私フォルカーは、仲間と共に、草津夏期国際音楽アカデミーに参加いたしました。
私たちの毎日の様子を、現地からの"生レポート"でお送りしたのが、この「草津アカデミー日記」です。


8月30日(日)

今日の1枚
ラルスと一緒に演奏したぞ!(一番手前の後ろ姿が彼)

滞在最終日。昼過ぎに出番となった「スチューデント・コンサート」終了後、通行止めの恐れのある渋川経由を避け、軽井沢経由で帰宅。途中、かなりの大雨に見舞われたものの、特に障害なく、夕方には無事帰宅することができた。何より何より...。

さて、今日は、我々「東京ウィンナホルン協会」にとって、記念すべき1日となった。そう、上記「スチューデント・コンサート」で、ラルスと一緒に「ローエングリン・ファンタジー」を演奏したのだ。極東の地のアマチュア・ウィンナホルン奏者が、聖地の"ホンモノ"と共演する。別に、我々が初めて、というわけではないが、少なくとも、我々にとっては初めての体験。他のメンバーはどうか知らないが、少なくとも私は、昨日の当欄にも書いたように、その事実を「事実」として認識しきれないまま、言ってみれば、「夢心地」のような状態で本番を迎えたのだった(単に寝不足で意識が朦朧としていただけ、との説もあるが...^^;)。
で、その演奏だが、個人的にも全体的にも、練習で出来ていたことの6〜7割程度に留まった、という感じかなぁ、残念ながら。

練習場とあまりにも環境の違うホールの舞台上で、いきなりの本番はさすがにつらい。他の生徒さんの伴奏用ピアノがあったために、舞台のかなり前面に座っての演奏となったことも要因となったのだろうが、とにかく、自分以外の音がよく聞こえないのだ。なのに、自分の音だけは、実に生々しく聞こえてくる。こういう状況で、自信を持って音を出して行くというのは本当に難しく、結果、不安と疑念(自分がバランスを崩しているのではないだろうか?とか)を抱えたまま吹くことになってしまった。で、こうなると、精神的に追いつめられちゃうから、しっかりと息を吸って吹き込む、という"基本作業"もできなくなってしまうわけで、これはもう、完全に悪循環。
ラルスという、音楽的・精神的「支柱」がいてくれたし、メンバー同士でも、それまでに何時間もかけて練習していたから、さすがに"崩壊"してしまうことはなかったけど、練習では、もう少し緻密なアンサンブルができるようになっていたから、それを実現しきれなかったことが実に残念。個人的には、小節の休みを数え間違えて、数小節間「落ちる」という失態も演じてしまったし...。
でもね、随所に(?)「らしい響き」が出ていたであろうことは間違いないし、何より、ラルスという強力な助っ人がいてくれたわけだから、彼の美しい音が、我々の未熟さをカバーしてくれていた可能性も高い(一緒に演奏していても、彼の音だけが、しっかりとホール内に響き渡っていることがわかった)。後日送られてくる録音テープを聴いてから、再度「論評」してみるつもりだが、そんなに悪くはなかったはずだ、と信じて、今回のアカデミーを「有終の美」で飾ったことにしておきたい(情けない総括...)。

ところで、客席にいらした方の目撃によると、我々の演奏中に、ラッパのシュー氏とトロンボーンのヤイトラー氏が会場内に入って来たそうなのだが、ラルスが一緒に演奏していることと、全員がウィンナホルンを吹いていることにかなり驚いていたらしい。ヤイトラー氏は、演奏終了後に楽屋に来てくださり、我々に「素晴らしかったよ!」と声もかけてくださった。
まだまだ未熟ではあるけども、ウィンナホルンをあの程度までは吹きこなす日本人たちがいる、ということを当団メンバーに認識していただけたこと、何よりだったのではないかな。

というわけで、5日間に渡る草津アカデミーへの参加は、大変充実したものとなった。楽しい時間を提供してくれたラルスと、わがウィンナホルン会の仲間たちに感謝したい。それから、ホルンクラスの"サポーター"である守山光三先生(芸大助教授)には、昨年同様、大変お世話になった。これを読んでいらっしゃるとは思えないが、この場を借りて御礼を申し上げたい。どうもありがとうございました。



8月29日(土)

今日の1枚
充実のレッスンに大満足

滞在4日目。草津は相変わらずの大雨模様。こんな天気で、明日、無事に帰れるのだろうか...?

今日は、我々「東京ウィンナホルン協会」にとっての唯一のレッスン日。草津到着以来、延べ9時間に渡って練習した「ローエングリン・ファンタジー」を、ラルス先生に見てもらうわけである。個人的には、寝不足が祟って、調子がイマイチなのだが、そんなこと言ってられない。期待と不安を胸に、レッスンに臨んだのであった。
というわけで、上の写真は、そのレッスンの模様。ちなみに、この時のメンバーを書き記すと、1/2アシ:中根、1番:藤本、2番:吉田、3番:植田、4番:大木、5番:荒川(夫)、6番:荒川(妻)、7番:秋元、8番:佐々木、7/8アシ:田中という10人体制。

レッスンは、約2時間だったのだが、密度濃く、みっちりと指導していただいたおかげで、終った時にはかなりヘトヘト状態になっていた。
レッスン内で再三に渡って指示されたことは、1.お互いをよく聴き合うこと、2.テンポをキープすること、そして、3.大きなフレーズで音楽を作ること、の3点に集約されると思う。それなりにさらいこんで、滞りなく曲が進行するところまでは持って来ていたものの、その一歩先にある「何か」はつかみきれないでいた我々。上記のような"問題点"は、ある意味では、アンサンブルの鉄則であるわけだけど、そこが十分に意思統一されていなかったために、「何か」をつかむところまでは行きつかなかった、ということなのだろう。
指導を受けるうちに、音楽の質がどんどん変化して行ったし、美しい響きが生まれる瞬間も多々(少々?)あった。ウィンナホルン会で、「ローエングリン・ファンタジー」のような大曲(あるいは、"ちゃんとした"合奏曲)をやったのはこれが初めてだったわけだけど、民謡モノやらマーチ系やらばかりをやっていたこれまでのウィンナホルンアンサンブルとは違った次元(あえて言えば、高い次元)での音楽表現を追求できたことは、大きな収穫であったと思う。
ただ、それでも、アンサンブルしていく上での「何か」、おそらく根本的な部分での「何か」は、やはり不足したままで午前のレッスンは終ったのだった。かなり"いいところ"までは来ている。が、何かが足りない。では、その「何か」とは何だったのか。それは、夜に行った、明日のスチューデント・コンサートの"リハーサル"で判明したのだった。

前にも書いたが、明日のスチューデント・コンサートでは、ラルスも一緒に演奏してくれることになっている。ただ、あくまでも、人が不足したところに「アシスタント」として加わる、ということであったので、今日の午後に帰宅する藤本氏に代わって中根氏が1番、ラルスが1アシという形で参加してもらうようお願いした。
というわけで、夜の練習では、ラルスが我々と一緒に演奏してくれたのだが、いやぁ、これがもう「素晴らしい」の一言で...。
とにかく「安定」しているのだ。音程も、テンポも、音楽も、すべてがキッチリとしている。だから、彼が演奏に加わると、音楽が実にスムーズに進んで行くし、それは、"アンサンブルのしやすさ"という部分にもつながって行く。なかなかテンポが定まらず、アンサンブルが崩壊しそうになりやすかった部分や、音楽がなんだか重くなって、先に進んで行かないところが何箇所かあったのだが、そういった部分が、実に自然に演奏できるようになったのには驚いた。
というわけで、我々に足りなかった「何か」とは何だったのかと言えば、それは「確信」なのであると、そう"確信"した次第。
「誰かが出した合図でテンポを決める」とか、「ここはこう吹くことに決めておく」とか、アンサンブルをやる時には、とかく「決め事」をしたくなるのだけど(で、その決め事を上手くこなすことに全力を注いでしまう)、そうではなくて、お互いが確信を持って自分のパートを演奏すれば、自ずとアンサンブルは整うし、音楽はスムーズに流れて行くのであると。で、まさに、ラルスは、その「確信」を持って、我々のアンサンブルに加わったのだと。だから、我々は、彼の作り出す「音楽」に乗って行けば良く、結果、実に"自然"な音楽が生まれたのだと。
もちろん、アンサンブルというのは、誰か一人の音楽に他のメンバーが「合わせる」というものではない。それは確かにそうなのだが、それでも、メンバーの中に、音楽的な「確信」を持った人がいるかいないかでは、結果は大きく異なるのではないか。さらに言えば、だからこそ、メンバー全員が、(意思統一された)「確信」を持って演奏に臨めば、そこには、実に高次元な音楽が生み出されるのではないか。
音を以って知らしめる。音楽を以って知らしめる。目に見える「合図」が大切なのではなくて、音と音楽自体が「合図」となるべきなのだね。ラルスと一緒に演奏してみて、そういうことがよくわかった。
それにしても、当団のホルン奏者、すなわち、ウィンナホルンの最高峰に位置する人物と一緒に演奏できるなんて、夢のよう。私、ラルスと対面なので、彼の演奏姿が嫌でも目に入るんだけど、ほんと、そこに彼がいて、一緒に同じ曲を吹いてるなんて、なんだか現実の話ではないような感覚だった。でも、「現実」なんだよねぇ...。そして、明日は一緒に"本番"をやると。うーん、何度も言うけど、夢のような話です。嬉しい。
左の写真は、その練習後に撮った全員での"記念写真"。この後、いろいろ面白いことも起ったのだが、それについては後日に。

さぁ、いよいよ明日が最終日。夕方に行われるコンサートの出演をラルスがキャンセルしたので、これ幸いと(おいおい^^;)、我々も、自分たちの出番が終ったら早々に帰路につくつもり。お天気の具合が気になるところだけど、軽井沢経由であれば大丈夫であろうという話なので、そういうルートで帰ることになると思う。
というわけで、明日の当欄は自宅から更新することになるのだけど、どう考えてもヘトヘト状態(およびフヌケ状態^^;)だと思うので、更新するかどうか微妙なところ。そう言いながら、結局、毎日草津から更新したんだから、と言われそうだけど、明日はほんとにヤバそう。更新なしの際は、そういうわけですので、何卒ご理解のほどを。



8月28日(金)

今日の1枚
ラルスを囲んで大宴会

滞在3日目。皆さんの所は、雨の被害、いかがですか?草津はもう大変ですよ、大雨で。とは言っても、別に土砂崩れでペンションが埋まった、というわけではないのだけど(当たり前か?)、ここまで来るための交通機関(具体的には吾妻線)がストップしてしまったので、今日になって合流することになっていたメンバーが、大変な思いをすることになってしまったわけで(鳥取から参加のO氏は、なんと、24時間かけて草津にたどり着いた。ご苦労さんデス)。

そのO氏も無事到着したことで、ようやくメンバー全員が揃った。正直言うと、今回のメンバー間には、それぞれに"初顔合わせ"という人もいるので、夜はさっそく「親睦会」を開催。とは言っても、ラルスも同席だったものだから、座は、あっという間に「ラルスへの質問大会」となってしまったのだけどね(左の写真は、質問攻めにあうラルス←こんな姿を、一般の学生さんたち、「なんだこいつら!?」って目で見てたなぁ...^^;)。
各自がいろいろ聞きたい事をぶつけていたが、私にとっての"最大の収穫"は、彼がワールドカップで応援していたのはナイジェリアチームだったということかな。え?なんでそんなことが"収穫"なのかって?だってあーた、相変わらずの「ネオナチ顔」の彼だけどさ、母国ドイツを応援しなかったってことは、どうやら「本物」ではなさそう、ってことになるじゃないですか。だから、「あーヨカッタ」って...(^^;
という冗談はさておき、私が本当に嬉しかったのは、ラルスが私のことを「いい友だちだ」とみんなに言ってくれたこと。語学力低すぎて何言ってるかわからん私なのに、ほんと、ありがたいことです。感謝。
というわけで、「今日の1枚」は、その宴会の出席者(全員ではない)による"記念写真"。場所は、昨年、ラルス(と守山先生)が通いつめた「おかめ寿司」。今年は、忙し過ぎて、今日が初めての来店となったとか。店の大将も、「ようやく来てくれた!」と喜んでおられました(^^
ちなみに、ラルスも、自分のカメラに、これと同じ写真を収めておりました。いい人だ(^^

さて、他にも書きたいことは山ほどあるのだが(アンサンブルの練習もしたし、コンサートにも行ったし)、今日はこの辺にしておく。なんつったって、明日の午前中は、我々の唯一のレッスンだからね。早いとこ寝て(只今、29日の午前3時半!)、少しでも良い体調で臨まないと。
というわけで、今日のところはこの辺で。



8月27日(木)

今日の1枚
プリンツの"セプテット"に涙...

滞在2日目。私にとっての今日最大のイベントは、"あの"プリンツが吹くベートーヴェンの七重奏曲(セプテット)を聴くことであった(上の写真は、その演奏の模様)。
当団を退職して早数年。さらに、最近は、居をアメリカに移してしまったというだけに、彼の音を実際に聴く機会は、もう無いのではないかと思っていた、正直な話。が、それを聴くことができる。しかも、私の大好きなセプテットで。しかも、ラルスとの共演で! これはもう、私にっては「事件」と言ってもいいほどの出来事なのであった。
で、そのセプテット。いやぁ、もう、ただただ涙でしたね、私は。だって、あの、ヘッツェルやベルガーたちと録音したレコード(DG)と"同じ音"が聞こえてきたんだもの。確かに、もういいオトシだから、音の"張り"はなくなっている。でも、あの音色! 燻し銀のような、とでも言うか、シルクのような肌触り、とでも言うか(なんか、例えに統一性がないけど^^;)、とにかく、プリンツにしか出せなかった「あの音」が、そのまんま聞こえてきたのには、本当に、心底感激した。
音の明滅、浮沈、といったものも、全盛期のあのレコードと一緒。気品高く、それでいてどこか暖かい音楽。ほんとに、ほんとに素晴らしかった。
そのプリンツのクラにしっかり寄り添って、実に渋い音楽を作り出していた我がラルスにもブラヴォー!なんだか、今まで聴いたことないくらいオトナの演奏で、室内楽におけるホルン演奏の見本とでも言うべきバランスを具現化していた(単に「大人しかった」ということではないので、念の為)。ウィンナで室内楽をやるってことが、いかに「正しい」ことであるか。私、改めて、強ーく認識したのでありました(実際やってみれば、あんなようには行かないことは百も承知の上で)。いや、ほんとに素晴らしかったですよ、彼のホルンは。
プリンツのクラ共々、このラルスの演奏を聴けただけでも、私、今年の草津に来た甲斐があったと思っております。シアワセ...

ところで、今日のスケジュールは、午前中のマスタークラスのレッスン見学から始まったのだが、その最後に、我がウィンナホルン会を"代表"して、"J氏@かぶとやま響"こと吉田氏が個人レッスンを受けた(左の写真は、その時の模様)。
彼が選んだ曲は、R.シュトラウスの協奏曲第1番。そう、"師匠"オハコの曲でレッスンに臨んだというわけだ。
"ラルス先生"の指導は、とても丁寧。これは、昨年も同じだったし、どの生徒に対してもそう。いくら夜は飲んだくれていようが(おいおい^^;)、自分が「何をしに来ているのか」という一点を見失わずに、きちんと「仕事」をしている姿は、高い評価に値すると思う。
で、彼から各生徒への指導内容だが、基本的には全生徒一緒(もちろん、具体的な指示内容やレベルは、人によって異なるけども)。しっかりと息を使うこと。大きなフレーズで音楽を作ること。極端に言えば、この2点のみと言っても構わないと思う。
しかし、それを実現することがいかに難しいことか...。吉田氏も、一般の生徒さん(音大生がほとんど)も、皆さん大変素晴らしいプレイヤーだけど、彼が表現する(表現させたい?)フレーズ感みたいなものを、なかなか形にできない。でも、それが実現できたら、ウィーンフィルの首席になれるってことだから、まぁ、とにかく地道に精進するしかないということですけどもね。
自分が吹いたわけではないけども、とても勉強になる聴講でありました。

で、肝心のオマエたちのレッスンはどうなっとるんだ?という質問が聞こえて来ますね(来ないって^^;)。我々のアンサンブルのレッスンは、29日の午前中の予定となっております。
今回、我々「東京ウィンナホルン協会」の参加者は、総勢10名。で、レッスンに持参した曲が、「ローエングリン・ファンタジー」(ワーグナー/シュティーグラー)。今までにない、かなり「思い切った」選曲で臨むことにしただけに、しっかりさらっておかないと話にならない。というわけで、夜は、その練習(と言っても、これが初合わせ^^;)を行った。
が、実は、まだ全員が揃っていないので、急遽、ホルンクラスの聴講生であるI氏(先日のブルックナー8番でご一緒した方。お互い参加することを知らなかったので、昨日顔を合わせた時にはビックリ)にお手伝いいただいての練習となった。
で、肝心の演奏だが、まぁ、初合わせにしては「悪くない(かな?)」って感じだ。さすがに"大曲"(演奏時間15分位)だけに、そう簡単には仕上がらないのだけど、でもまぁ、最後のあたりには、響きも良い方向に収束するようになって来たので、明日以降の練習で、「先生の前に出られる」あたりまでには持って行けると思う。
そして、何より、最終日の午前中には「スチューデント・コンサート」という"本番"が控えているし...。そう、受講生によるコンサートというのがあるんだけど、それに出ることになってるんですわ。だから、マジに、"それなりの形"にしないと、カッコ悪い。それに、今のところ、ラルスも一緒に演奏してくれることになっているから、"先生"に恥をかかすわけにもいかないし。うーむ、残り時間はわずかだが、しっかり練習して、「いい思い出」を作れるように頑張ろう!

うわぁ、またしても夜更かしをしてしまった。只今、28日の午前2時半。もう寝ます。でないと、"草津明け"に社会復帰できそうにないんで(^^;
明日の更新はあるだろうか?まぁ、ほどほどに期待して(?)待っててくだされ。



8月26日(水)

今日の1枚
"ラルス先生"に無事再会

無事、草津に到着。そして、無事、草津から更新しております(ようやるよ、ホンマに...^^;)。
午後3時過ぎに到着。手続きを済ませて"学生証"を受け取ると、午後4時からのコンサート(金管アンサンブル)が目前に迫っているため、急いでコンサートホールへ移動。すると、どこからか、ベートーヴェンの七重奏曲が聞こえてくる。音のする方へ歩いていくと、なんと、コンサートホール隣りに新築なった「セミナールーム」なる建物で、翌日のコンサートのリハーサル中ではないか!(ガラス戸を開けて演奏しているので、外から丸見え・丸聞こえ状態)。ヴァイオリンのヒンク、クラリネットのプリンツらと共に演奏する我が"ラルス先生"に合図を送ると、彼も、片手をヒョイと挙げてそれに応えてくれた。さぁ、いよいよ、今年の草津アカデミーがスタートだ。
七重奏のリハーサルは、4時5分前に終了。4時開演のコンサートに出演するラルスは、駆け足でコンサートホールへ移動(大変だね、どうも^^;)。我々も会場内へ。

今日のコンサートのタイトルは、「ウィーンの金管の『響』を楽しむ」。トロンボーンのヤイトラーが指揮をし、ラッパのシュー、ホルンのラルスという当団メンバーに、日本人の金管・打楽器奏者が加わっての大編成金管アンサンブルの演奏だ。
1曲目の、ベートーヴェン「自然における神の栄光」の時に思わぬハプニング。指揮をするはずのヤイトラーが、トロンボーンを持って現れた。では、いったい誰が指揮をするの?で、そこに登場したのが、なんとラルスだったわけで(左の写真は、指揮をする"マエストロ"シュトランスキー^^;)。
その後、"ホルン奏者"に戻ったラルスは絶好調。素晴らしい音と、ここ一発の見事な「決め」で、私(たち)を、十分に堪能させてくれた。いやほんと、見事だったです。ラッパのシューも同じく見事な演奏。日本人メンバーも十分に健闘していたけど、やっぱり、「ここ一発」という部分の音の(主張の)強さが足りない感じ。この辺が、世界の一線で仕事している人たちと、そうでない人たちの差?なんて言ったら失礼かな。
まぁ、でも、とても楽しい演奏で、演奏会としては、十分に満足できる内容だった。

夜になって、明日以降に備えて1時間ほど自分たちの音出しをした後、明後日のコンサート(木管アンサンブル)のリハーサルがあるというので、それを見学するために練習会場へ。冒頭の写真は、その際に撮ったもの。左は、一緒に参加のJ氏@かぶとやま響。私の髪が濡れているのは、風呂上りだったからではなく、直前の音出しで汗だくになったから(イヤハヤ...^^;)。なお、ラルスは左手を後ろに隠しているのだが、それは、缶ビールを持っているため。彼は、この後のリハーサルをビールを飲みながら続けたのであった(しかも2本!)。

そのリハーサルだが、これは大変面白かった。今日が初合わせで、かつ、多くの方が初見(らしい)。そのため、どの曲でも最初はぎこちないのだが、曲が進むに連れて、次第に"一体感"が生まれてくる。プロなんだから当たり前、と言ったらそれまでだが、音楽が作られていく現場を目撃できたということは、私にとっては、とても新鮮かつ貴重な体験であった(右の写真は、木管八重奏版ベト7の練習風景。ラルスは、High-F管で吹いている)。
なお、ここでの音楽的な主導権は、オーボエのインデアミューレが握っていた。彼のオーボエは、とにかく「強い」。音もその音楽も、非常に「強さ」を持っているので、自然と、アンサンブルの主導権を握ってしまうのだ。たまに、ラルスや、ファゴットの馬込勇氏なんかが絡んではいたが、基本的にはインデアミューレ主導型。でも、ほんと、面白かったけどね。
ところで、このリハーサルが終了したのは、なんと11時近く。コンサート続きで、先生方も、時間のやりくりが大変みたい。ご苦労様なことです。もっとも、ラルスは、この後も、夜遅くまで飲んだくれていたけどね(いい加減にしとけよ^^;)。

うわぁ、調子に乗って書いてたら、とんでもない時間になってしまった(只今、27日の午前3時)。早く寝ないと、明日が(というか今日)が大変だ。
おそらく、明日は、こんなには書かないと思います。というより、更新そのものをしないかも(おいおい^^;)。その際は、明後日以降をお楽しみに、ということで。



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