投稿:合奏集団不協和音 鈴木真樹氏
何か変だと思ったのだ!
モーツァルトの日はオクテット(先生達+最優秀生徒達)とクインテットだったのであまり認識していなかったのだが、アコースティックの悪さもあってカザレってこんな音だっけ、と思った。ついでながら先生達、どの会場でもステリハというものは一切していない。聴衆と同じ頃合いに来ていきなりかまわずブッツケなのです。
貴族の館でやった時は会場が極めて小さいのでそんなふうにやってるのかもと思った。それを私が激しく認識したのは、ライヒャ(フランスの人達はライシャと呼んで疑わないが)+ベト(フランス人もベトと略称してる)の演奏会なのであった。ずいぶん音色を変えてるぞ、こりゃまるで私が日頃親しんでいるあの音だ。
カザレはもちろんフツーのホルンの人でパリ管の首席である。歳はまだ30代らしい。で、終演後にカザレに聞きに行ったのだ。片づけ中のところ、ライヒャはシュミットで、ベトをヤマハのウインナで演奏したのだ、と楽器を見せてくれる。私にはモデルの詳しい事は判らないので写真を撮ってきた。のちほど判定願います。何ならかなり遠くからで後ろのおばちゃんのお喋りも入ってますけど音もあります。
で、宴会でカザレにその続きを聞いたのだ。(カザレはダンスのピアノも英語も上手い。)
要約すると、最近ビルスマとかバロックの人達とやんなくちゃならない機会が増えてきて遂にナチュラルホルンをマスターしなくちゃならなくなった。すぐには難しいけど。それに今シーズンからはブリュッヘンも来る。(今度パリ管の定期でモーツァルト等を振る。)それでドイツ式の古いタイプの楽器かウイーンタイプの楽器をやらなくちゃならないって事になって、ちょうど今回の演奏会が絶好のチャンスと思い、迷わずウインナホルンを選んでみたって訳。
でも実は楽器は今のところヤマハから借りてるんだけど。実は結構練習しなくてはならなかったんだけど、ナチュラルホルンに進む上でも是非ウインナホルン をやっておいた方が良いと思ったし。ちょっとフィーリングが違って難しいところもあるけど、やってみたら実は結構気に入ってる。ライシャとベトでは違ったカラーが出て面白いと思ったんだけど、そこのとこ判ってくれたかい?今回はウインナホルンとバソンが初めて共演した記念すべき一夜だ!
そういう事を言われるとこちらも、私のところのオケではもう10年もそういう組み合わせだ。バソンとウインナホルンの響きの組合せにはとっても慣れてる。今日の響きは懐かしくてうれしい。しかも超一流の演奏者によって最高の演奏で聴かせてくれたのだから!と言わなくちゃならなくなる。実際カザレは完璧ノーミスで(第1楽章のあそこもラクラク)演奏してしまったのだが、私にそれを言われて唖然、何だって!君のところではそんな事やってたのか!何てこった!我々はヨーロッパで最初に過ぎないって事か!仕方ない、それならこれからはヨーロッパ初のバソンとウインナホルンのアンサンブルという事で売り出そう!(ほとんど冗談。)こういう大事な事を話してる時にレジスは酔っ払っていつもの「卵を産み落とす雌鳥」の芸に走ってはしゃいでいてそれを聞いてないんだな。まったく。
こういう事がフツーの事態なのか異常な事態なのか知らないが、(少なくともフランスでは超異常だろうけど、)これでパリ管がブリュッヘンの日にウインナホルンで演奏する可能性がかなり出てきたと言えるかも。
少なくともカザレさえその気になれば、パリ管にはピリオド系で有名なガルサン・マロウがいるのでウインナ2本も十分可能なのでは?私はカザレの本気度と演奏の仕上がりの良さから、これはヤル気だなと確信しているが、、、?
ところでそのXデイだが、
4月8日と9日
モーツァルト:5つの行進曲(セレナータノットゥルナ、ハフナーセレナーデ、イドメネオ、フリーメーソンの葬送音楽、魔笛−という事は2幕の最初の曲?)+ピアノ協奏曲第23番(ピレシュ)+交響曲第39番
4月22日と23日
ハイドン:交響曲第83番+チェロ協奏曲第1番(メルク)+モーツァルト:交響曲第41番
という事になる。
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