八犬傳 観察日記 3

偏向的な教育が一般の妖女に与えうる重大な影響に関するささやかな事例の段

第 3 部は、第 2 部で瀧田城へ向かった 2 グループが出会うところから始まる。 互いに相手を見つけて、
「おーい、おーい」
と叫びあう。こら。君たち相手をしらないだろ。

この様子を、蛇女の白比丘が妖術による「中継」で見ているのだが、彼女は、 J リーグサポーターであるだけでなく、 特撮映画の見すぎな気がする。親の青比丘が使った技は、 「中継」のほかは、大鷲をつかって子供をさらうぐらいだった。だが、白比丘は 「巨大コウモリもどき」と「半魚人」である。 どちらも彼女自身が変身する。現代でいうところのコスプレに 近い趣味である。ったく、五十子城でどーゆー育てかたされたんだか。しかも、 後のシーンでは、信乃と浜路がヒシと抱き合ってるとこを「中継」で見ている。 のぞきもするのだ。やれやれ。

そろそろまじめな話になっていくのだが、やっぱり、笑う。
毛野「さらばこそのお願いでございます」
7 人 「あはははははははははははははははははははははは」
はいはい。

闇夜に笑う冒険者の段

で、白比丘の方も
「んふふふふふ、あはははははは、あはははははははは」
と笑う。もちろん、顔にペイントして。彼女が信乃と浜路に「エイッ、エイッ」と 気合いをかけると、2 人が倒れて動けなくなるのだが、妖術だと言いたいのだろうか。 これはどうみてもヤバいオバサンが突然登場したので ビックリして開いた口がふさがらないだけなんじゃないかなぁ。

ちなみにこのピンチに現れるのは、そう、我らが道節クンである。
道節「ははははははははは、はははははははははははははははははは」
あ、2 回しか笑ってないぞ。そんなんじゃ白比丘に負けちゃうぞ。

とはいっても勝負すれば主人公が勝つ。ヘビを出す白比丘に対して ディズニーランドのアトラクションででも出てきそうな 巨大なカエルを出す。どこらへんがアトラクションかというと、 まず、目が光る。次に口がパクッと開いて白煙が出る。どう考えても ヘビににらまれたカエルっていうし、負けそうなので、 道節も途中でカエルを降りる。で、気合いをかけあってると他の犬士たちがやってくる。 慌てた白比丘がアニメになって逃げ出す (特撮技術の限界を超えたんだね なんて邪推してはならない) と、犬士たちが何を思ったか 上空数十メートルにいる白比丘に霊玉をなげつけると……またも花火がドカーン。

もういいやねの段

そもそも第 3 部の部分については、僕は原作の筋書きを知らない。 現在出版されている本には、第 2 部の終わり、つまり八犬士が集まるところまで しかないものがあって、僕が読んだのもそうだったからだ。でもまぁ、 あとは里見の家が安泰になっておしまいなので、観察は必要なさそうである。

まとめ。この観察日記では、「笑い」はすべてそのまま載せた。 これを細かく数えると、第 1 部で 3 回、第 2 部で 13 回、第 3 部で 6 回、 総計で22 回も笑っている。もしかしたら友野詳氏も この映画を見たのかなぁ。えぇと、『南総里見八犬傳』は、 総天然色特撮妖怪戦国娯楽ギャグ大作でした、 ということでいいでしょうか、師匠。

終わりぃ。


ありがたきことに相互リンクしていただいた段

「南総里見八犬伝」白龍亭 [園部宗庵さん]
八犬伝のファンページ。いや、もはや単なる「ファン」のレベルではないかも。 書誌情報や各種の研究など、八犬伝に関しておそらく 世界最強のサイト。 見やすさ・楽しさにも気をつかってるとこがまた嬉しい。
伏姫屋敷 [ゆーかさん]
もうひとつの八犬伝映画について知りたいあなたは、こちらへ。 「関連書籍 (コメント付き)」の中に「☆映画『里見八犬傳』(昭和29年版)ってこんな話」 と題して、昭和 29 年版の映画「里見八犬傳」が紹介されています。 ちなみにこの「伏姫屋敷」、まじめなサイトだと思って見始めると、 勘ぐりと細かいネタ のコーナーで含み笑いが止まらなくなります


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