神津島採集の風景

採集地:東京都神津島村

2005.5.5-8

新幹線より望む富士山 ◆2005.5.5(採集初日)

一ヶ月半振りにまたもやこの島を訪れる事になった。本当のところは、望んで訪れている訳なのだが。GW期間中の前日までは対馬へ行っており、前の晩に帰宅するや否や慌ただしく改めて出発のための荷物の整理にとりかかった。船も宿も新幹線も何も予約が出来ている訳ではないが、このGW期間のみ熱海〜神津島航路が就航しているので関西からは多少なりとも行きやすいのである。

朝一で東海汽船へ電話を掛けるが、営業時間外だった。熱海港の事務所へ電話すると、空きありとのこと。船さえ押さえられればあとはなんとかなる。荷物を持って家から飛び出し、10:36京都発の新幹線で熱海を目指した。出港は13:45で、その約1時間前には熱海駅を降りることが出来た。熱海駅からはバスで熱海港へ移動。僅かの待ち時間でジェットフォイルに乗船し出港した。

熱海駅熱海港熱海の町
祇苗島ジェットフォイル船内の様子もうすぐ神津島へ
私の乗船したジェットフォイルは利島の沖まで来たところで急に失速し着水、停止した。姿勢制御装置の異常とのことである。無事に着けるのか一抹の不安がよぎったが、少しした後また海上を走り出した。定刻より10分程遅れて15:30に無事神津島へ到着した。

前回と同じく多幸湾へ着くと熱海から予約したレンタカー屋の方が迎えに来てくれた。離島のレンタカーは内地では考えられないほど高いが、レンタバイクの様に時間制限もなく動き回れる点と今回は雨の心配もあったので車を借りることにした。その為、宿は無しである。

事務所で手続きをしていよいよ採集体制に入れたのは既に16:00を回っていた。神津ストアで食糧を買い込み山へ向かったのであった。
今回の相方猛毒を持つ ツチハンミョウ
ミクラミヤマ
先ずは一番気になっていた辺りへ行ってみた。すると既に幾多の採集者が見受けられる。徒歩、自転車、バイクと様々だったが、車は私だけのようだった。

採集圧も高いし、時間も時間なのでもう厳しいかと思っていたが、道路の前方に歩く黒い虫を見つけた。降りて確認すると黒光りしたミクラミヤマ♂だった。初の採集だけに感激ひとしおである。また、時間的にはもう厳しい時間帯だけに、初日で拾えたことが嬉しかった。他の採集者の方々はその後すぐに全くいなくなってしまった。

その後も車で徘徊しながら発生場所や植生をチェックして回ったが、追加は獲られなかった。道路脇に黒い虫が目に入ったが、ミクラミヤマではなく似たサイズの※ツチハンミョウだった。

私は日没までの間に持ってきたトラップを仕掛けていくことにした。果実トラップとベイトトラップを用意していた。果実の方はミクラミヤマは来ないことはわかっているが、他の甲虫が何かしら集まるのではと少し期待していた。

日没後も19:30頃まで島のあちこちのエリアへ下見を兼ねて回った。しかし歩いているミクラミヤマは皆無だった。やはり夜は活動しない様である。その後は営業時間ギリギリで温泉に入り、食事を済ませ、果実トラップを一巡して眠りについたのであった。



※ツチハンミョウは「カンタリジン」という猛毒を体に持っているので、絶対に素手で触れてはいけません。
夜の巡回港の傍で神津の町の夜景

神津島採集2日目ヘ続く