肥後採集の風景
(九州・四国ツアー4日目)


採集地:熊本県〜大分県〜愛媛県

2007.1.4

■1月4日

九州へ来て早くも四日目の朝を迎えた。昨晩は熊本市近郊の市の施設の駐車場でうとうとしていると、門を閉じるからと追い出され、夜中に移動する羽目になってしまった。おまけに、昨日の山登りで足腰に疲れがたまっている。
よってこの日は睡眠十分とはいかず、いささか朝から調子があがらない。しかし、そうもいってられないので、早速車を動かし下見を開始した。

私自信初のエリアで平地の採集はなかなか絞り込めないでいた。集落の外れのようなところを長してあるくうちに、いくつかのクヌギ林はみつけたが、このエリアでは根本から伐採しているためか、朽ちた木がほとんど見つからないのだ。間引きや下草刈りもされているのでなおさらだった。

そんななかでようやくニクウスバの付いた立ち枯れを見つけた。上の方は菌糸が活発でまだ虫は入っていなかったが、下はいい感じで朽ちていた。食痕を追うとわりと大きな幼虫が出てきたが、ノコギリクワガタの幼虫の様だった。更に叩くと数もそこそこ出てくるのだが、皆同じ幼虫だった。

あっという間にタッパーも一杯になって打ち止めにして、場所を変える事にした。次に入った場所もやはり立ち枯れや倒木が全然ない。そんななか、地に埋もれた菌糸の回った根蕪を見つけた。叩いてみるとよく太った幼虫のお尻が出てきたが、先ほどの幼虫と同じでノコギリと思われるものだった。他の場所も探してみたがなかなか良い朽ち木に出会うのは簡単ではなかった。

いつしか午後となり、道の駅で昼食を済ませ再度一回りしたが、やはり厳しい。ここは一旦採集は打ち止めとして、阿蘇を抜け大分方面へ移動する事にした。

ノコギリクワガタ幼虫
ノコギリクワガタ幼虫ノコギリクワガタ幼虫
阿蘇山にて

阿蘇の地は一度も訪れた事がないので楽しみだった。やがて、阿蘇の中に入った。ついでに山上に立ち寄り、それからは先を急いだ。途中で豊薩合戦の際に志賀親次が守った岡城の側を通過し、大分の臼杵までは案外早く抜けられた。

臼杵のフェリー乗り場へ向かうと丁度乗り込みが始まるところで、待たずにフェリーに乗って九州をあとにした。ほんとうは予約だけして、臼杵の町で食事でもと思っていたが、乗ってしまっては今更だった。

船は二時間程で愛媛の八幡浜へ着いた。そこからは高速で松山まで移動し、道後温泉へ向かった。ぎりぎりで間に合い、温泉にも入れたのでゆっくり眠りにつく事ができたのだった。

臼杵港 道後温泉
◆本日の採集成果:ノコギリクワガタ