会津地方採集の風景

採集地:福島県西部


2005.7.16-18

◆2005.7.17◆昼の部
6:30頃、辺りが明るくなっており目を覚ました。疲れは全然抜けておらずまだ眠い。それもそのはず、一睡もしないで到着してから終日駆け回り、2夜で3時間程度の睡眠では疲れも溜まるというものである。

しかし、ゆっくりもしていられないので車を走らせルッキングへ向かった。この日は全くの新規な場所へのトライである。やっとのことで林道へ到着し標高を上げてゆく。最初のうちは期待できるかと思ったが、標高が上がるにつれ植生が悪くなっていた。1300M位まで上がってもいまいち。1500Mまで上がるとようやくましな感じになったが、柳はあっても虫は無し。深入りは時間のロスと判断し、急ぎ林道を下ることにし、また別なポイントへ向かった。

ここは過去に記録のある場所なのでと期待して入っていったが、またしても無駄足だった。日差しも高くなり、この日は晴天だった。疲れがどっと出てきたので車で一休みしてから再スタート。

今度は昨日の林道なのでボウズは無いだろう。しかし、この日は採集者が既に多く来ている。車もどんどん入ってくるし、徒歩の採集者も沢山いる。

我々はトラップポイントを基点に一撃離脱の作戦で望んだ。トラップのチェック及び回収は最後に行うことにして、先ずはルッキングに専念。

ようやくSO氏がブナを歩くヒメオオを捉えた。そのあとはミヤマ、アカアシ数頭で終わってしまった。トラップもこの日はコクワ、アカアシは各1頭づつ付いていたが、ほとんどはハナムグリしかいなかった。全てのトラップを回収してこのエリアを離れることにした。
ブナにヒメオオミヤマクワガタ♂
ポトリと落ちたアカアシコクワ&ハナムグリ

◆2005.7.17◆夜の部
町の温泉でまた汗を流し、食糧を調達。その後は今夜の灯火ポイントへ向かった。標高は少し高いが、ここなら期待できる環境だった。展開して設置を終えると、あとは日没を待つのみだった。

19:15エンジンを始動。はじめにコガネムシがやってきた。そのあとを追うようにアカアシが数頭飛来。しかし、後が続かない。日没後は気温もどんどん下がって長袖でも肌寒い位だった。どうやら日中の日差しで放射冷却状態なのかもしれない。湿度も低めな感じであまりよろしくない。ミヤマもポツポツ来だしたが、この環境でこの数は不作といえる内容だった。21:00も回り、普通ならバンバン飛んでくる時間だが、ポツポツといった程度。また、私は一人で索敵に出かけることに決めセットの番をSO氏に頼んで、彼を山中に一人残して町へ下りていった。

町の街灯には親子連れや我々のようないい年をした採集者がひしめきあっていた。街道沿いも多数の自前灯火組が頑張っている。そんな中でも他と次元の違う光を放つ装置を使った採集者が目についた。横浜の早乙女氏と仙台の清水氏だった。車を引き返し、近くで見せてもらい、暫し歓談。この日早日早乙女氏は早くもオオクワ♀を採集されていた。清水氏は、ここ数日成果は出ていない様だったが、今期既に十数頭もあげているから十分なのではなかろうか?(^^

しかし、1000w級のライトが8灯も並んでいる光量は凄まじいもので、こちらのセットの貧弱さをつくづく思い知らされるものだった。30分くらいの時間でお暇しましたが、いいものを見させていただいて感謝しております。次回はもう少しゆっくりお話したいものです。
キンスジコガネアカアシクワガタ♀白布に白い蛾
毒々しい色彩ミヤマクワガタ♂ミヤマクワガタ♀
ミヤマクワガタ♀ミヤマクワガタ♂ミヤマクワガタ♀
ミヤマクワガタ♂ いっぽう、山間部に連日取り残されたSO氏の方は、相変わらず数十分に1頭くらいのペースでしか飛来が無かったようで、寒い思いをしていた模様だった。気温も下がって心身共に寒い思いをさせてしまった。時間も0:00を回りそろそろ撤収かと思っていたときに、エンジンが自動で停止した。ガス欠だった。7時間くらい持つ時もあるのに、5時間しか持たないとは。まあ、撤収を考えていた時間だったので丁度良いと言えば良いのだが・・

後片付けを終え車で街灯を時折下りてはチェックするがいまいちだった。


◆2005.7.18

福島新潟の山間部を越えて新潟側でもチェックするが、来たときにみられた街灯も皆無だった。気温と湿度が影響しているのだろう。

なんだか、もやもやとした気持ちのまま高速に乗る事となってしまった。夜明けまで数時間はある。運転も疲れたし、無理に急ぐこともないのでパーキングで少々仮眠をすることにした。目覚めの悪い朝が来た。敗北感に苛まれながら我々は京都を目指したのであった。



今回は昼夜共に精力的に活動したつもりだが、結果は芳しくなかった。虻蜂とらずということわざにあるように、昼も夜もと駆け回ったのはいいものの、ここ一番での集中力に欠けたのは否めない。もう少し余裕をもったプランでこのような遠征は計画しなければならないのかもしれない。
ミヤマクワガタ♀
◆本日の採集成果:ヒメオオクワガタ♂1、アカアシクワガタ♂1♀3、ミヤマクワガタ♂4♀5、コクワガタ♂1、
 ムラサキツヤハナムグリ10以上、アオアシナガハナムグリ4、

※今回の採集では果実トラップを用いましたが、回収は必ず行いましょう。

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