肥後高山採集の風景(中国・九州遠征3日目)

採集地:熊本県南部

2004.5.2
昨夜なんとか待ち合わせ場所へ辿り着くと福岡のT氏、鹿児島のS氏がかなり前からお待ちいただいていた。疲れていてあまり歓談も出来ずに早々に明日に備えて寝させていただいた。

5:00過ぎには明るくなり出し目を覚ました。コンビニで食料を買い込みいよいよ出発したいのだが、S氏がまだ寝ている様だった。この後で私は知ったのだが、実は彼女と一緒だった。このS氏とはかなり以前に交換などでお世話になった方で、私が来るというのでわざわざ急遽、鹿児島からお越し頂いたのでした。

目指す山は近くだったのですぐに到着して5人で山登りの開始です。天候はあまり良くなく霧雨状態。だが、山登りには涼しくて丁度良いくらい。そんなに急な山でもないのにT氏だけは登山杖を片手に・・(^^
左から福岡のT氏、鹿児島のS氏、佐賀のKボンバー氏、ALF
キュウシュウヒメオオクワガタ 少し上がったところで倒木を叩いてみると、アカアシらしき幼虫が出てきました。その後ブナの大きな立ち枯れの上部からはオニクワガタ幼虫が、中央部を叩くと今度は大きな硬い食痕がでてきました。

これはヒメオオのものだと更に叩くが、芯に入っていってしまっているのでなかなか出すことが出来ない。かなり堅いところに入っている。やっとの思いで幼虫を取り出すとやはりキュウシュウヒメオオに違いない幼虫でした。

根本の腐葉土と化した部分からはハナムグリ系の幼虫がポロポロと出てきます。
T氏採集キュウシュウヒメ♀ その頃Kボン氏はどんどん上に登って行ってしまったのですが、T氏とS氏が私の様子を見に来られました。

T氏は既にキュウシュウヒメオオの成虫♀を出されていて私も俄然やる気が沸々と。
しばらくこの立ち枯れと挌闘しますが幼虫12頭は出ましたが、成虫のは結局出せずに場所を変えることにします。

しばらく歩くと今度も良さそうな立ち枯れに。

九州の山は思ったより森が深い。そして立ち枯れや倒木が多い。

根部近くを叩いてみるとやはり食痕が出てきました。
ここでは幼虫9頭で打ち止めです。
倒木の上を歩くオニツノクロツヤムシ
間違いなくキュウシュウヒメオオ そのころKボン氏は大きな倒木から数十頭もの大量のヒメオオ幼虫と成虫を出していました。
私も近くの材を叩いてみるとポツポツですが幼虫が入ってます。そしてやっと成虫♀が出てきました。

♂は羽化後水没してしまったものは出ましたが、なかなか出てこない。

Kボン氏には以前から九州での状況などをお聞きしていたときは、行ってもほとんど数は採れないと聞いており、彼は成虫も3♂1♀を数える程でこの日はすこぶる順調の様子。
今回自己採集唯一のキュウシュウヒメオオ♀ ★のヒメ♂(汗
Kボンバー氏採集の大型♂成虫 私は更に上へ上がりましたが、結局成虫♂を出すことが出来ませんでした。

T氏もS氏も上がって来ないのでその後は順調なのだろうか・・

それとももう下山しているのかもわからないけど、いつの間にか17:00になっていたのでそろそろKボン氏と下山することに。

下山して車へ行くとS氏達は戻られていましたがT氏はまだ頑張っておられる様子。
「もしかしたらまた遭難してるのかも?よく遭難するんです。」とKボン氏達は笑っていると程なくT氏は無事降りて来られました。

いつもより成果が良かったのか割りとご機嫌な様子。だが、その後Kボン氏と私の成果をご覧になられるとかなりガックリされてしまわれて・・おまけにご自慢だった特大の♂完品★標本もバラバラで前胸しかタッパーになく私も思わず笑ってしまいました。(^^

濡れた服の着替えを済ませ、街へ下り皆で温泉に。
その後レストランで食事をしながらみなさんと楽しいひとときを。

明日もT氏は同じ山へ入る様子。私とKボン氏の2名は予定通り、更に北の山間部を目指して移動しました。

今回採集した個体

4名での採集結果です。

●キュウシュウヒメオオクワガタ 成虫♂4頭、♀4頭
 幼虫73頭(一部アカアシの可能性もあり)
●キュウシュウオニクワガタ 幼虫15頭
●アカアシクワガタ 成虫 ♂1頭、♀1頭
●ハナムグリ系 幼虫 10頭
●オニツノクロツヤムシ 30頭

キュウシュウヒメ 今回は目標をキュウシュウヒメオオに絞ってのトライですが、予想以上の大成果。しかし、倒木や立ち枯れの多くは既に斧が入っており、決して環境的には良くはない。本州の高山でもこれほど採集圧のある場所は少ないものと。これはルッキングによる採集が厳しいというキュウシュウヒメオオの特徴が災いしたものなのだろうか・・

中国・九州遠征4日目へ続く