観た!聴いた!ウィーンフィルの内容に「異議アリ!」と寄せられたご意見を紹介するコーナーです。

CDチョン・ミュンフン/ドヴォルザーク:交響曲第3番・第7番

異議寄せ人:M.S氏(合奏集団不協和音指揮者・バッソン奏者)

ドヴォ7と言えば絶賛の嵐のチョンさんだが、何か私にはそろそろ異議といったものが出てきたぞ。
この演奏は実はヴォキャブラリーがとってもプアなんじゃないか?
何かどこもかしこも同じ方法論で切って捨てられたような感じがするぞ。
単純明快な煽りは喝采ものだが、反面ロジックが無い。
だからってプレトレの様に「僕ってロジック無いの」と開き直ってもいない。
実はチョンさんのやりたい放題に見せかけながら、実はやり様がなかったその辺の内幕をVPOが上手くカヴァーしすぎちゃってると見た聴いた。
HrnとTimが快調なのにずいぶんと救われている、というよりも彼にはこれしか無かった(HrnとTimしか聴いてなかった)んじゃないか?
この演奏、もしHrnとTimがナミの音だったら結構二流に聴こえちゃうと思う。(これがフィルハーモニアだったら絶対二流の演奏になったと思わないか?)
飽きると思う。この方法論じゃブラームスはできないな。
結論:一流オケが超一流に鳴りながら実は結構アタマ弱い系の短命な迷演。

ひとつ言えるのは、チョンさんも根本的には横ながれ系の人だという事で、縦横のロジックがないとどうにもならない曲では、オケ側に補完作用がないと聴くに耐えないボロボロの演奏になりそうで、横流れイケイケの曲を根本的に演奏者自体が横流れしか適応できないラテン系のオケとやる場合に限り指揮オケ曲の3者ハッピーな名演になる訳で、ポリドールとしてはその辺を認識した上で「話題の」パリオペラ座と横流れ名曲オンパレードでやっていた訳なんだけど、これじゃ手詰まりになりそうだという議論があったかどうかは知らないが、この辺を現在では一番「締められる」オケであるVPOと本質的に横流れ系しかも縦が目立たないコーラス付ロッシーニで予行演習した後で、縦横系では一番楽勝そうでちょっと外した「ドヴォ7&3」(髪は7/3じゃないな)で慎重に試してみたってところではないだろうか?
で、慎重なだけじゃ売れないからとりあえずHrnとTimをちょっとオーバー気味に拾って援護射撃に出たって言ったら言い過ぎ? その辺私にはかなり確信ある。(パリ・オペラ座で「ドヴォ7&3」だったらさすがに私だけだろうな即買うのは。私以外の皆さんは聴く前からゾットして手を引っ込めるのでは? でしょ?)
でもチョンさんのドヴォ7って確か2度目の録音じゃない?
BISにイェテボリかどっかと7&8の組み合わせで入れてたはず。CD評の時はその辺とも必ず(Hrn,Timも)比較して欲しいものだが、してた?
で、ポリドールは根本的に横流れ系の東洋の先輩「小澤某」の売り込みに失敗したという苦〜い過去があるから、今回こそは慎重なんだと思うね。
その「小澤某」、本人自身が横流れ系にしか才能が無いのを知ってか知らずか、師匠の名まで持ち出して縦横マトリックスに強いがごとく言論が先に立っちゃって シラけた録音を25年も繰り返した結果もちろんCDが売れないで録音業界のお荷物になっちゃってる困ったお人なものだから(廃盤の帝王、おっとビシュコフがいた)、同類の横流れ系東洋人と見られたかチョンさんは別の売り込み戦略を取らざるを得ないんだね。
私ならショスタコの10番とかVPO未録音ものをやって欲しいな。

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