大和南部高山採集の風景

採集地:奈良県

2004.4.24

この日は私がHP開設以前より付き合いのある佐賀のKボンバー氏を関西にお迎えして採集に行きました。彼の目的は第1にミヤマツヤハダ、次いでキンキコルリ、ヒメオオ、ニセコルリなど。

全てを一度に採集するのは関西では紀伊半島でしか出来ないが決して簡単でない種である。

金晩最終の新幹線でKボン氏がやって来られ、新大阪駅で待合せ。早々に私の車で阪神高速にのり、奈良を目指しました。途中道に少し迷いながらも無事目的地へ付いて仮眠。僅かに眠った程度で日も開けてきたのでいよいよ採集開始です。
ツヤハダ材を割るKボンバー氏
この日は風が強くてかなり寒い・・
まるで真冬のような寒さです。

歩いていると少しは暖まるのですが、ちょっと立ち止まってルリ系のいそうな材を解しているだけでも身体が冷え込んでしまいます。

ある程度歩いたころ、先に行っていたKボン氏が座り込んで赤枯れ材を割っていました。
聞くともういきなりミヤマツヤハダ幼虫が出たとのこと。流石は採集経験豊富なKボン氏である。

私もなんとか出さなければと更に進んで探しているとありました。
手頃そうな赤枯れ材を発見。
硬い部分を剥がして中を砕くとミヤマツヤハダ幼虫が出てきました。

しばらくすると成虫も。ツヤハダの成虫にお目にかかるのは初めてで嬉しいものです。

Kボン氏の方は相変わらず最初の材を叩いている様子。聞くと成虫はあまり出ないけど幼虫は沢山出ている様子。

私は更に進んで違う材を叩くとまた幼虫、成虫共に出てきました。

しかし、この材は硬くて大きい割にあまり数は入っていない感じなので止めて2人で先に進むことに。


途中でルリ系の産卵マークを見つけては削ってみると幼虫が出てきました。
ニセコルリ幼虫
ミヤマツヤハダ幼虫 ミヤマツヤハダ成虫
ヒメオオ♀の亡骸 朝一で目的種が出た余裕から私は次にヒメオオ狙いでブナの立ち枯れに取りつきました。

この辺と狙って削ると成虫の砕いたような木屑がみられ、その中からヒメオオ♀の亡骸。これはここに産みに来たものに違いないと確信して割り込むことにしました。程なく食痕が出てきます。辿っていくと幼虫がいました。大きさからして2齢のヒメオオ幼虫で間違いないでしょう。更に堅い部位を削り広げると♀成虫、♂3齢幼虫、♀成虫、♂3齢幼虫とボロボロ出てきます。幼虫はまるでオオクワの幼虫のような大きさがあります。

中央部の深いところにも蛹室がありました。今度はようやく♂成虫のようです。しかし、動かない・・顎は見えているのですが、やっぱり動かない。穴を広げて取り出すとこれまた大きな♂成虫。しかし、死んでました。お腹も納まりきっていなかったので羽化直後に凍死してしまったのでしょう。

顎先から上翅までノギスをあてると56m。これが生きていたなら・・・

そのころKボン氏はルリ系を探しているようでした。
呼んでこのヒメオオをみてもらい、更に割り込むとようやく生きた♂成虫が出ました。この材からは♂2(★1)、♀3、幼虫3を割り出し、意気揚々と足取り軽く更に進みます。
56mmの★
ヒメオオ2齢幼虫 ヒメオオ大型幼虫
ヒメオオ♀成虫
ツヤハダ大漁 今度は朽ちた赤枯材が多数あるエリアへ。


朽ちすぎた材からはオニとオオトラフと思われる幼虫が出てきます。

そしてまたツヤハダの爆採れ状態に・・。

さすがの採集名人Kボン氏でも、もういいよというくらい幼虫は出てきます。

しかしあまり成虫は出てきません。
どうも材によって成虫の比率が違います。

タッパーも2人とも余裕が少なくなって来ているのでこの辺でツヤハダ狩りはストップです。

場所を変えて歩き回ることに。
オニ&オオトラフ ルリクワガタ♂
険しい山道をしばらく歩くとだんだん植生が変化してきてモミのような針葉樹が多くなります。そんな時、倒木を見つけルリの産卵マークを発見。少数ですがここではルリクワガタが採集できました。

更に進むが、なかなかいい環境とはならない。益々針葉樹が多くなるので、このエリアには見切りをつけ流事にした。
一旦引き上げて先程のエリアにまだ近いところへ分け入る事にしました。

今度はオニなどが比較的多いようです。しかし本気でオニを採り出すとタッパーに入らなくなってしまうので、少しでオニは止めることにする。

Kボンバー氏もニセコルリをいくらか出せたので、残るは彼がまだ採集していないヒメオオということで立ち枯れを探す事に。

広範に立ち枯れを探して歩くが、なかなか手頃なものが見つかりません。やっと見つけた立ち枯れにKボン氏がトライしますが、どうも古い食痕の様でなにもでてきません。
オニクワガタ幼虫 ニセコルリクワガタ♂
そのころ私は更に進んで探しますが、巨大な針葉樹の倒木は沢山あるものの、ブナの立ち枯れが見あたりません。そんな時1本のブナの立ち枯れに出会います。近くにブナの倒木も転がっています。時間的に余裕が無いため、ここが最後かと思い二人とも真剣に硬い材に斧を振り下ろします。すると、ヒメオオらしき幼虫が出てきました。同じころKボン氏も幼虫を。更に彼が♀蛹を出しました。間違いなくヒメオオの♀。なんか生きているのか死んでいるのか・・?たぶん一回凍結してしまったのでしょうね。

そうこうするうち、Kボン氏が♀成虫を出し、私も続いて♀成虫を追加。幼虫は彼の方は結構出しているのですが、♂成虫が出てこない。時間も押し迫ってきており、私も彼のためにも♂成虫が出ないものかと渾身の力で叩きますが、出るのは幼虫ばかり・・。
ヒメオオ♀
時間的に本日はこれにて終了となりました。

無事車へ戻り、一旦街まで出ることに。

山間部ではコンビニすらろくに無く、次の日の食料の買い出しと今晩の晩飯、そして温泉にありつくために。

第2日目ヘ続く