絵：久郷博子
文：野本史男
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一景　山田さん家の居間

イラスト：久郷博子

妻　　「疲れたわ・・・・もう少しお義母さま痩せてくれないかしら、そうすればおむつ交換やら寝返りの介護が楽になるのに・・・。」 夫　　「う〜ん、昔からよく食べたから・・無理だろうね、・・おれも頭が痛いよ。」 夫　　「・・・・・おまえにばかり母さんの介護を頼みっぱなしじゃ悪くてね。思い切って老人ホームに預けようか。」 妻　　「そんな簡単な話じゃないでしょ？」 夫　　「分かっているけど・・・どうすればいいんだろう。」 妻　　「そういえば！市役所からパンフレットが届いていて介護保険制度っていうのがどうしたこうしたって」 妻　　「平成12年4月1日から介護保険制度が始まります。住民票が置かれている市町村の窓口にご相談ください。って書いてあるわよ！」 夫　　「で？どこの会社の生命保険？」 妻　　「どうも・・・・役所がやっているみたい。新しい社会保険って書いてあるわ。」 夫　　「社会保険っちゅうことは、国民年金とかと同じっていうことだよねえ。んっ、ちょっ・・ちょっと貸してごらん。ええ？保険料払ってたっけ？」 夫　　「40歳以上65歳未満の方は・・・・・なになに、医療保険加入の方は、健康保険料から一緒に天引きされます。」 夫　　「で、65歳以上の方は・・・・・ほう！年金から天引きされます」 夫　　「しっかりしてるもんだね〜・・・ 　　　え〜と・・なになに・・・介護を受けようとする方はご自分の介護保険証をお持ちの上、市役所の介護保険課の窓口にお申し出ください。 　　　ってかいてあるじない。・・・・・ところで婆さんの保険証はあるのかな？」 妻　　「えーと」「これはあなたがもらってきたんだし、市役所から届いていたのは・・・」 妻　　「これよ！これ！」 夫　　「じゃあ介護保険が利用できるんだね」 妻　　「そうね！」

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