鑑定物件 No.6

ウィーンの演奏家のサインと御神体のサイン入りプログラム

依頼人:埼玉県 小川裕史さん


物件その1:ウィーンの演奏家のサイン

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本人評価額:15,000円

入手のいきさつ

かれこれ数年間になりますが、例のウィーンフィルの写真集(フォルカー注>Die Wiener Philharmoniker und ihre Dirigenten:日本版名「ウィーン・フィルハーモニーと名指揮者たち」)が発売された時、それをウィーン某所に置かせてもらい、そこへ来た国立歌劇場関係者(?)にサインしてもらったというものです。
中央やや右側にR.Horwath氏、左側少し上に K.Jeitler氏のサインを確認できますが、あとは私には???
専門家の鑑定をお願いしたいものです。
ちなみに、価格は1万5千円位でどうでしょうか。(売るつもりないけれど)



鑑定結果

鑑定額:15,000円(ピタリ賞!)

私の友人、小川氏からご投稿いただきました。
小川氏は、仕事の関係で数年間ドイツに住んでいたことがあるのですが、その際に、ウィーン某所の「国立歌劇場関係者が否応無しに集まる場所」(さて、どこでしょう?^^;)に写真集を置いておき、やって来る演奏家たちにサインをしてもらったというわけなんですね。
肝心のサインですが、数えてみたところ、その数46人。写真集が置いてあった場所から察するに、全員が「国立歌劇場関係者」ということはなくて、正確には、ウィーン在住の演奏家(しかも管楽器奏者)だと思われるわけですが、それにしても大した数です。
で、その中身を見ていくと、氏のコメントにもあるように、ホルヴァート氏およびヤイトラー氏のサインはすぐ見つかるものの、他の人のは、「専門家」を以ってしても(^^;なかなか判読が難しいところ。一応"解読"できたものとして、ヤイトラー氏のすぐ下に同じトロンボーンのマダス氏(Gabriel Madas)、ホルヴァート氏の3人下に、先年引退したホルンのフィッシャー氏(Hans Fischer)といったところが上げられるけど、あとは、正直言ってわからねっす(フィッシャー氏のサインの末尾付近から縦に書いてあるのが、"常トラ"クラリネット[国立歌劇場連盟オケ]のモザー氏[Hannes Moser]、ホルヴァート氏の2つ左が故ベルガー父[Hans Berger]にも見えるけど...。でも、本当にベルガー父のサインだとしたらすごい!)。他に解読できた方いらっしゃれば、ぜひご一報いただきたく。

で、鑑定額ですが...。これだけの人数のサインを集めるってのは、そう簡単にできるもんじゃありません。非常に条件の整った環境に置いておいた、ということが勝因だとは思いますが、それにしたって、大したものです。
それから、皆さんのサインが、比較的きちんとしたものであるということは、特筆すべきことかもしれません。演奏会終了後なんかにサインを頼むと、急いでるせいもあるんでしょうが、大体の場合は判読不能のお手軽バージョンでされてしまう。でも、このサインは、概してしっかりと書いてますもんね、皆さん(ほとんどが判読不能状態では説得力ないけど^^;)。
そういった背景を考えれば、自己評価額の15,000円、いい線じゃないでしょうか。つーわけで、私の評価も15,000円。ピタリ賞だ!(賞品はナシよ^^;)



物件その2:御神体のサイン入りプログラム

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本人評価額:1,000円

入手のいきさつ

かれこれ10数年前、初めてザルツブルクを訪れた時に、アルトマン氏がモーツァルトのホルン協奏曲(KV447)を吹かれた子供向けの演奏会に遭遇しました。
演奏会では、確かヤマハのフルダブルホルンを使われていましたが、音色はウィーンのしっとりと温かさと深みのあるものでした。添付した写真はその時のアルトマン氏のサイン入りプログラムと入場券です。
こんな物でも貴君のHPなら!お宝として扱ってくれると信じ?送らせていただきます。
お値段は??? 1,000円でいかがでしょうか?



鑑定結果

鑑定額:2,000円

「こんな物」とは何事ですか、小川氏!わが御神体の聖筆(??)の入ったプログラムですよ、「こんな物」はないでしょう(^^;

それにしても、こういう話、すなわち「ザルツブルクを訪れた時に、アルトマン氏がモーツァルトのホルン協奏曲(KV447)を吹かれた子供向けの演奏会に遭遇しました」なんて話は、現地にいるからこそ起りうるハプニングなんですよねぇ。まぁ、小川氏はドイツ(フランクフルトだったっけ?)にいたわけですから、純粋な意味での「現地」ではないのですが、それでも、我々が日本から出かけていくよりは気軽に出向ける。そうすると、こういう、御神体がコンチェルトを吹く、なんて場面に出会えるわけですよねぇ。まぁ、日本から出かけたって、そういう場面に出会う可能性はあるでしょうが、確率の問題としてね。というわけで、氏のコンチェルトというのは、協奏交響曲でのソロしか聴いたことがない私にとっては、このハプニング、なんともうらやましい限り。

で、肝心の鑑定ですが、確かに、単なる「ソリストのサイン入りプログラム」ではありますので、それほど高価ということはありません。が、ここで注目すべきは、その「ソリスト」です。これがヘグナーのような、ソロ活動もする奏者だったらなんてことない。しかし、ここでのソリストは御神体、フォルカー・アルトマン氏です。氏が、コンチェルトを吹くという機会は、非常に稀だと思うのですね(実際にはそうでもないのかもしれないけど)。
というわけで、そういう意味での「稀少性」は大いに評価に値するものだと思います。よって、鑑定額は自己評価額の倍、2,000円!(え?「こんな物」なんて言うな!と啖呵を切った割には安いって?ま、いいじゃないっすか^^;)


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お 詫 び

ご依頼人の小川氏から連絡がありました。このコンサートに行ったのは、ドイツに在住する前、学生時代に旅行をした時のことだそうです。私が早とちりして、ドイツ在住時の話として書いてしまいました。小川氏、失礼いたしました。
しかし、そうなると、氏は、日本から出かけていって「ハプニング」に遭遇したというわけですな。うーむ、すごい確率だ。私にとっては、「宝くじで1億円当ったよ!」と聞かされたのに等しいくらい、悔しい、いや、うらやましいことで...。



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