八丈島採集の風景

採集地:東京都八丈村

2005.6.25-26

◆2005.6.26

朝5:00 気が付いたら辺りが明るくなっていた。登竜峠といえば八丈でも名勝の筈だが、霧と雲でなにも見えない。以前も対馬強行採集した時も同じように雨と霧で景色など全然楽しめなかったが今回もその様である。数カ所の倒木をチェックしたあと車で流していると雲の隙間から太陽光が海を照らし出していた。まるで海に太陽が沈んでいるようで美しかった。
アカメガシワにゴマダラカミキリハイビスカスオオバヤシャブシにもゴマダラカミキリ
マメクワガタはどっかにいるのだろうか? この日は時間も限られているので、倒木チェックは見込みのありそうな数カ所と決め、あとはまだ行ってない道や樹木のルッキングを行うことにした。オオバヤシャブシやアカメガシワをチェックしていくとカミキリは付いている。これならクワガタもいるのではないかと思った。その後も暫くオオバヤシャブシがある度に車を止め見て歩くが無駄に終わった。

採集可能な時間もあと少しとなった頃、また昨日の実績ポイントへやってきた。倒木をチェックしてゆくがクワガタは何もいない。出てくるのはツヤハナの幼虫くらいだった。やはり昨夜の雨が影響しているのか?

林から林道へ戻ると地元の方と出会ったので挨拶をした。犬の散歩中のようだが、犬は野放しで散歩していた。初めはこちらが何者かと怪しんだ感じだったが、話を少しするとうち解けてクワガタの話しも聞かせてもらった。以前はこの時期によく道を歩いていたという。最近はあまり見かけなくなったという様な事を言ってみえた。そのの方と別れ反対側の林に入って倒木をチェックしたが、追加は獲られなかった。

次に開けた風通しのよいところへでると、何かの虫が飛んできた。トラカミキリの仲間だった。思わぬ所にいるものである。
東京都亜熱帯区
ツヤハナムグリは沢山いるのだけど・・アガパンサスフタオビミドリトラカミキリ
この日唯一のクワガタ その後、山間を抜けるルートを走り町へ向かうことにした。
途中で昨日見つけていた倒木をチェックしてみた。そして、やっといました。ハチノコの♀です。

最後の最後に追加というか、この日唯一のクワガタにあえてほっとした瞬間だった。
帰りになってお日様が見送りに・・ 町へ抜けるとガソリンスタンドで給油を済ませてレンタカー屋へ。おやじさんに港まで送ってもらい、空を見上げるとその頃になってようやく晴れ間が出てきていた。島を離れる間近になって晴れてくるとは私はよほど雨男なのだろうか。

来たときと同じさるびあ丸に10:00過ぎに乗り込んだ。それは、また長い船旅の始まりだった。

10時間近くの時間を費やし、ようやく東京湾まで戻った頃にはすっかり晩になっていた。羽田空港の灯りが眩しかった。しかし、まだこれから最終の新幹線に乗り関西まで戻らないとならない。おまけに翌朝は会社かと思うと頭の中は八丈の空のようにどんよりしてしまったのだった。
羽田沖通過中 今回の八丈島での採集はやはり厳しい結果となった。ある程度予想はしていた結果である。人の案内や助言も求めない中で何処まで出きるのかというのもあった。しかし、この事は採集を楽しむという点では十分に満足を得られるものであった。

土地勘の無い所で、採集方法も他の土地とは異なり、また時間的にもかなりタイトな中で望んだ今回。

採集とは成果が全てではなく、その過程や自分なりに考え、あれやこれやと試していく。それで結果はその時に出なくてもそれはそれで経験という肥やしになれば良いのである。
今回はなかなか果たせなかった八丈での採集が出来たことに意義があるのである。

八丈島採集1日目ヘ戻る