鑑定物件 No.11

ラトル指揮による演奏会のチケット一式

依頼人:神奈川県 フォルカーさん


リハーサル1日目:98/12/01リハーサル2日目:98/12/02
リハーサル3日目:98/12/03リハーサル4日目:98/12/04
本番(1日目):98/12/05


本人評価額:10000円


入手のいきさつ

詳しくは聖地巡礼日記をご覧ください。以上! では、あまりにナンなんで(当たり前だ^^;)、一応簡単に"いきさつ"を。

昨年('98年)冬に決行した聖地巡礼。私にとって最も楽しみだったのは、ラトル&ブレンデル&当団の演奏会に行くことでした。三者によるベートーヴェン ピアノ協奏曲全集演奏の最後を飾る演奏会。とにかく、これを聴ける、この演奏の"現場"に立ち会えるということが、何ものにも代え難い、大変嬉しいことであったのです。
が、しかし、私にはさらなる"野心"(笑)がありました。それは、この演奏会のリハーサルを見学させてもらうこと。過去、私自身は経験がなかったのですが、友人の何人かは、当団演奏会のリハーサルを見学することができており、見学自体が特に難しいことではないことはわかっていました。
でも、行けば入れてもらえる、というわけではありません。基本的には、当団メンバーなり、関係者なりの紹介があって実現すること。となると、頼るのは"あの人"しかいません。そう、我がラルス氏にお願いしてみたわけですね。で、結果はOK。
いつもは3日間のリハーサルが、今回の演奏会の場合は4日間行われる。演奏会は12月5日と6日に2回行われるので、リハーサルの開始は、遡って12月1日。というわけで、私たちは、12月1日の午後にムジークフェラインへ向かい、そこでラルス氏と合流したわけです。で、その時に、彼が用意してくれたのが、左上のチケット。
そう、リハーサルの入場には、当団事務局が発行する「手書きチケット」が必要なわけだったのですな。その日の日付と、何人で入るのかが書かれたチケット。チケットの用紙自体は、楽友協会(ムジークフェライン)主催のコンサートで使われている物と一緒ですが、中身はご覧の通りの手書き。まぁ、これは実に珍しいものと言えるのではないかと思うわけです。
で、リハーサルの4日間、毎日この手書きチケットを発行してもらい、そして最後に"本番"の演奏会に出向いたと。本番は、1日目しか行かなかったので、これで"全部"というわけではないですが、リハーサルから本番まで揃った状態での「チケット一式」ということで、それなりに価値があるものではないかと思うわけです。

というわけで自己評価額ですが、すでにチケット自体には効力はなくなっているわけですから、それほど高い金額を付けても無意味でしょう。ただ、演奏会を含めての全日の分が揃っているというところを、ぜひとも付加価値として評価していただきたい。そこで、エイヤッ!の10000円。
何せ"手書き"ですから、それを4日分ですから、さらに本番の分もですから、これくらいは行ってもおかしくはないでしょう。ね、どうっすか、鑑定士のフォルカーさん!?

補足:今回の演奏会は、楽友協会主催のもので当団主催の定期演奏会ではない。よって、(本番の)チケットは楽友協会主催演奏会のフォーマットとなっている。定期演奏会のチケットは、もっと小ぶりな別のフォーマットなので、念の為。



鑑定結果

鑑定額:7000円

鑑定士のフォルカーです。依頼人のフォルカーさん、この度は大変面白い物件をお寄せいただき、どうもありがとうございました>一人芝居も疲れるのぉ...(^^;

さて、ご依頼の品ですが、なかなかに価値あるものです。それは認めましょう。リハーサル入場用に"オーダーメード"された手書きのチケットなんて、なかなか手に入るものではありません。鑑定額をお出しになった根拠も、それなりに理解できるものです。
が、残念なのは、正真正銘の「全日分」ではないということです。本番が2回あったのなら、その2回分が揃ってこそ、本当の意味での「付加価値」が発生するのです。今回のご依頼品の場合、本番が1日分欠けている。これでは「全日」とならない。まさに「画竜点睛を欠く」物件ということになりましょう。
というわけで、鑑定額は7000円。これが、文字通りの「全日分」だったら、おっしゃる通り10000円で良かったでしょうがね。残念でした。
依頼人のフォルカーさん、"次の機会"には、ぜひとも文字通りの全日分チケットを揃えてください。その時は、また改めて鑑定いたしましょう。それではまた。

以上、一人芝居おしまいでございます。長々とお付き合いいただきありがとうございました(^^;



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