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対馬國採集の風景 採集地:長崎県対馬市 2004.5.16 |
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早朝5:00頃空が白みかけて目を覚ますと雨も小降りになっていた。 まず近くのトラップを見て回るが何もいない。 うろもやはりなにも・・ 気を取り直し雨が弱い今のうちに登山をと決め、ポイントへ移動する。 朝食は移動中に済ませて6:00頃から本命ポイントの登山を開始した。 |
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急斜面とは聞いていたが、出だしが急なだけで後はそうでもない。だんだん雨もまた本降りになってきた。山はぬかるみ、滑って歩きにくい。こういうとき、下りは尚更滑りやすいので、登りに沢などの良さそうな所を見つけては叩いて行った。しかしコクワと思われる幼虫ばかりで、本命のキンオニは姿を見せてくれない。 この原生林にはモミの倒木は多いが、オニ系の入りそうな材は少ない。叩き跡も多くみられ、そういった材はことごとく割られてしまっている感じだった。 赤枯れした材を割ってみると、マダラクワガタの終齢幼虫が出てきた。 |
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だんだん標高を上げると霧が濃くなってきた。そろそろこの上が原生林なのだが、霧で視界がきかない上、雨雲で暗いので迷いそうな感じだった。 深入りは危険だと思いつつも原生林を上がっているといつの間にか頂上が近づいていた。頂上からは下界は霧で何も見えない。神棚で手を合わせて祈った。 キンオニに会うために遙々来たのにこの悪天候で悪環境・・おまけにこの日はまだ本命は1頭も出せていない。 ずぶ濡れになりながら私には神が与えた私への試練としか思えなかった。ここは早々に切り上げ、昨日出せた近辺へ移動しようと意を決すると足早に下山した。 |
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9:30頃には車へ戻り、ポイントの移動をすぐさま行う。 昨日目星を付けておいた別の沢へたどり着くと早々にまた雨の中、山へと入ったのだった。残された時間は僅かしかない。ここ一発の気合いで挑むことにした。 またここも昨日と同じ様な環境で期待が出来る場所だった。 しかし、しばらくはコクワと思われる幼虫しか出なかった。 |
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そんなときふと足下に、程良く朽ちたいかにもオニが好みそうな倒木を見つけた。 斧を使わずとも手で割れるくらいの材だったので手で割ると、いきなりポロポロとキンオニの終齢幼虫が出てきた。 今度は間違いなくキンオニの様だ。 しかも、そこそこ入っている。 割り出していくと、コクワらしきドルクス系の幼虫や若齢幼虫も混ざって出てくる。 いちいち判別していられないのでとりあえずタッパーに詰め込んでゆく。 |
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この日最初の当たりは大当たりな材だった。 神棚で手を合わせたとき、キンオニに逢うためにわざわざここまで来ましたと告げたのが伝わったのだろうと感謝する気持だった。 何頭のキンオニが出ているのかよくわからなくなっていたが、この対馬採集で一番の至福の時だった。 |
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その後も上へ上がっていくとまだまだ材は転がっている。 雨と暗さで、もうドルクスなのかキンオニなのか判別すら出来ない状態だったがとにかく嬉しかった。 いつの間にかここでの幼虫も100頭を越え、タッパーも一杯になってきていた。 時間も13:00になろうとしていた。下山の時間と空港までの移動の時間を計算するとそろそろ引き上げの時だった。 |
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車に戻り今度は仕掛けたトラップポイントの最終確認。 だがやはりこちらは無駄だった。 昨日も利用した休憩施設で着替えをすませて空港近くのレンタカー屋を目指した。 レンタカー屋に着いたのは15:40。 離陸まであと丁度1時間前だった。 |
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こうして私の初めての対馬採集は終了。 30時間という限られた滞在時間でやれるだけのことはやったつもりだった。 条件は最悪だったが、目標のキンオニもそこそこ確保出来たのでそれなりに満足感があった。 飛行機に乗り込むとほとんどは雨雲の中で外は何も見えなかったが、またあっという間に福岡に到着。 福岡の乗り継ぎでは時間があったので繁華街へ出て時間を潰し、19:30発の飛行機で大阪伊丹へと飛び立ったのだった。 |
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今回採集した個体 1名での採集結果です。 ●ツシマヒラタクワガタ成虫♂1 |
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今回は大雨・洪水・雷注意報の中での採集となり、なんとか目標のキンオニは確保出来ましたが、ツシマヒラタやチョウセンヒラタ等の採集はほとんど叶わなかった為かもしれないが、またこの対馬には機会を作って訪れたいと思います。対馬の魅力はまだ少ししか味わってないと思うから・・。しかし、次は雨は勘弁してほしい所ですが・・(汗 | |
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★★経過報告★★ | |
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