとうと流れる弦楽器(ウェラー最高!)、豊かでしかもチャーミングな木管、朗々とした金管(ホルン団はまさに牧歌ぼっかしてます)。これを聴かずしてウィーンフィルを語る事勿れ!だと思うのですが。(少々大袈裟でしたかな。)
 この演奏を聴きたいがためにこのレコード(ブルックナーの7番しかも二枚組)買ったのですが、絶対「ジークフリートの牧歌」(ブルックナーの7番付き)と表記すべきだ、と今も真面目に思ってます。
●フォルカーからひとこと●
ウェラーのヴァイオリンて、まさに「甘美」という表現がぴったりのものだったと思います。指揮者に転向せず、当団のコンマスを続けていたら... 当団の"あり方"も、もしかしたら大きく変わっていたかもしれませんね。


アバド指揮(^^)v/ブラームス:ハンガリー舞曲(全曲)
DG(POCG-1111)/82年/ゾフィエンザール
推薦者:Yukoさん
いよっ!ウィーンフィル鮮やかっ☆ もうこのひとことに尽きる。
変幻自在のテンポ感、うねりをあげる弦、踊る木管…もう、どこをとってもアバド…あ、いや(^^ゞ、ウィーンフィルの魅力がたっぷりと描き出されているとびきりオイシイ一枚なのだ!
妙手たちが歌う喜びや哀愁も決して情感に流されることなく、どこまでも凛々しく堂々としていてなんとカッコイイことか!

美しさと切なさが渾然一体となって時に魅惑的に時に怪しげに私のハートを酔わせるこの演奏は、聴く度に「おお!今日はいつも以上にノッてるぞっ!」とニンマリ(^_^)してしまう魔法のディスクなのである。

ちなみに、今回投稿するにあたって有力候補に上がったものには「グレの歌」「ローエングリン」「グルダとのモーツァルトP協奏曲21番」「ニューイヤーコンサート'91」などなどがありました(もちろん指揮はすべて…許して(^^;。
最後になりましたが、アクセス10万件おめでとうございます(^^)/。ウィーンフィルがある限り「フォルカーの部屋」は不滅です!

●フォルカーからひとこと●
Yukoさんがご推薦なさる演奏は、そりゃもうアバド氏の指揮によるものに決まってるわけで(^^;
しかし、アバドが当団を振ってハンガリー舞曲の全曲を録音するなんてことは、今となってはまず実現不可能なことではないでしょうか。この十数年の間に、クラシック音楽界を取り巻く状況は、大きく変化してしまいましたねぇ。しんみり...

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