絵:久郷博子
文:野本史男

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五景 市役所窓口(その2)
夫  「で、手続きはどうすればいいんですか?」
職員 「はい、介護保険制度を利用する場合は、お母さんの同意が必要なのは当然ですが、その点は大丈夫ですね?」
夫婦 「はい」
職員 「ご希望のサービスはお決まりですか?」
夫婦 「ええ老人ホームでも入れないかと」
職員 「在宅サービスからご利用していただいた方が、まずは、よろしいんじゃないでしょうか?
    いろいろなサービスがありますから。どうぞこちらです。希望のサービスにチェックを入れてください。」
夫   「訪問介護ってなんですか?」
職員 「ホームヘルプサービスのことです」
夫   「ホー・・ム・・ヘ・・ル・・プ?」
職員 「介護保険では、代表的なサービスですよ。たとえば、家庭訪問しておむつ交換や身の回りの介護などのサービスをするんですよ。
    最近申し込み者も増えていますが」
職員 「あと、お母さんの「主治医」に「意見書」を書いていただくことになりますが、かかりつけの先生はいらっしゃいますか?」
妻   「二週間に一回往診に来ていただいている町内の先生・・・かしらねえ?」
夫   「そうだね。・・ところで先生はみなさん介護保険の意見書のこと、知っていらっしゃるんですよねえ?」
職員 「ご心配いりませんよ。もし、何か分からないことがあったら、市役所にご連絡ください。」
夫婦 「よかった!」
職員 「こちらの要介護認定の申請書をご提出いただきますと、すぐに市役所から要介護認定調査員がお宅をお伺いして身体状況の確認を行います。」
夫   「ハア・・・・」
職員 「それと・・・私どもの方からかかりつけ医の意見書を取らせていただき、調査結果を元に要支援、要介護の5段階のどこに該当するのか、審査会にかけて、30日以内に通知します。」
妻   「はあ、結構大変な手続きなんですね」
夫   「ところで、段階ってどういうものですか?」
職員 「高齢者の方の身体状況を分類したものです。
    一番軽度の方が要支援で、次からは要介護一段階、二段階と五段階まで分類するんです。
     それで、それぞれの状態に応じて利用できるサービス量が決まるんです。
     それでは、こちらが申請書。そして、こちらが同意書です。ご自宅に戻ってご本人のご了解をいただいた上で提出してください」
妻   「分かりました。それでは・・・申請書は・・・こちらと、同意書は・・・戻ってすぐ提出します」
職員 「はい、それでは、先に要介護認定調査員の訪問日を決めてしまいましょうか・・
     訪問調査は、来週の月曜日なら派遣できますが」
夫   「大丈夫?」
夫婦 「それではよろしくお願いします」
職員 「お疲れさまでした」


・・・山田さんのお宅では、このあとすぐに母の同意を確認し、無事かかりつけ医の意見書のための同意書を市役所に提出しました。」
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