−ベルディア帝国 時代背景と簡易年表−




ベルディア帝国 簡易年表

出来事
前320年(新王国歴526年)頃 不平の大周期、バルバス・オールギン役割放棄
エルナンド半島(現在のベルディア半島)結界から離脱、マーモ漂流民到達
離脱時にバルバスにより3本のイスカリア地方への進入路形成
バルバス、漂流王に魂を移すが支配に失敗し活動停止
前300年(新王国歴546年)頃 ベルディア帝国成立、侵略戦争を開始
時期不明 沈黙の民と悟りの民、ベルディア帝国の被征服民となる
前150年(新王国歴696年) 双面の民の呼びかけにより傭兵集団「獣の牙」結成、ベルディアの侵攻に対抗 
前10年(新王国歴836年) 『はじまりの冒険者たち』『神王伝説クリスタニア』
双面の民が獣の牙を裏切ってベルディア帝国につく
双面の民の呪術師ムーハ、胡蝶の民の祭器を奪取
胡蝶の民の祭器により漂流王の魂、夢幻界へ放逐
マイリ―神殿のビエン大司祭、胡蝶の民のトゥルヤにより暗殺される
神王バルバス復活、破壊の奇跡を用いて獣の牙の砦を粉砕
シェールがソウルクラッシュを用いて神王バルバスを負傷させる
暗黒騎士団・騎士隊長ルインズ、レードンと一騎打ちし、戦死
0年(新王国歴846年) 『漂流伝説クリスタニア』
剣の牙の公爵グレイル、レイルズと一騎打ちし、戦死
神獣の会合により周期の終了が決議、結界解除
クリスタニア全エリアが海と同じ高さへ降下
漂流王の魂が夢幻界より帰還、神王活動停止
暗黒騎士団・団長ディラントが騎士王に即位
ベルディア帝国より猛虎の民が離反、内戦開始
10年(新王国歴856年) 『封印伝説クリスタニア』
覚醒の鐘により混沌の封印が続々と解放
ウルス覚醒、神獣の会合により全封印の一旦解放が決定
竜王アルゴス復活、神獣と呼集された獣人らによって一大決戦
竜王アルゴス、肉体を滅ぼされ、魂を砕かれる
神獣モスコス、コスタル、サータリアが肉体を失い、魂が散華
11年(新王国歴857年) 『暗黒伝説クリスタニア』
妖魔王復活、ベルディア帝国から妖魔離反
妖魔と猛虎の民が手を結ぶ
騎士王ディラントと獣の牙、同盟を結成
新生ベルディア王国、王都ドートン籠城戦
妖魔王、妖精界へ帰還
12年(新王国歴858年) 『傭兵伝説クリスタニア』
獣の牙ベルディア支部結成
騎士王ディラント行方不明、アスファ石化
クラウドハンガーにより獣の牙ベルディア支部砦崩壊
騎士王ディラント帰還、獣の牙とベルディア王国共同で魔力の塔攻略作戦
獣の牙とベルディア王国共同で亜空間要塞へ侵攻
カストゥール王国残党事件終息
13年(新王国歴859年 『秘境伝説クリスタニア』
ベルディア王国とダナーン王国、正式に通商開始
ダナーン王国より調査船団がベルディア王国港を経由し、南クリスタニアへ
南クリスタニアで魔神獣の存在を確認





紀元0年〜紀元10年頃という時代


クリスタニアの結界は紀元0年の神獣の会合により解除され、
既にクリスタニアの大地は海面と同じ高さまで降下しています。
よってイスカリア地方、フィンガル地方とも地続きで行き来に問題はなく、
主に双面の民の商人が物資の往来で活動しています。
フォレースル地方へは険しい山脈を越えねばならぬため、
直接の行き来は困難ですが、それでもベルディアの犯罪者や脱走兵などが
山脈へ踏み込み、フォレースル地方の山賊に加わったりしているケースもあるようです。

この10年間の前半は猛虎の民との内戦と前線引き上げによる混乱によるトラブルが頻発、
またそれに伴って貴族同士の勢力争いが激化している時期であり、
また、後半は覚醒の鐘が鳴らされて封印が少しずつ解放され、
ベルディア半島にも突如魔獣や災害などが出現し、各貴族ともその対応に明け暮れています。
いずれにせよ派閥同士の睨み合いと関係なく解決に向けて行動できる特務隊は
仕事が山積みとなっており、シナリオの種には困らない事でしょう。

結界が無くなった事でイスカリア地方の海岸でも船を寄せられるようになり、
また、レイルズとディラントの個人的な面識もあり、
ダナーン王国からベルディアへの特使なども訪れるかもしれません。
あるいはフォレースル地方の古の民の特殊な信仰形態に
興味がある闇司祭が巡礼に行こうとしたり、
逆に古の民がベルディアの情報を得るためにベルディアを訪れるかもしれません。

端的に言えば、猛虎の民は離反して敵、妖魔たちはまだ味方。
そして神獣の民との戦争は小康状態で今はベルディアは内戦中という所です。
マイリ―神殿のビエン大司祭は暗殺されており、この時代はファラリス神殿の
グンナーク大司祭がベルディア帝国内でのプリーストのトップと言う事になります。
宮廷魔術師団の主席はずっとマーティ導師ですが、アスファはこの10年で
第5席から第3席まで席次を上げているようです。
政治的には騎士王ディラントがトップであり、各派閥とも
「ディラントが騎士王ならば今は従おう」という態度ですが、
もしディラントが居なくなれば「我が我が」と一斉にアクションに出かねない
という際どいバランスでもあります。



ベルディアの戦争と主戦場の推移


マーモの漂流民が漂着してより10〜20年でベルディア帝国が成立に至ります。
猛虎の民との文化的折衝の上、漂流王とバルバスのどちらもが
「クリスタニアの支配を狙っている」と言う点で一致している事から、
暗黒の民と猛虎の民が折り合いをつけ、神王が復活したら従うという前提で
ベルディア帝国という共同体を形成し、まずは半島を支配下に置くために
沈黙の民と悟りの民への侵攻が開始されました。
主戦場はベルディア半島内という事になりますが、一方で当時の大蛇の民が
結界の修復を目論んでいたという話もあり、
バルバスが穿ったイスカリアへの3本の侵攻路を失わぬよう、
戦闘規模こそ小さいながら双面・銀狼・大蛇の民との戦闘も発生しているようです。

以降は長らく3本の侵攻路の取り合い、並びにそこから双面の民の支配域へ
侵攻しようとしては押し返されるという攻防戦が続きます。
獣の牙が結成されて砦が築かれて後も基本的には同様であり、
300年近くの間、ゴブリンらをそこですりつぶす形でベルディアは戦争片手に国内を整備してきたのです。
そこへ大きな転機が訪れます。
「前10年」の双面の民の裏切りです。これにより神王バルバスが復活、
獣の牙の砦は瓦解し、双面の民の支配域を飛び越える形で
大きく戦場はイスカリア地方中部ヘと移行していきます。
神王バルバスこそソウルクラッシュの傷もあり奇跡を使う頻度は著しく低下したものの、
これまで以上に士気の高い猛虎の民の前線参加により
「紀元0年」までの10年間に銀狼の民は喉元まで迫られる形となり、
大蛇・孤高の部族も同じくじりじりと戦線を押されていくことになるのです。

しかし、レイルズに固執して独自行動を始めたグレイル、
そして多くの猛虎の民の古株の精鋭を失ったことで、
猛虎の民には軍事的指揮能力に優れる人物が前線で払底してしまいます。
神王バルバスは暗黒騎士団長ディラントに全体の指揮を命じましたが
直後にグレイルは戦死、さらに、このタイミングで漂流王の魂が帰還、
バルバスは活動を停止してしまったのです。
その上、バルバスの活動停止からのディラントの騎士王就任が
暗黒の民の陰謀と思い込んだ猛虎の民がベルディア帝国から離反、半島へ帰還してしまいます。
再度の裏切を企みかねない双面の民を背負っての無謀な戦線維持はせず、
ディラントは半島へ暗黒騎士主力を引き上げて猛虎の民との内戦に対応しました。
結界が解け、ベルディア半島へ地続きとなったとはいえ、
放たれたゴブリンたちへの対処の為、獣の牙をはじめとする神獣の民も追撃する余力はなく、
以降はイスカリア・フィンガルとも小競り合いレベルの戦闘に終始、
主戦場はベルディア半島内のベルディア帝国と猛虎の民との内戦へと移る事になります。

そして「紀元10年」、頻発する解放された混沌によるトラブルに
ベルディア帝国も猛虎の民も忙殺される事で内戦は半休戦に近い状態になっていました。
騎士王ディラントはアスファをはじめ特務隊を数チーム使って原因の調査を行い、
封印の大洞窟近くの竜王復活と一大決戦の情報を得て、神獣やその民たちの変化を感じ取ったようです。
そして「紀元11年」の妖魔王事件による妖魔たちの離反に至り、
妖魔との決別を決め、暗黒の民の新生ベルディア王国として
沈黙・悟りの民の征服下からの解放と獣の牙との同盟締結を行ったのです。
妖魔王、そしてカストゥール王国と猛虎の民を相手としての戦いをもって、
主戦場の当事者ではなくなり、以降は戦場は南クリスタニアへ移っていく事となりました。



ベルディア帝国における経済あれこれ

ベルディア半島の大半は熱帯雨林系の密林です。
その為、果実や生息動物・昆虫が豊富で狩猟採集でも生活は比較的容易です。
とは言えそれは穀倉地帯のように大人数を支えられるようなものではありません。
各町村集落では地形が許す範囲で耕作も行われており、家畜も飼われていますが、
その土地は農場向きではなく、妖魔の繁殖を放置すればその胃袋を満たし続ける事は出来ません。
結果的に長らく続く戦争や内戦は今や妖魔の数の調整に必須とすら言える要素となっています。
基本通貨は銀貨ですが、ベルディア半島は銀を産出する鉱山に乏しく、
宝石が積極的に補助通貨として用いられます。
パーシャルビーストの価値を高める事にもなりますので
GMは望むなら銀製品の購入価格を通常より高くしても構いません。

商取引は長らく国内、それも後方から前線へ、産地から消費地への移動が主でしたが、
双面の民が加わった事で彼らを介して敵味方での取引も始まっています。
とは言えベルディアの産物で一番神獣の民に売れるものは規格の揃った武器防具であり、
双面の民が前線から密かに武器防具を横流ししているのはディラントにとっては悩みの種でもあるのですが。

マジックアイテムについてはベルディア半島にはカストゥール王国の遺跡がほぼ存在しない為、
基本的にはマーモから持ち出した物か宮廷魔術師団で製作したものしかないと言う事になります。
しかし、魔法の武器や杖などは冒険の上でプレイヤーにとって大きなモチベーションの元でもあります。
その為、アルケナやメルキシュ、タルキィーが伝えた知識により+1程度の武器は
アレクラストと同程度には購入可能であるとして構いません。
あるいは宮廷魔術師団では300年の間にいくつか付与魔術の呪文を復活させているのかもしれませんし、
マーモ脱出から持ち出された品が貴族家の没落や戦死などで市場に出回ったのかもしれません。
魔晶石についても公式では傭兵伝説まで基本的には存在しませんが、
必要であれば非常に効率の悪い儀式で精神点の少ないものを少数なら生産する秘術があるとしてもいいでしょう。
コモンルーンについては宮廷魔術師団で製作しています。
基本的にビーストマスターファイターは精神力を持て余すので
アレクラスト以上にプレイヤーに対する需要はあるはずです。



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